『その着せ替え人形は恋をする』112話では、満開の桜の下で新菜と海夢がお互いの誕生日を祝います。
付き合って初めて迎える春。恥じらいや戸惑いを含みつつも、少しずつ確かにふたりの気持ちが紡がれていきます。
この記事を読むとわかること
- 海夢と新菜の誕生日デート
- 手をつなぎたい、名前で呼びたい海夢と、照れる新菜
満開の桜の下で「おめでとう」
満開の桜がふたりをやわらかく包み込み、春の陽ざしがきらめく中で、3月生まれの新菜と海夢はお互いの誕生日を祝いました。
海夢、最高の笑顔
風に舞う桜の花びら、ほころぶ海夢の笑顔、そしてシャッターを切る新菜の穏やかなまなざし。
恋人として迎える初めての春、何もかもが眩しく、美しく映ります。
「ぜんぶ楽しい!」
海夢の「ぜんぶ楽しい!」という言葉。新菜と一緒にいる時間が、海夢にとってどれほど大切で幸せかを、まっすぐに伝えています。
同じ時間を心から楽しんでいるということが、ふたりにとって何よりの誕生日プレゼントなのかもしれません。
手をつなぎたい
付き合い始めて初めて迎える春。ふたりの間には、まだ微妙な距離感があります。
互いを大切に思っているからこそ、近づきたいけれど少し恥ずかしい──そんな初々しさが表れていました。
「手、繋いで♡」
真っ赤になって、目を閉じて、片手を差し出し、手を繋ぎたいという海夢。
けれど、新菜は即答で断ります。人前で恋人らしい振る舞いをすることは、まだ照れくさくて受け入れきれないのです。
「人前では・・・」
「人前でそういう事するのは・・・・」と、新菜はそっと視線を逸らします。
それは決して拒絶ではなく、彼なりに海夢との関係を大事にしたいという気持ちの裏返しなのでしょう。
照れや不器用さが混じりながらも、ゆっくりと自分の歩幅で関係を築こうとする姿に、誠実な想いが感じられました。
拗ねて暴れながら、手つなぎデートをおねだりする海夢は、幼い子どものようでした。
お互いのバースデープレートを書く
バースデーケーキ型のサングラスをかけたふたり。花見客に注目されながらも、海夢はまったく気にせず誕生日を楽しんでいます。
新菜は人目が気になって表情がこわばり、少し居心地が悪そうにしています。
そして、ケーキのバースデープレートに、チョコペンでお互いの名前を書き合います。新菜は美しい文字、海夢は失敗しながらも笑顔がいっぱい。
もうひとつ海夢のやりたいこと
バースデープレートに書かれたふたりの名字を見て、海夢がおずおずと切り出します。
名字じゃなくて・・・
「な、名前で呼んだりとか・・・する?」
従姉妹達は、新菜を下の名前で呼んでいると言う海夢。
突然の申し出に、新菜は冷や汗が止まりません。
「わ か にゃ」
いざ口に出そうとすると、海夢も緊張してしまい名前を噛んでしまいます。一瞬見つめ合ったあと、真っ赤になってうつむくふたり。
「言えた!」ではなく「言えなかった」ことに、ふたりのときめきが表れているように感じました。
新菜は「今まで通りお願いします・・・すみません・・・」
呼び名は変わらなくても、ふたりの心の中では確かに、距離が近づいていると感じられる、そんな優しいやりとりでした。
ふたりの関係が優しく進む
桜の季節の中で重ねられた笑顔や言葉のひとつひとつが、ふたりの関係をやわらかく、しっかりと育てているように感じました。
手をつなぐ勇気、名前を呼びたい気持ち、見つめ合って笑う時間──。
海夢と新菜が過ごした小さな誕生日は、ふたりの「これから」を優しく照らす、かけがえのない一日だったのではないでしょうか。
この記事のまとめ
- 桜の季節に開かれた、海夢と新菜の合同誕生日会
- 写真撮影や手つなぎをめぐる微笑ましいやりとり
- 名前で呼びたい海夢、戸惑う新菜
- 少しずつ距離を縮めていくふたりの恋
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