エイプリルフールに起きた事件!嘘が引き起こす驚愕の顛末とは?

皆さんはエイプリルフールに嘘をついたことがありますか?

「4月1日の午前中だけは、軽い嘘をついて人を担いでも良い」とされる風習がエイプリルフールです。

毎年、イギリスの報道機関が4月1日に「まさか!」と思うようなフェイクニュースを流して話題になったりしていますね。

単なるおふざけで済めば良いのですが、実際にはエイプリルフールの嘘が元になって、とんでもない事件が起きることもあります。

今回は、そんなエイプリルフールにまつわる事件をご紹介したします!

エイプリルフールに起きた事件:そもそもエイプリルフールとは?

日本人にも馴染みがあるエイプリルフールには、元々どんな由来や意味があるのでしょうか?

前提となる知識をいくつかご紹介しますね。

元々は新年を祝うイベントだった?

実はエイプリルフールの起源については諸説あり、正確なことは分かっていません。

ですが一般的には、改暦にともなう混乱が元になったのではないか、とよく言われています。

紀元前のヨーロッパでは、農耕の季節に合わせて1年を10ヶ月に区切ったローマ暦が使われていました。

この暦では、今でいう3月25日が新年のスタートとなり、4月1日までの1週間が祝福の期間とされていたのです。

ところが、16世紀あたりから現在も使われている太陽暦(グレゴリオ歴)が各国に導入されていき、そのこと自体を知らなかったり、混乱するという理由で従わない人々が大勢出てきました。

そこで、4月に新年を祝うことを『4月馬鹿』、つまりエイプリルフールとしてからかいあう風習ができ、嘘をついても良い日になっていったというものですね。

他にもヨーロッパやインドには、いたずらが許される春の祭りの風習があり、それを起源だとする説もあります。

一番最初のエイプリルフール

記録に残る最も古いエイプリルフールは、1698年のイギリスで起きています。

「ロンドン塔で年に一度の、ライオンを入浴させる儀式が見られる」というイベントの招待状が市内のあちこちに配られました。

それを見たロンドン中の人たちが大勢集まってきたのですが、そんな儀式は存在せず、なんと手の込んだエイプリルフールだったそうです。

この偽イベントはエイプリルフールの恒例行事となり、毎回同じ嘘が仕掛けられては、騙される人が続出するのだとか。

どんな嘘でもいいわけではない?

