【よふかしのうた】考察 マヒルはなぜ死んだのか?

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『よふかしのうた』に登場するマヒルは、なぜ死んだのでしょうか?この記事では、マヒルの背景とともに、彼が死に至った理由について考察します。

この記事を読むとわかること

  • マヒルの背景
  • マヒルとキクの関係性
  • 死の原因を考察

マヒルはコウの幼なじみ

『よふかしのうた』に登場する夕真昼(セキ マヒル)は、主人公夜守コウの小学校時代からの友人です。もう一人の幼なじみ朝井アキラとも親しく、3人で共に過ごすことの多い仲間でした。

コウを気にかけていた

中学に上がってからは疎遠になっていましたが、マヒルはコウのことを常に気にかけており、彼が学校に来なくなったことにも心を痛めていました。

優等生を演じる孤独な少年

学校では成績優秀・スポーツ万能・友人も多いという完璧な生徒」を演じていたマヒル。

しかし、それはあくまで「演技」であり、本当の彼は深い孤独と空虚感を抱えていました

演じている自分を認識しながらも周囲に合わせて生きる日々は、マヒルの心を静かに蝕んでいました。

兄の死を受け入れられない母

マヒルにはかつて兄がいましたが、事故で亡くなりました。母親は兄の死を受け入れられず泣くばかりで、兄の話しかできなくなります。

弟のマヒルは目の前で生きているのに・・・

マヒルとキク

兄が亡くなった事故現場に、毎日ひとりで立ち尽くしていた幼いマヒル。

その姿を見ていた女性が、声を掛けました。

「人は人を嫌いになっていいんだよ」

その言葉は、マヒルにとって生きていく支えとなりました。

配達先で出会ったキク

マヒルの実家は花屋で、彼はよく配達を手伝っていました。配達先のひとつが、星見キクの家でした。

当初、マヒルはキクが吸血鬼だと知らず、魅力的な年上の女性として恋心を抱くようになります。

誰にも見せなかった素の自分を、キクには見せることができたのです。

キクもマヒルに心を開く

キクは数百年生きてきた吸血鬼で、多くの人間と関わってきましたが、マヒルにだけは心を開いていたようです。

キクは「人間に戻りたい」という願いを持っており、その手段として「恋をして血を吸う」という実験を繰り返してきました。

しかしマヒルに対しては、利用するだけでなく、本気で想いを寄せるようになったのです。

ひとりにさせない

キクの余命が短いことを知ったマヒルは、彼女と共に生きる道を選び、旅に出ます

北海道を訪れた二人は、最後の時間を静かに過ごしました。

キクは自らの死を望み、「自分を殺してほしい」とマヒルに頼みますが。しかし、マヒルは「ひとりにさせない」という選択をしたのです。

最後の瞬間、マヒルは気づきました。幼い自分に声をかけてくれた女性は、キクだったのです。

マヒルはなぜ死んだのか

『よふかしのうた』で突然訪れる、マヒルの死。そこには吸血鬼という存在の特性と、彼自身の決断が深く関わっていると考えられます。

考察① 吸血鬼のルール「恋による死」

作中で提示される吸血鬼のルールのひとつが、「恋による死」です。

「恋をした相手の血を吸うと、その人間は死ぬ」

これは作中の吸血鬼社会で知られている通説であり、血を吸った側の想いの強さが「死」の引き金になるという残酷な設定です。

このルールの恐ろしさは、愛が深いほど命を奪ってしまうという矛盾にあります。

マヒルはキクに恋し、キクもマヒルに恋した

マヒルはキクに恋しており、キクも同じ感情を抱いていたことは、作中の描写から明らかです。

当初キクは、人間に戻るための「実験」のように接していましたが、映画の感想を語り合ったことで「本物の恋」に気づいたようです

恋をして、血を吸った

そのため、キクがマヒルに恋をした状態で血を吸ったことになり、それが原因で「恋による死」のルールが発動し、マヒルは死んでしまったと推察されます。

考察② 思い出の場所が「吸血鬼の弱点」

吸血鬼には、日光などの物理的な弱点だけでなく、精神的な「執着」が死を引き起こすというルールもあります。

生前に強い執着を持った物が弱点

作中では、吸血鬼が人間時代に強く思い入れのある物などが弱点となって、致命的なダメージを受ける描写があります。

母との思い出の場所だった

マヒルが灰になって消えた場所は、彼が母親と唯一楽しい時間を過ごした思い出の地でした。

これは物ではなく「場所」ですが、その場所での思い出が強い執着を持つ対象となり、その結果マヒルが灰になったとも考えられます。

考察③ マヒル自身が死を選んだ

また、マヒルが自ら死を受け入れていた可能性も見えてきます。

吸血鬼のルールでも弱点でもなく、彼自身の意思であったという見方です。

「キクを独りで死なせない」

キクは「死にたい」と願い、マヒルにその手助けを頼みます。

しかしマヒルは、「死ぬなら一緒に」と決め、最期の瞬間まで彼女と寄り添ったのです。

愛した人と共に

家族にも、社会にも、自分の居場所がなかったマヒルにとって、唯一自分を理解してくれたのがキクでした。

そのキクと最期を共にすることは、彼なりに「生ききった証」だったのかもしれません。

この記事のまとめ

  • マヒルはコウの幼なじみで、心に孤独を抱える少年
  • 吸血鬼キクとの恋が彼の運命を大きく変えた
  • 最期は、キクに血を吸われて灰となり命を落とす
  • 死因の有力説は「恋した吸血鬼による吸血」
  • 死の場所が思い出の地だったことも関係している可能性がある
  • マヒル自身が死を選んだという解釈も可能
  • 家庭環境や兄の死が、マヒルの心に深い影響を与えた
  • マヒルの死は、ただの悲劇ではなく愛と救いの結末とも考えられる

 

 

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