アンナチュラル 犯人!金魚の真相とは?

ドラマ

『アンナチュラル』第9話で明かされた連続殺人の犯人と「赤い金魚」の真相が話題を呼んでいます。

視聴者が最も気になったのは、被害者の口に残された「赤い金魚」が意味するもの、そしてその犯人が誰だったのかという点です。

この記事では、複数の感想ブログをもとに、犯人の正体とその動機、「赤い金魚」の意味、そして中堂の過去に深く関わる事件の全貌を詳しく解説していきます。

この記事を読むとわかること

  • 『アンナチュラル』に登場する犯人・高瀬の正体と動機
  • 「赤い金魚」が象徴する意味と事件の関連性
  • 中堂と夕希子の過去に隠された真実とドラマのテーマ

アンナチュラル 犯人 金魚の正体は不動産屋・高瀬だった

『アンナチュラル』の終盤で判明した真犯人は、視聴者の予想を裏切る形で不動産屋の高瀬でした。

第9話では「赤い金魚」を手がかりに事件が急展開し、最終的に高瀬の存在がクローズアップされます。

登場シーンは地味ながらも、伏線を丁寧に張り巡らせた構成によって、最後にその正体が明かされたときの衝撃は大きなものでした。

高瀬は表向きは誠実そうな不動産業者として振る舞っていましたが、実際には部屋探しに来た女性たちをターゲットにする冷酷な連続殺人犯でした。

事件の鍵となったのは、被害者の口の中から見つかる「赤い金魚」――これが中堂の恋人・糀谷夕希子の遺体にもあったことから、8年前の事件とのつながりが浮かび上がります。

一見無関係に思えた複数の事件が、「赤い金魚」という共通項で結びつき、やがて一人の犯人像に収束していく流れには、ただ驚かされました。

高瀬が狙ったのは、人生の節目を迎え、新しい生活を始めようとしていた女性たち。

この点について宍戸が語った、「未来ある女性が殺されている」という言葉は、高瀬の動機を示唆する重要なヒントでした。

強い憧れや希望を持って前進しようとする女性たちを、何らかの歪んだ理由で憎み、命を奪っていたのです。

さらに印象的だったのは、遺体の発見場所の選定や被害者の所持品を燃やすなど、犯行の手口が異常に慎重かつ冷静だったこと。

これにより、長らく犯人を特定できなかったこともうなずけます。

しかし、UDIラボの地道な捜査によって、すべての点と点がつながり、高瀬の正体がようやく明かされたのです。

「赤い金魚」は連続殺人の共通点だった

『アンナチュラル』の連続殺人事件の象徴ともいえるのが、遺体の口内から発見される「赤い金魚」の存在でした。

この赤い金魚は、ただの偶然ではなく、すべての被害者に共通して見られた決定的な特徴です。

中堂が8年前に解剖を担当した恋人・糀谷夕希子の遺体にもこの金魚が残されており、彼の執念の捜査の起点となっていました。

一見すると不可解なこの赤い金魚の意味は、やがて犯人の異常なこだわりやメッセージ性を示す象徴へと変わっていきます。

それは「自分が選び、命を支配している」ことのサインであり、犯人・高瀬の歪んだ自己顕示欲の現れでした。

まるで作品にサインを残すように、金魚は各事件現場に配置されていたのです。

またこの「金魚」は、金魚鉢の中で飼われる弱い存在の象徴ともとらえられます。

犯人は、自身を「飼い主」になぞらえ、女性たちを操れる存在だと錯覚していたのでしょう。

こうした心理描写もまた、『アンナチュラル』の深みを与える要素となっていました。

そして何より、この「赤い金魚」の痕跡を頼りに、UDIラボは連続殺人であることを突き止めることに成功します。

一見バラバラに見える死が、ひとつの糸でつながる瞬間――それはミステリー作品としての醍醐味でもありました。

視聴者にとっても、この金魚が明確なサインだったことに気づく時の衝撃は大きく、物語の核心へと一気に引き込まれたのです。

高瀬が狙った女性たちの共通点とは?

