『本好きの下剋上』の主人公マインは性格が悪い、自己中心的すぎる、クズといった声もきかれるほど賛否両論がある主人公です。
この記事では、彼女が「クズ」とまで言われる理由について考察します。
この記事を読むとわかること
- マインがクズと言われる具体的な理由
- 本好き設定の違和感と物語の矛盾点
- 読者評価が分かれる性格と作品の魅力
『本好きの下剋上』主人公がクズと言われる理由
『本好きの下剋上』は、コミカライズ、アニメ化もされている人気ライトノベルですが、主人公マインの性格の悪さがたびたび話題になっています。なぜ彼女は「クズ」とまで評されるのでしょうか。
自己中心的でわがまま
マインの最大の特徴は徹底的な自己中心性です。彼女は本を読むためなら周囲の事情を顧みず、家族や友人に迷惑をかけることを厭いません。
一般的に、欠点の多い主人公でも物語が進むにつれて成長する様子が描かれますが、マインの場合は性格が改善するどころかむしろ悪化していきます。
結果として、わがままで周囲を振り回すだけの存在と見なされ、クズ呼ばわりされてしまうのです。
病弱で動けないのに家族に負担をかける
マインは身食いという重い病気で、ほんの少し動いただけでも体調を崩してしまいます。
しかし、その立場をわきまえるどころか、家族にさまざまな負担を強いる場面が目立ちます。
例えば、貴重な水や食料を自分の快適さのために使わせたり、過酷な冬支度を放棄して紙作りに没頭するなど、はたから見ると理不尽な要求ばかりです。
貧しい家庭なのに贅沢を要求
さらに、マインは生活に余裕がない家庭で贅沢を求める言動が多いです。
髪を洗うために高価な果実を使わせたり、幼い姉に沐浴の準備をさせるなど、普通の子どもなら遠慮するようなことを当然のように求めます。
これは現代人の価値観を引きずった転生者だからとも言えますが、周囲の苦労を理解しようとしない態度は、自己中心的なキャラ像につながっています。
本好き設定なのに違和感
タイトルに「本好き」とあるものの、マインの言動には本への深い愛情が感じられない場面が多いと感じます。
具体的にどんな違和感があるのか、掘り下げていきましょう。
好きな本の具体的な話題がほとんどない
マインは本を愛してやまない主人公のはずですが、作中で「どの本」「どんなジャンル」が好き、といった具体的な描写がほとんどありません。
本が好きで転生した設定なのに読書の話題が浅く、単なる「読書家アピール」にとどまっています。
結果として、本好きというより本を口実にわがままを通すキャラという印象につながります。
読書家らしい知識の活用が少ない
さらに矛盾しているのは、読書家であれば持っているはずの豊富な知識が、ほとんど活かされていない点です。
異世界で役立つ知識を披露する場面もありますが、本の内容を活用したわけではなく、都合よく思い出しただけのような印象です。
このため、本好き設定の説得力が薄く、違和感を覚えるのです。
本を作る目的が曖昧で一貫性がない
「本がないなら作ればいい」が序盤のテーマですが、なぜ本を作る必要があるのかが曖昧です。
自分が読みたいから作るのか、周囲に広めたいのか、目的がぶれているため共感しにくいのです。
物語が進むにつれて本から離れた展開が増え、「結局何がしたいの?」という疑問が残ります。
物語が進むほど増す自己中心性と違和感
通常、物語が進むにつれてキャラクターは成長や変化を見せるものです。しかしマインの場合、自己中心性が増していくと感じるのです。
改心するどころか悪化する性格描写
マインは最初からわがままですが、物語が進むにつれて周囲を見下すような態度が増えます。
通常の「なろう系」では主人公の反省や成長が描かれますが、この作品では逆に自己中心的な思考が強化されていくのが特徴です。
このため、当初よりも嫌いになったように感じます。
マインに都合の良い世界設定
また、マインが生きやすいように世界が設定されている点も不自然です。
病弱で役に立たない子どもを貧しい家族が手厚く看病し、都合よく助けてくれるキャラが次々と現れます。
そのため、まるで主人公のためだけに用意された世界と感じて没入感を削ぐ結果になっています。
主人公マインは本当にクズなのか
マインがクズと言われる理由は、自己中心的な性格、病弱で周囲に負担をかける態度、そして本好き設定の不自然さにあります。
しかしその欠点こそが物語の個性であり、主人公が完璧ではないからこそリアルだと感じる人もいるでしょう。
最終的には、マインの性格を「嫌悪すべきもの」と見るか「作品の魅力の一部」と見るかで評価が分かれます。
この記事のまとめ
- マインは自己中心的でわがままな主人公
- 病弱で家族に負担をかける
- 貧しい環境で贅沢を求める
- 本好き設定に具体性がなく違和感
- 物語が進むほど性格が悪化する
- 都合の良い世界設定が不自然
- 性格の悪さをリアルと見る人もいる
- 評価が分かれる作品の象徴的存在
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