東京都大田区に位置する蒲田。
羽田空港にも近く、古くから工業と商業の町として発展してきた地域である。
駅前にはアーケード街や昭和レトロな飲み屋街が軒を連ね、昼も夜も活気に満ちている。
この町には、どこか懐かしさを感じさせる人情と、庶民の味が色濃く残っている。
そんな蒲田に、ドラマ『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎が足を運んだのは、ごく自然な流れだったと言えるだろう。
本記事では、五郎が訪れた店や、その周辺の食文化、さらには蒲田ならではの“孤独の味わい”について掘り下げていく。
【グルメ梨子ちゃん、ベトナム料理へ!①】
4月13日(日)、フォロワーの琥珀さん、ぴこぴーぴこちゃんさんと大田区蒲田のベトナムレストランTHITHIへ。
ここは『孤独のグルメ』4期11話に登場した人気なお店で、13時に到着、14時に入店。#梨子のグルメ pic.twitter.com/aLu9H73VOe— T遼 (@EntdeckerT) April 16, 2025
孤独のグルメ、蒲田という町の魅力:五郎が蒲田で見つけた“異国の風”
蒲田といえば、羽根つき餃子の聖地としても知られている。
その代表格が、「歓迎(ホアンヨン)」だ。
『孤独のグルメ Season3』第4話で登場したこの店は、五郎が偶然立ち寄った中華料理店で、メニューの多彩さと本格的な味に驚きを隠せなかった。
店内は地元の常連客で賑わいながらも、どこか家庭的な雰囲気。五郎がオーダーしたのは、「羽根つき焼き餃子」、「麻婆豆腐」、「豚肉とピーマンの細切り炒め」など、中華の定番メニュー。
とりわけ絶賛していたのが、パリッとした羽根とジューシーな餡が絶妙にマッチした餃子だった。
蒲田では餃子が庶民の味として根付いており、同じく人気店の「你好(ニイハオ)」や「金春本館」なども餃子激戦区を支えている。
食べログでも高評価を得ている「歓迎」は、まさに五郎の“腹の虫”を満たすにふさわしい店だった。
本日は過去メシを
いつぞやお伺いした蒲田の歓迎(ホアンヨン)
昭和60年創業、蒲田の羽根つき餃子御三家の一つである中華料理店です。
写真は羽根つき焼餃子、玉子炒飯、麻婆豆腐、ジャージャー麺。
美味さもさることながら、餃子は390円、炒飯は660円とリーズナブルでコスパ抜群です pic.twitter.com/0djrzypN3M— 谷岡育夫(日本プロ麻雀連盟) (@it_uesama) May 16, 2025
孤独のグルメ、蒲田という町の魅力:商店街の人情と香ばしさ
蒲田は大きく「東口」と「西口」に分かれており、特に東口側には飲食店が密集している。
五郎が訪れた「歓迎」もこのエリアにあり、周辺には立ち食い寿司、立ち飲み屋、老舗のラーメン店などがひしめき合っている。
たとえば、地元民に人気の焼き鳥屋「鳥万 本店」。
昭和の香りを残す大衆酒場で、昼から営業しているため、観光客やサラリーマンだけでなく、地元のお年寄りにも愛されている。
「孤独のグルメ」的視点で見れば、このような“昼飲み文化”や“昭和の残り香”もまた魅力的である。
五郎が一人静かに焼き鳥をほおばりながら、心の中で「昼間っから酒を飲む人間の幸せそうな顔を見ると、なんだか自分も嬉しくなる」とつぶやきそうな風景が広がっている。
孤独のグルメ、蒲田という町の魅力:穴場の名店
一方、蒲田駅の西口エリアには、より静かで落ち着いた飲食店が点在する。
五郎が好みそうな定食屋や個人経営のカフェも多く、食事だけでなく、心のリセットにも向いている空間だ。
例えば「洋食 大吉」は、昔ながらのナポリタンやハンバーグ定食を提供するレトロな洋食屋。
注文が入ってから丁寧に作られる料理の数々は、どこか家庭的で、まるで“実家の味”を思い出させてくれる。
こうした店で五郎がゆったりとハンバーグを頬張る姿は、見る者に安心感を与えてくれる。
さらに、隠れた名店として注目されるのが「とんかつ丸一」。
揚げたてサクサクの衣に、ジューシーな肉。
ボリュームも申し分なく、肉厚なロースかつはまさに「孤独の贅沢」そのものだ。
孤独のグルメ、蒲田という町の魅力:蒲田のグルメが語る、ひとりの食事の豊かさ
『孤独のグルメ』が一貫して伝えてきたのは、「ひとりで食べることは、決して寂しいことではない」という価値観だ。
蒲田のような町では、それがよりリアルに、かつ優しく感じられる。
多国籍な食文化が入り混じりながらも、どこか温かく、庶民の生活に根ざした料理ばかり。
五郎が選んだ食事には、価格でも演出でもなく、ただ「うまいから食べる」というシンプルで力強い動機がある。
蒲田の店々もまた、そんな“五郎的精神”を体現している。
どんな店にも、それぞれの物語があり、どんな料理にも、それを作る人の思いが込められている。
孤独な食事の背後に、そうした人と人との繋がりが浮かび上がるのだ。
孤独のグルメ、蒲田という町の魅力:まとめ
蒲田という町は、『孤独のグルメ』という作品の本質、「一人で自由に、思うままに、食べる幸せ」を体現するのにぴったりな場所だ。
派手さはないが、どの料理も滋味深く、どの店も訪れる者を拒まない。
五郎のように“気の向くままにふらりと立ち寄り、ひとりで静かに食事を楽しむ”という行為が、ごく自然にできる町。
もし、あなたが一人でふらりと蒲田を訪れる機会があれば、五郎のように、自分の心と腹に正直になってみてほしい。
そこには、あなた自身だけが知る“孤独のグルメ”がきっと待っているだろう。
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