犯人・高瀬が選んだ被害者たちには、 共通した特徴がありました。

それは「未来への希望を持ち、人生の転機に立っていた」という点です。

彼女たちは就職、引っ越し、結婚、夢の実現など、人生の新たな一歩を踏み出そうとしていたのです。

その中には、部屋探しの最中に高瀬と出会い、不動産案内の名目で殺害された女性も含まれていました。

代表的な例が、中堂の恋人・糀谷夕希子です。

彼女は結婚を控え、新生活のための部屋探しをしていた最中に高瀬に声をかけられ、部屋に案内された末に命を奪われました。

また、別の被害者も就職活動中だったり、転職で地方から上京してきたばかりだったりと、生活の変化と希望を抱えていたことが共通点として浮かび上がります。

これらの点から、高瀬は夢や未来を持つ女性に強い執着や嫉妬心を抱いていたことが推測されます。

彼にとってそれは、自身の孤独や劣等感を刺激する存在だったのかもしれません。

さらに、犯行場所にも特徴があります。

いずれの事件も、高瀬の管理する空き物件や紹介中の部屋で行われており、彼の立場を利用した計画的な犯行であったことがわかります。

このように、高瀬は社会的に見れば“無害な顔”を装いながらも、自身の都合で弱者を狙うという非常に危険な存在だったのです。

中堂が追い続けた赤い金魚の謎と真実

UDIラボの法医解剖医・中堂系が執念を燃やして追い続けたのが、遺体の口に残された「赤い金魚」の謎でした。

この金魚は、8年前に命を奪われた恋人・糀谷夕希子の遺体にも残されていたものです。

中堂はそれ以来、同じ特徴を持つ遺体を探し続け、連続殺人事件の存在に気づいていた唯一の人物でもありました。

中堂の恋人・夕希子は、結婚を目前にして不動産屋を訪れ、案内された部屋で殺害されたと見られています。

その遺体の解剖を担当することになった中堂は、強いショックと共に「赤い金魚」を見つけ、それが犯人の明確なサインであると確信。

それ以降、彼はUDIラボでの解剖を通じて同様の遺体を探し続けていたのです。

この行動は、時に周囲から理解されず、同僚との軋轢も生んでいました。

しかし彼は諦めず、一貫して犯人を突き止めるために動き続けていたのです。

その姿勢が、物語の中で視聴者にとっても信頼と共感を呼ぶ要素となりました。

「赤い金魚」は単なる証拠ではなく、中堂と夕希子の悲しい絆の象徴でもありました。

そして、それが他の被害者たちとつながったとき、中堂はただの復讐者ではなく、「不自然な死を見逃さない解剖医」としての使命に目覚めていきます。

最終的にこの金魚が、高瀬の犯行を証明する決定打となることで、中堂の長年の努力が報われた瞬間でもありました。

糀谷夕希子の死と中堂の執念

中堂が「赤い金魚」に異常なまでに執着していた理由は、最愛の恋人・糀谷夕希子の死に深く起因しています。

彼女は8年前、部屋探しの途中で高瀬に声をかけられ、不動産物件の内覧という名目で部屋に案内された後、遺体となって発見されました。

そして、その口内には「赤い金魚」が残されていたのです。

夕希子は絵本作家としてデビューを控え、中堂との結婚を目前に控えた希望に満ちた女性でした。

その矢先に命を奪われたことで、中堂の心に深い傷を残します。

さらに彼自身がその解剖を担当するという壮絶な運命が、彼の人生を大きく変えるきっかけとなったのです。

事件後、中堂は誤認逮捕されるという苦難にも遭いました。

それでも彼はUDIラボに身を置き、あらゆる遺体に向き合いながら、夕希子と同じ特徴を持つ被害者の存在を追い続けてきました。

彼の執念深さは、一見冷酷に映る場面もありましたが、その奥には強い愛と無念、そして正義があったのです。

夕希子の描いた絵本「ピンクのカバ」や「茶色い小鳥」の原画が遺品として残り、それを通じて中堂が彼女の思いを感じ取るシーンも印象的でした。

特に、「死んだあとに花になる」ことを肯定する夕希子の感性は、中堂にとって理解しがたいものでしたが、のちに彼の考えを変える大きな意味を持つようになります。

それは、中堂がただの復讐者ではなく、「命の意味」を真剣に問う人物へと変化していくことを示していました。

被害者の口に赤い金魚を残した理由

