埼玉県越谷市。
東京都心から電車で約30分。
東武スカイツリーラインやJR武蔵野線が通る利便性に優れたベッドタウンとして、多くの人々が暮らしているこの街には、一見するとチェーン店ばかりのイメージがあるかもしれない。
しかし、その裏側には、静かに食を楽しみたい“ひとり飯”の名所とも言える個人経営の良店が点在している。
今回は、テレビ東京の人気ドラマ『孤独のグルメ』の主人公・井之頭五郎が越谷を訪れたら…という仮想設定のもと、彼の視点に近づいて、越谷の「静かなる名店」をめぐる旅に出てみよう。
厨sawa(越谷市せんげん台)でカキのクリームシチューのオムライス1880円を。
孤独のグルメにも紹介された予約必須の人気店です。
プリップリの大きなカキは超絶クリーミーでクセも全く無くてめちゃくちゃ旨い。
ソースもふわふわ卵のオムライスも非の打ち所が無くて全部が素晴らしかったです。
満足! pic.twitter.com/olkKMXlO7I— なーしー (@Narcyjiro2) January 28, 2022
孤独のグルメ、越谷で美食を探そう:越谷駅周辺のレトロな魅力
東武スカイツリーラインの越谷駅は、開発の波と昭和の香りが同居する不思議な街並み。
駅前こそビルやマンションが増えているが、裏道に入れば昔ながらの飲食店が現れる。
中華そば 大勝軒 越谷店
駅から徒歩5分。大通りから少し外れた場所にひっそりと佇む「中華そば 大勝軒 越谷店」は、地域住民に長年愛されている老舗ラーメン店だ。
平日の昼間でもカウンター席は常連客で埋まり、職人肌の店主が黙々と調理をする光景はまさに『孤独のグルメ』の世界観。
人気メニューは「もりそば」。
どっしりとした太麺はモチモチとした食感が心地よく、つけ汁は醤油ベースながら甘酸っぱい深い味わいが特徴。
五郎さんなら思わず「このつけ汁、計算され尽くしてる…」と呟きそうだ。
麺をすすり、スープを啜るその一瞬に、自分と向き合う静かな時間が流れていく。
ひとりでの来訪が似合う、越谷ならではの名店である。
やっぱり食べたい〜
越谷まで来たので…一ノ割まで大勝軒の 中華そば うまい!
ごちそうさまでした(^^)#大勝軒、#一ノ割 pic.twitter.com/DP93DBEuT0
— 遠藤 みつひろ (@endou_12) June 28, 2018
孤独のグルメ、越谷で美食を探そう:南越谷・新越谷の小さな贅沢
越谷市にはもうひとつの大きなターミナル駅、南越谷(JR)・新越谷(東武)がある。
このエリアは通勤通学の乗換駅としてにぎわうが、少し歩くとひっそりとした住宅地が広がっており、ローカルな飲食店も多い。
とんかつ割烹 さとう
新越谷駅から徒歩5分ほどの住宅街にある「とんかつ割烹 さとう」。
昼は定食、夜は割烹として地元に愛されている一軒。
店構えは古風で、店内に一歩入ると木の香りが落ち着いた空気を漂わせている。
カウンターに座り、「ロースかつ定食(1,300円)」を注文。
ほどなくして提供されたとんかつは、きめ細かな衣に包まれ、箸で持った瞬間にその肉厚さがわかる。
サクッとした衣の中に閉じ込められた豚肉のジューシーさ、甘み。
キャベツの千切りと赤だしの味噌汁のバランスも絶妙で、思わず五郎さんのように「……これは、うまい。豚が本気出してきたな」と心で呟いてしまう。
孤独のグルメ、越谷で美食を探そう:越谷レイクタウンから離れて
越谷といえば、「イオンレイクタウン」を思い浮かべる人も多い。
だが、今回はあえて巨大商業施設を外し、市内の地元民が集う、静かで味わい深いスポットを取り上げる。
そば処 まるやま(越谷市役所近く)
越谷市役所のすぐそばにある「そば処 まるやま」は、昔ながらの風情を残した名蕎麦屋。
木の看板、暖簾の揺れる玄関口は、五郎さんが思わず足を止めるに違いない外観だ。
「鴨南蛮そば(1,100円)」を注文。
香ばしく焼き目のついた鴨肉と、丁寧に出汁を取ったかえしの効いたつゆ。
そして、少し太めでコシのある蕎麦が三位一体となって、じんわりと体の芯から温めてくれる味だ。
店内は静かで、カウンターの向こうで店主が蕎麦を茹でる音と、客の箸の音だけが聞こえる。
ひとりでありながら、どこか「食と向き合っている」感覚に浸れる場所。
こういう店こそ、“孤独のグルメ”的名所と呼ぶにふさわしい。
孤独のグルメ、越谷で美食を探そう:ディープな越谷の裏路地グルメ
越谷にはもうひとつ、隠れた魅力がある。
それは、駅から少し離れた場所にぽつんと存在する、知る人ぞ知る名店たち。
地元民の口コミや、偶然の発見でしか辿り着けない、そんな“食遺産”が息づいている。
町中華「龍香飯店」(大袋)
大袋駅から徒歩10分。住宅地の一角にある「龍香飯店」は、町中華の王道をいく名店。
外観は年季の入った赤い看板。
中に入ると、ご主人と奥さんが切り盛りするアットホームな空気が漂う。
名物は「チャーハン+餃子セット」。
チャーハンはしっとり系ながらパラパラ感もあり、卵とネギ、チャーシューの旨味が噛むほどに広がる。
餃子は皮が厚めでモチモチ、にんにくがしっかり効いている。
食後に烏龍茶を飲みながら、ひとり反芻する幸福感。
まさに“黙って食べたい”逸品である。
孤独のグルメ、越谷で美食を探そう:まとめ
『孤独のグルメ』の井之頭五郎は、どんな場所でも食を楽しむ達人だが、越谷のように静かで、地元の人に愛されている店を訪れたなら、きっと満足して帰るだろう。
誰にも邪魔されず、自分のペースで箸を進めるひととき。
あくせくした日常の中で、そんな“ひとり飯”が与えてくれる癒しの力は計り知れない。
越谷には、それを実感させてくれる空間と料理がある。
あなたもぜひ、五郎さん気分で、この街の「静かな美味しさ」を味わってみてはいかがだろうか。
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