踊る大捜査線3のネタバレします!

ドラマ

2010年に公開され、多くのファンが待ち望んだ『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』。

前作から7年の時を経て、青島俊作が、そして湾岸署が帰ってきました。

しかし、その内容はこれまでのシリーズとは一線を画す、複雑で衝撃的な展開が待ち受けていました。

この記事では、作品の核心に触れる重大なネタバレを全開で解説します。

事件の全貌、犯人の正体と動機、そして青島と室井が下した決断の真意に迫ります。

踊る大捜査線3のネタバレします!:新湾岸署で発生する不可解な事件の連鎖

物語の舞台は、手狭になった旧湾岸署から、セキュリティも設備も最新鋭となった新湾岸署への引越し作業の真っ只中。

しかし、その喧騒の裏で、不可解な事件が立て続けに発生します。

・金庫破りと拳銃3丁の盗難

・湾岸署管内で起きたバスジャック

・被害者が解放された際、なぜか胃腸薬が渡される

・サーバーがハッキングされ、犯罪者情報が流出

・そして、殺害された被害者の体内から、かつてすみれを撃った弾丸が発見される

一見、無関係に見えるこれらの事件は、すべてが緻密に連携した、警察組織そのものを揺るがす巨大な陰謀の序章に過ぎませんでした。

そして、捜査を進める青島自身に、最大の魔の手が迫ります。

盗まれた拳銃を使った殺人事件の容疑者として、なんと青島が逮捕されてしまうのです。

踊る大捜査線3のネタバレします!:事件の核心

青島の逮捕は、犯人グループによる巧妙な罠でした。

今回の事件を裏で操っていたのは、二人の人物です。

日向真奈美(演:小泉今日子)

一人目は、多くの被害者を出したサイコキラー・日向真奈美。

彼女は護送中に脱走し、潜伏していました。

一連の事件の実行犯グループ「ノライヌ」を組織し、再び警察への復讐を開始します。

解放されたバスジャックの被害者に胃腸薬が渡されたのは、彼女の歪んだユーモアと、事件の裏に潜む存在を示唆するサインでした。

鳥飼誠一(演:小栗旬)

そして、もう一人の犯人こそ、本作の鍵を握る人物、警視庁刑事部捜査第一課管理補佐官・鳥飼誠一です。

彼は若きエリートでありながら、現在の警察組織に深い絶望と不信感を抱いていました。

鳥飼は、かつて自らが担当した事件で、情報漏洩により敬愛する上司を殺害された過去を持ちます。

その犯人は、警察内部の情報を利用していました。

この経験から、彼は「犯罪者を生み出し続ける現在の警察システムそのものが悪である」という結論に至ります。

彼の目的は、日向真奈美らを利用して警察を混乱させ、その隙に警察のデータベースから犯罪者情報を抹消し、過去に湾岸署が逮捕した凶悪犯9人(=ヤツら)を解放すること。

そうすることで、現行の警察システムを一度破壊し、より強力な監視体制を持つ「新しい正義」を築こうとしたのです。

青島を犯人に仕立て上げたのも、捜査を攪乱し、自らの計画を完遂するための冷徹な計算でした。

踊る大捜査線3のネタバレします!:室井の決断と湾岸署の逆襲

最大の窮地に立たされた青島。

しかし、彼には信じてくれる仲間がいました。

そして、彼の最大の理解者であるあの男が、キャリアを賭けた前代未聞の決断を下します。

室井慎次は、鳥飼の策略を見抜き、青島を救うために「全警察官の拳銃の使用禁止及び一時回収」という、警察庁長官官房審議官としての権限を最大限に、いや逸脱してまで行使します。

これは、青島が持っていたとされる拳銃が、犯行に使われたものではないことを証明するための、無謀ともいえる一手でした。

この室井の覚悟に応えるように、すみれ、真下、そして和久伸次郎(故・和久平八郎の甥)ら湾岸署の仲間たちが奮起します。

彼らは、署内に仕掛けられた爆弾や、解放された犯罪者たちが引き起こす混乱に立ち向かいながら、鳥飼を追い詰めていきます。

最終決戦の舞台は、皮肉にも鳥飼が「理想の要塞」としてセキュリティを構築した新湾岸署そのもの。

青島は仲間たちの手引きで脱出し、署内で鳥飼と直接対決します。

「あんたのやり方は、正しいのかもしれない。でもな、俺はあんたを許さない!」

青島の叫びは、効率やシステム化だけでは割り切れない、現場の刑事としての魂の叫びでした。

彼は、たとえ非効率でも、間違っていても、目の前の命を救うために走り続ける「古い正義」を体現し、鳥飼の「新しい正義」と真っ向からぶつかり合ったのです

踊る大捜査線3のネタバレします!:結末

激闘の末、鳥飼は逮捕され、彼の計画は阻止されました。

解放された犯罪者たちも再び捕らえられ、事件は終結します。

青島俊作:

容疑は晴れ、湾岸署の係長として現場に復帰します。

室井慎次:

前代未聞の指揮の責任を問われ、警察庁長官官房審議官を更迭。

しかし、彼の信念が青島と現場を救った事実は揺らぎません。

鳥飼誠一:

彼の描いた「新しい正義」は、多くの犠牲を強いるテロ行為として断罪されました。

しかし、彼が投げかけた「警察組織の脆弱性」という問題提起は、重い課題として残ります。

『踊る大捜査線 THE MOVIE 3』は、単なる勧善懲悪の物語ではありません。

組織の論理と個人の正義、システムと人間の対立というシリーズ通底のテーマを、最も先鋭的な形で描いた意欲作です。

賛否両論を巻き起こした複雑なプロットと、エリートの暴走という衝撃的な展開は、私たち観客にも「正義とは何か?」という根源的な問いを突きつけているのかもしれません。

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