犯人・高瀬がなぜ被害者の口に「赤い金魚」を残したのか――その理由は、彼の異常な支配欲とメッセージ性にありました。

金魚は美しくも儚い存在であり、ガラスの中で飼い主の支配下にある象徴。

高瀬は、まるで自分が命の主導権を握る“神”のような存在であると錯覚していた節があるのです。

また、金魚を“遺体に残す”という行為そのものが、犯人の異常性を物語っていました。

一般的な連続殺人犯は証拠を隠そうとするものですが、高瀬はあえて自らの犯行の「痕跡」を印として残すという選択をしていました。

これは連続性を示すだけでなく、「自分を見つけてみろ」という挑発的な意味も含んでいたと考えられます。

さらに、金魚は「水の中の生き物」であり、本来は口に入れるものではありません。

それをわざわざ被害者の口に入れるという行為は、生命の逆転現象や違和感を象徴しており、視聴者にも強烈な印象を与えました。

この非現実的な演出が、ドラマ『アンナチュラル』のテーマである「不自然な死(アンナチュラル・デス)」を際立たせる役割を果たしています。

また、高瀬にとって金魚は「生」と「死」をつなぐ道具であり、被害者の人生を自分の手で終わらせた証でもありました。

その異様な執着が、彼の犯行動機や内面をより深く浮かび上がらせる鍵となったのです。

こうして「赤い金魚」は、物語全体を貫く象徴として、重要な意味を持ち続けたのでした。

宍戸の思惑とミスリードの構造

物語の中で強烈な存在感を放ったのが、フリーライター・宍戸理一です。

彼は事件の真相に迫るような情報を持ちながらも、あえて歪んだ形で関与し続け、視聴者に「彼が犯人なのでは?」と疑わせるような行動を重ねていました。

その目的と真意は、終盤に至るまで大きな謎として描かれていきます。

宍戸は、事件現場に現れたり、遺体の発見場所を把握していたりと、不自然なまでにタイミングが良すぎる人物でした。

彼は、UDIラボの六郎にも接近し、情報を引き出そうとするなど、明らかに裏がある動きを見せていたのです。

これにより、視聴者は「犯人か、もしくは共犯者では?」と疑念を抱く構造が自然に生まれていました。

しかし実際には、宍戸は高瀬の犯行を完全には把握しておらず、真犯人ではありませんでした。

彼は8年前の事件の真相を追っていた一人であり、強引な手段でネタを追う記者という立場から、情報を武器に立ち回っていたに過ぎなかったのです。

その姿勢がミスリードを生み、物語に意外性を与える役割を果たしていました。

宍戸が宙ぶらりんな立ち位置で描かれることで、観る者は常に疑心暗鬼になります。

この視聴者の疑念をコントロールする脚本の巧妙さは、ミステリーとしての完成度を高める重要な要素となっていました。

「実は彼もまた被害者だったのかもしれない」と思わせるほど、複雑な心理を掘り下げたキャラクターでもあったのです。

宍戸はなぜ高瀬をかばうような行動を?

ドラマ『アンナチュラル』の中で宍戸理一が見せた、高瀬をかばうようにも見える言動は、多くの視聴者に疑念を抱かせました。

事件の核心に近づいているにもかかわらず、なぜ彼は犯人である高瀬を直接的に糾弾しようとしなかったのでしょうか?

この行動には、宍戸なりの「記者としての倫理」と「自己保身」が大きく関係していました。

宍戸は事件を追うフリーライターという立場にあり、情報を手に入れることに全てをかけていました。

高瀬に対しても、あえて強く追及することなく“泳がせる”姿勢を取っていたのは、核心的な証拠やスクープを自分の手で掴むためだったと推測されます。

つまり、報道の正義よりも「独占情報」という価値を優先していたのです。

また、宍戸は明らかに高瀬に不信感を抱いてはいたものの、確実な証拠を持たない限り行動を起こさないという一線を守っていました。

そこには、「自分はあくまで記者であり、捜査官ではない」という立場の線引きが感じられます。

それでもUDIラボに対して情報を投げ込んだり、六郎を介して動かそうとしたことからも、彼なりに正義感が皆無だったわけではないと読み取れます。

また一部では、宍戸と高瀬に裏のつながりがあったのではないかという推測もありましたが、実際には宍戸が犯人像をあえて曖昧にし続けたことで、視聴者の混乱とサスペンス性を高めていたのです。