日本では『嘘をついても良い日』として知られるエイプリルフールですが、海外での一般的な認識は『罪のないジョークで人を笑わせても良い日』です。

つまり、誰かに損害を与えるような嘘をつくことは、実はエイプリルフールのマナーを逸脱した行為になるのですね。

しかし、絶対に誰も損しない嘘をつくことは簡単なことではありませんし、ジョークと嘘の線引きが難しく、捉え違いをしてしまう人もいるかもしれませんね。

日本に広まったのは大正時代から

実は、江戸時代までの日本では、中国から伝わったとされる『不義理の日』が4月1日だったそうです。

この日には、日頃からご無沙汰している人に手紙を送って不義理をお詫びしたり、嘘をついていたことやお金を返していないことなどを詫びることもあったのだとか。

現代の日本人には殆ど馴染みがありませんが、こうしてみると対照的で面白いですね。

海外文化の流入とともに、4月1日の意味も変わってきたのでしょうね。

エイプリルフールに起きた事件:過去に起きた事件

本人は冗談のつもりで言ったことが、大きな騒動に発展してしまうケースは少なくありません。

実際にエイプリルフールについた嘘がきっかけで、大変なことになってしまった事件をいくつかご紹介しますね。

いたずらの変装で妻がショック死

1896年4月1日、アメリカ・テネシー州に住むジョン・アーレンス氏は、エイプリルフールに新婚の妻を驚かせるためのいたずらを計画しました。

そのいたずらとは、白いボロ布をまとい、顔には白いマスクを被ってホームレスのような格好で驚かせる、というもの。

何も知らない彼の妻は、ノックされた自宅のドアを開けた瞬間に気を失い、その場に倒れてしまったそうです。

彼女は病院に搬送されましたが、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

アーレンス氏はまだ結婚して1カ月しか経っておらず、悲しみと後悔で自殺しかねない状態だったといいます。

いたずらの代償があまりにも大きい事件ですね…。

「工場に銃を持った男」嘘メールで警察が突入

これは2021年4月1日に、アメリカ・オハイオ州の工場で働く女性が引き起こした事件です。

彼女はエイプリルフールのジョークのつもりで自分の姉に、

「昨日工場を解雇された男が銃を持って戻ってきた!今、電気を消して皆、隠れている!」

という内容のメールを送信したのだとか。

それを鵜呑みにしてしまった彼女の姉は警察に通報し、工場に駆け付けた警察や機動隊が突入する事態に。

一部の従業員は外に誘導され、本当に銃撃事件が起きたと思い込んで家族に連絡する人もいたりなど、現場はかなり混乱したそうです。

結局、メールを送った女性は警察に業務妨害容疑で逮捕され、工場からは出勤停止処分を受けることに。

たった一通のメールからでも、大変な騒動に発展してしまうのですね。

「コロナに感染した」で炎上!

これは記憶にある方もいるかもしれませんね。

2020年4月1日、韓国の歌手キム・ジェジュン氏がSNS上で、

「新型コロナウイルスに感染した」

と嘘の投稿をし、それがニュースとして拡散してしまう事態となりました。

ことの重大さに気づいた同氏は「エイプリルフールの嘘だった」と釈明し、問題の投稿も削除されましたが、混乱を引き起こした責任を追及されて炎上してしまいました。

エイプリルフールではありませんが、日本でも同様の騒ぎが起きて逮捕される人が出た事件は記憶に新しいですよね。

こうした嘘に対しては日本の方が責任の追及が厳しい印象がありますね。

実は日本の新聞も!

「普段なら100%信用できる新聞も、4月1日だけは油断できない」。

そんな心配が必要なのは海外だけ、と思いますよね。

ところがなんと、日本の大手新聞社もエイプリルフールに嘘のニュースを記事にしたことがあるのです。

1999年4月1日、朝日新聞の政治面に『首相、閣僚に外国人 ビッグバン法案』という見出しで嘘の記事が掲載されました。

その内容とは、当時の小渕恵三首相が、政界の深刻な人材難を解消するために、内閣に2~3人の外国人枠を設ける法案(大臣ビッグバン法案)を提出したというもの。

元ソ連大統領ミハイル・ゴルバチョフ氏や、元英国首相のマーガレット・サッチャー氏、元米国通商代表のミッキー・カンター氏などが、その候補として丁寧に解説されていました。

よく考えれば荒唐無稽な内容だと分かるのですが、いかにも新聞記事のような語調で書かれていたため、信じてしまう読者が続出したのだとか。

さらに一般読者だけでなく、海外メディアさえも信じてしまい、母国に向けて報道する事件が起きたほどだったそうです。

SNSが普及している今の日本では考えられないですし、たとえ冗談だとしても笑えないですよね。

平成不況と呼ばれていた時代ですが、今に比べればずいぶん余裕がある時代だったのだと思わされます。

エイプリルフールに起きた事件:まとめ

いかがだったでしょうか?

驚くような事件が沢山起きていたんですね。

エイプリルフールの存在意義そのものを疑問視する声も、最近は多くなってきているようです。

もちろん必要のない混乱は避けるべきですが、誰もが笑って過ごせるジョークであれば、刺激があって楽しいものであることも事実です。

嘘やジョークの意味や効果をよく理解した上で使うことが大切ですね。

今回は、エイプリルフールにまつわる事件について紹介させていただきました。

皆さんも嘘をつく時は気を付けて下さいね!

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