第13話「代償」あらすじを解説!
1989年1月6日放送、「もっとあぶない刑事」第13話「代償」。
年明け最初のオンエアとなったこの回は、オフの日にナンパを楽しむタカとユージの軽やかな冒頭から一転、10年前の現金輸送車強盗という古い傷口が現代に牙をむく重厚なサスペンスへと発展する。
さらに「近藤課長の困惑劇」「ほぼ完成した横浜ベイブリッジ」「ギャランVSレパードのカーチェイス」と話題の詰まった一話でもある。
本記事では基本データからあらすじ・見どころ・豆知識まで段階的に解説する。
もっとあぶない刑事 13話 キレイなバラには刺があるっていうぜ:基本データ
「もっとあぶない刑事」は1988年10月7日から1989年3月31日まで日本テレビ系で放送された「あぶない刑事」シリーズの第2弾で、全25話構成だ。
タカこと鷹山敏樹(舘ひろし)とユージこと大下勇次(柴田恭兵)の破天荒なバディが相変わらずの活躍を見せる中、第1シリーズから新たに仲村トオル演じる町田透が加わり、レギュラー陣の厚みが増した。
第13話「代償」の放送日は1989年1月6日。
昭和最後の年の放送であり、初回オンエアとしては「もっとあぶない刑事」において昭和に放送された最後の回にあたる。
脚本は第1シリーズの「追跡」なども手がけたシリーズ常連の田部俊行、監督は「もっとあぶない刑事」としてはこれが最終登板となる原隆仁が担当した。
『またまたあぶない刑事』やもっと13話『代償』に出てくるロケ地のビル「第10吉田ビル」。
10話『激突』で、まだ建設中である事が確認出来ます。
1987年6月築のようなので、『またまた』で使われた時は、新築だったんですね。#あぶない刑事 pic.twitter.com/Yfr2tYf0uo— レブロン (@LeBron23_2pac) May 30, 2025
もっとあぶない刑事 13話 キレイなバラには刺があるっていうぜ:あらすじ
非番のナンパから始まる、偶然の出会い
非番の日を迎えたタカとユージは、横浜・山手の霧笛橋付近でナンパに興じていた。
2人が目をつけたのは沢口圭子という女性だ。
ユージが先にアプローチしたところを、タカが横から掻っ攫ってしまうというおなじみの掛け合いを繰り広げながら、2人は圭子と山下公園方面へと歩き出す。
冒頭の軽妙なコンビのやりとりは、本シリーズが「スタイリッシュなバディもの」としての魅力を前面に打ち出した場面でもある。
氷川丸で突然の籠城事件——柿崎が圭子を人質に
ところが圭子の後をつけていた中年男・柿崎(山本紀彦)が突然現れ、ナイフを手に圭子に迫る。
柿崎は圭子の知り合いらしく、異常な執着を見せる。
そのまま山下公園係留の氷川丸に立て籠もるという事態に発展するが、タカとユージはほどなく柿崎を逮捕。
一見すると痴情のもつれによるストーカー事件のように見えたこの籠城劇は、しかし実態まったく別の深刻な背景を秘めていた。
圭子の素顔——10年前の現金輸送車強盗の「遺族」
柿崎逮捕後、タカとユージは沢口圭子という女性の身元を調べ始める。
すると意外な事実が次々と判明する。
彼女の本名は黒木榛名といい、その父親は10年前に発生した現金輸送車三人組強盗事件の犯人の一人だった。
しかも父親は、事件直後に共犯者に殺されていたというのだ。さらに時効がすでに成立しており、法的な裁きは永遠に下されないことも明らかになる。
深夜、ユージは榛名を自宅へ送り届ける途中、尾行に気づいた彼女が車を飛ばして逃げるという奇妙な場面に遭遇する。
柿崎の正体——10年前の共犯者として「平尾」を追う
榛名が「復讐」を口にしていたことから、タカとユージは逮捕した柿崎こそ10年前の強盗事件の仲間の一人と断定する。
そして今も生き残っているもう一人の主犯格・平尾の存在が浮かび上がる。
一方、港署内では「夫の浮気相手を逮捕してほしい」という女性の申し出を受けた近藤課長が困り果てるという異色のサイドストーリーも並行して展開。
タカとユージが事件の深みへはまっていく本筋と対比される形で、笑いを交えた副題が絶妙なテンポをつくり出している。
真相解明——10年越しの「代償」が清算される
タカとユージは、平尾の行方を追いながら榛名の本当の目的を見極めようとする。
事件は10年前の強盗という時効済みの罪、父親を殺された娘の復讐心、そして今なお利益を享受し続けてきた生き残りの共犯者という三つの軸が絡み合う複雑な構造だ。
クライマックスでは銃撃戦を経てタカとユージが事件を解決。
10年という歳月をかけて積み重なった「代償」がついに清算される結末が、静かな余韻とともに幕を閉じる。
もっとあぶない刑事 13話
代償
タカとユージがナンパした沢口圭子。
港署にはその圭子に家庭をメチャクチャにされたから逮捕してほしいと来た柿崎日出子にみんな困惑。
圭子に声をかけた後、ユージが小銭を落とした時に「ちょっと待ったコール」ととんねるずネタ。 pic.twitter.com/2JHiQraYGX— TAKA (@R34skyline4drgt) December 21, 2025
もっとあぶない刑事 13話 キレイなバラには刺があるっていうぜ:テーマと見どころ
第13話のテーマは、タイトル「代償」という二文字に凝縮されている。
10年前に仲間を裏切って殺した共犯者が時効によって法の裁きを免れたとき、果たして彼は何を「代償」として支払うべきなのか——という問いが物語の核心だ。
時効制度と被害者遺族の感情という、現実社会にも通じる重いテーマを、シリーズ屈指の「ダウナー系ハードボイルド監督」と称される原隆仁が得意のクールな演出で描き切っている。
見どころは大きく3つある。
ひとつ目は冒頭のナンパシーン。
霧笛橋前広場から山手町にかけての山手エリアを舞台に繰り広げられるタカとユージのコンビの掛け合いは、本シリーズが「おしゃれさ」と「ハードボイルド」を両立させていた証だ。
ふたつ目は氷川丸での籠城事件。横浜港に係留された歴史的船舶が舞台として使われており、映像的な存在感が抜群だ。
そして3つ目は深夜の代官坂トンネルを舞台にした、ユージのレパードと榛名のギャランMXによるカーチェイスで、2台の往年の名車が競演するシーンはカーマニアにとっても垂涎の場面となっている。
監督・原隆仁は「もっとあぶない刑事」においてこの第13話が最後の登板回となった。
前後左右にスイッチする独特の位置関係や、回転を使った場面転換など、シリーズ他作品では見られない映像手法が随所に仕掛けられており、タカとユージのバディとしての信頼感をビジュアルで表現した演出が光る。
ファンの間では「ダウナー系ハードボイルド監督」の代名詞として、その回を今なお強く支持する声が多い。



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