この「かばっているように見える」演出は、物語の終盤でその真意が明かされ、まさに計算されたミスリードだったとわかります。

宍戸の行動は、犯人を暴くための行動でありながら、同時に自らの立場と名声を守るための手段でもあったのです。

情報屋としての宍戸の役割と目的

宍戸理一は『アンナチュラル』において、単なるフリーライターという肩書きを超えた、「事件の触媒」としての役割を果たしていました。

彼は数々の情報を持ち、UDIラボの関係者と接触しながら事件を揺さぶる存在として立ち回っていたのです。

ときに協力者、そしてときに敵対者にも見える彼の言動には、確かな「目的」が隠されていました。

宍戸の最大の目的は、「スクープとしての真実」を世に出すことでした。

そのためには、どんな手段もいとわず、事件の関係者に近づいたり、六郎をUDIラボに潜入させるという強引な手も使います。

つまり彼にとって「真相」は、正義のためではなく、記事のネタとしての商品価値を持っていたのです。

しかし、その一方で宍戸は中堂の執念やミコトたちの誠実な仕事ぶりに触れる中で、次第に変化していく兆しも見せ始めます。

たとえば、中堂が追い続けていた夕希子の原画を所有していた宍戸は、それを表に出すことを避けつつも、中堂に重要なヒントを与える役割を担いました。

完全に利己的な人物であれば、それを利用してもっと目立とうとするはずです。

また、宍戸が遺体発見現場近くのアパートに部屋を借り、カメラを仕掛けていたという描写も印象的でした。

これは、単なる傍観者ではなく、「いつか証拠が現れる」と信じていたことの裏返しであり、真相を追う意志が確かに存在していたことを示しています。

彼は倫理的に正しいとは言えませんが、ストーリーに緊張感をもたらし、真犯人・高瀬を浮かび上がらせる重要な役割を果たした人物だったのです。

UDIラボのメンバーたちの推理と行動

『アンナチュラル』の物語を支える中心となるのが、UDIラボのメンバーたちの連携と推理です。

彼らは一人ひとり異なる専門性と個性を持ちながら、不自然な死の真相に挑み続けました。

その姿は、単なる捜査チームではなく、「命の意味」に向き合う人間たちとして描かれています。

法医解剖医の三澄ミコトは、科学的な検証と被害者や遺族の感情のバランスをとる存在。

彼女の視点は常に冷静でありながらも、「命を放置しない」という信念に満ちています。

中堂の暴走を制止しながらも、彼の正義を理解し支える姿は、ドラマ全体の安定軸となっていました。

記録員の久部六郎は、はじめは情報収集のためにUDIに潜入する立場でしたが、次第にラボの理念に共鳴。

彼は記者としての視点を活かしながら、事件の背後にある社会の構造や人間心理にも深く踏み込みました。

“外部の目線”を持つ六郎の存在は、視聴者にとっても感情移入しやすい導線となっていたのです。

さらに、臨床検査技師の東海林夕子は、明るくおちゃらけた雰囲気の中に鋭い観察眼と判断力を秘めており、チーム内の潤滑油として重要な役割を果たしていました。

また、所長の神倉保夫は、UDIラボの理念を守りつつメンバーを支えるリーダー。

「たまたま生きている私たちは、死を忌まわしいものにしてはいけない」という彼の言葉は、ドラマの核となるメッセージでした。

こうした多様なキャラクターが、それぞれの視点で事件に迫るからこそ、『アンナチュラル』はただのミステリーではなく、人間ドラマとしても高い完成度を誇る作品となったのです。

