【ドクターストーン】「ありえない」ところが満載なのも魅力

アニメ

『Dr.STONE(ドクターストーン)』は、科学をテーマにした異色の少年漫画・アニメとして多くのファンを魅了しています。

しかし、「それ、ありえない!」とツッコミを入れたくなる瞬間がたくさんあります。

この記事を読むとわかること

  • 千空の決め台詞「100億パーセント」は、ありえない
  • 3700年の意識保持は現実的に不可能
  • 科学者でありながら人間味あふれる千空の魅力

千空の決め台詞「100億パーセント」、ありえない!

『Dr.STONE』には、科学に裏打ちされた描写や知識が満載で、多くの読者に「科学ってすごい!」というワクワクを届けています。

しかし、そんな科学至上主義の世界観において、思わずツッコミたくなる要素も存在します。

それが、主人公・石神千空の決め台詞「100億パーセント」です。

「100億パーセント」は科学的にナンセンス?

作中で頻出する千空の台詞「100億パーセント」は、彼のキャラクター性を象徴する言葉です。

しかし、冷静に考えてみると、パーセントは100%が限界のはず。それを「100億」と膨らませてしまうのは、科学的には完全に数値の意味が破綻しています。

科学者はむやみに断言しない

科学者は、「確実」や「絶対」という言葉の使用に対して非常に慎重です。

理系の人間ほど断定表現を避ける傾向があり、「可能性が高い」「現段階ではこう考えられる」といった表現が主流です。

マスクの性能表記に「99%除去」とは書いても「100%除去」とは書かれないように、科学には「誤差」や「不確実性」がつきものです。

それにもかかわらず、千空は「100億パーセント」を多用する…これこそ作中で最も「科学的にありえない」表現と言えるでしょう。

理系キャラとしては矛盾するも千空の熱量を表現?

この「科学者らしからぬ口癖」は、単なる脚色なのでしょうか?

実はこれは、科学知識の正確さと、キャラクター性の印象づけという、演出上のバランスを取った結果だと考えられます。

千空の「100億パーセント」は、論理や理屈を超えて自分の信念を貫く姿勢の象徴とも受け取れるのです。

現実には存在しない強烈な表現であっても、それがキャラの熱量を表すのであれば、漫画的な誇張として受け入れられる余地はあるのかもしれません。

意識を3700年保つ?ありえない!

『Dr.STONE』の中でも特にインパクトのある設定のひとつが、千空が石化されながらも3700年間、意識を保ち続けたという描写です。

物語の起点として欠かせない要素ですが、科学的に考えるとありえなさの極みとも言える設定です。

3700年=約11億秒をカウントした千空

千空は、石化される直前から秒数を数え続けることで、石化解除のタイミングを計っていたとされています。

この発想は非常に千空らしいと言えますが、3700年=約11億秒を意識的にカウントし続けることは、あまりにも現実離れしています。

人間の集中力は数分から数時間が限界とされ、睡眠も不可欠です。

そのため、この描写は完全にフィクションとしての誇張表現だと割り切るしかありません。

数日の不眠でも幻覚や認知障害

人間は、数日間眠らないだけでも幻覚や認知障害が生じることが知られています。ましてや何千年にもわたって脳が活動を維持することは不可能です。

石化状態とはいえ、意識を保つにはエネルギー供給が必要であり、その仕組みも説明されていません。

非現実的な集中力が象徴するもの

ただし、漫画としてのエンタメ性を考えるなら、この「ありえない」設定も許容範囲に収まります。

千空の非現実的な集中力は、彼の科学への情熱と人間離れした知性を象徴する演出です。

読者としては「ありえない」と分かっていながらも、信じたくなるロマンがそこにあるのです。

千空の人間性にも「ありえない」魅力

合理性の塊のような千空ですが、物語が進むにつれ、彼の中に潜む「人間らしさ」が浮かび上がってきます。

それは、時に科学的合理性を超えるほどの仲間思いであったり、文化や娯楽を大切にする姿勢だったり。

ここでは、その非合理的とも言える千空の魅力を探ります。

合理主義なのに仲間を絶対に見捨てない

科学にしか興味がないはずの千空ですが、仲間が危機に陥った時には、自らの信念を曲げてでも救いに動くことがあります。

特に、過去に自分を殺した司を助けるシーンはその象徴です。

これは、彼の中にある人間に対する信頼と愛情の現れであり、彼の合理主義を単なる冷徹なものにしていない理由でもあります。

エンタメや文化を大切にする科学者の情熱

科学で文明を再興していく中で、千空は娯楽や文化の復活にも力を入れています。

クリスマスツリーの再現や音楽の復元など、一見無駄とも思える要素を軽視しないのは、科学の力で人々の心まで豊かにしたいという思いがあるからです。

この姿勢は、現実の科学者にも響く深いテーマとなっています。

合理性と矛盾した人間臭さを併せ持つ

千空は自分の感情を抑える合理主義者でありながら、他者の感情や価値観を受け入れ、時にはそれに寄り添う柔軟さも持っています。

この矛盾をはらんだキャラクター像が、彼をより人間らしい存在にしているのです。

「ありえない」ところも魅力

『Dr.STONE』には、科学的にありえない描写が多く存在します。

しかし、それらがむしろ作品の魅力を高めているのも事実です。

ツッコミどころ満載でも、それを上回る感動と楽しさがあるからこそ、多くの読者に愛されているのです。

ツッコミどころも含めて愛される

「100億パーセント」や「3700年の秒数カウント」など、思わず笑ってしまうような設定すら、キャラと物語への没入感を強めるスパイスになっています。

そのバランス感覚こそが『Dr.STONE』という作品の真骨頂でしょう。

科学と感情の狭間で光る『Dr.STONE』の本質

冷静な論理と熱い感情、科学的思考と人間的感情。そのどちらにも偏らず、絶妙なバランスで描き出された世界観が、この作品の本質です。

「ありえない」ことを楽しむ余裕こそが、この物語を深く味わうための鍵なのかもしれません。

この記事のまとめ

  • 千空の決め台詞「100億パーセント」の科学的矛盾
  • 意識を3700年保ち続ける設定の非現実性
  • 合理主義と仲間思いの「人間臭さ」のギャップが魅力
  • 文化やエンタメも重視する千空
  • 作品の「ありえない」ところが逆に魅力となる
  • 科学と感情のバランスが物語の核心である

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