ミコトと中堂、それぞれの正義

『アンナチュラル』では、三澄ミコトと中堂系の対照的な正義感が物語に深みを与えています。

同じ法医解剖医でありながら、彼らの価値観や行動の動機はまったく異なります。

この「異なる正義」のぶつかり合いが、ドラマの魅力の一つでもあります。

ミコトの正義は、法と客観性に基づいた“普遍的な正義”です。

彼女は感情に流されず、「不自然な死を放置しない」という信念を持ちつつも、必ず法的手続きの中で真実を追求します。

その姿勢は、多くの視聴者にとって共感しやすく、正義の“理想形”とも言えるでしょう。

一方で、中堂の正義はもっと個人的で、感情に根ざしたものです。

恋人を殺された過去からくる怒りと執念が原動力となっており、「犯人を必ず見つける」「誰よりも真実に近づく」という姿勢が強く表れています。

そのため、法や倫理の一線を越えてしまう危うさも持ち合わせていました。

しかしミコトは、そんな中堂を否定せず、むしろ彼の痛みを理解しようとします。

その姿勢こそが、本当の意味での“支える”ということを示していたのではないでしょうか。

結果として二人は、異なる正義を持ちながらも、同じゴール――「不自然な死を見逃さない」――を目指して歩むのです。

正義に“絶対”はないということを、ミコトと中堂の関係性は教えてくれます。

それぞれの立場と経験から導かれる正義があるということ。

それを互いに認め合う姿勢が、人が人として共に在ることの本質を描き出していました。

ラストで明かされた伏線の数々

『アンナチュラル』の最終盤では、それまで散りばめられていた数多くの伏線が一気に回収され、視聴者に驚きと爽快感をもたらしました。

序盤から中盤にかけて「何気ない描写」だったシーンやセリフが、すべてラストで意味を持ち始めたのです。

まさに脚本家・野木亜紀子氏の構成力の妙が光る瞬間でした。

まず印象的だったのは、「赤い金魚」というモチーフ自体が、1話ごとに少しずつ繰り返され、自然に事件の本筋へ導く仕掛けになっていたことです。

中堂が追い求めていた“同じ特徴の遺体”がいくつも登場し、それが連続性を持つことが分かったとき、視聴者も中堂とともに真実に近づく感覚を味わえました。

これは強引な展開ではなく、あくまで物語の流れに従って構築された伏線の集大成です。

また、宍戸が持っていた夕希子の原画や、火災現場を見張っていた防犯カメラの存在も、当初は意味がわかりにくい伏線でしたが、終盤で事件の真相を裏付ける重要なピースへと変貌します。

それに加えて、各被害者が「人生の転機」にいたという点も、犯人・高瀬の選別基準だったことが明かされ、背筋の凍るような整合性を感じさせました。

全てがつながった瞬間、「あのときのあれは、そういう意味だったのか」と気づき、何度も見返したくなる構成でした。

こうした精密な伏線の数々が、ただのミステリーでは終わらせない物語としての完成度を高めていたのです。

観終わった後に「うまく騙された」「気持ちいいほど納得できた」と思わせるストーリーテリングは、現代ドラマの中でも傑出していました。

アンナチュラル 犯人 金魚に隠されたテーマを読み解くまとめ

『アンナチュラル』の「犯人」や「赤い金魚」というモチーフには、ただのミステリー要素を超えた深い社会的テーマが込められていました。

それは「命の軽視」や「人間の価値」に対する問いかけであり、生きることの意味に正面から向き合うメッセージとして、視聴者の心に強く残ります。

最終的に明かされる真犯人の動機や選別の基準は、ただの猟奇ではなく、「希望を持つ者」への妬みと支配の欲求という、現代社会の歪みを象徴していました。

高瀬が狙ったのは、人生を変えようとする未来ある女性たちでした。

その背景には、犯人自身が「選ばれなかった者」であり、「前に進めなかった者」という強烈な劣等感があったと読み取れます。

それは、成功や幸福を持つ他者を受け入れられない社会の側面でもあり、現代の“生きづらさ”を投影しているかのようでした。

また、物語全体を通してUDIラボのメンバーたちが問いかけたのは、「なぜ人は死ぬのか」ではなく、「どう生きたか」「なぜこの死を見逃してはいけないのか」という命の価値に関する本質的な問題でした。

赤い金魚は、そうした問いかけの象徴であり、「命に名前をつける」というUDIラボの使命そのものでもあったのです。

視聴者にとっては、単なる犯人探しではなく、人の死をどう受け止めるかという大きなテーマと向き合う作品となりました。

『アンナチュラル』というドラマは、死を描きながらも、生きることの大切さを伝える極めて人間味あふれる物語でした。

そして、「赤い金魚」が残したメッセージは、視聴後もなお心に刺さり続ける深い余韻を与えてくれるのです。

それこそが、『アンナチュラル』が多くの人に愛され、語り継がれていく理由ではないでしょうか。

この記事のまとめ

  • 連続殺人犯は不動産屋・高瀬だった
  • 被害者の共通点は未来への希望を持つ女性
  • 赤い金魚は犯人の支配とメッセージの象徴
  • 中堂は恋人の死をきっかけに事件を追う
  • 宍戸は真相に近づきつつもミスリード要員
  • UDIラボのチームワークが事件解決の鍵に
  • ミコトと中堂、異なる正義が交差する構図
  • 伏線回収が鮮やかで見応えのある終盤展開
  • 赤い金魚が命の意味を問うシンボルとなる
  • 死を通して「どう生きるか」を描いた名作

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