「キングダム」は実話？信の史実との違いを解説！

『キングダム』は実話を元にした物語ですが、主人公・信（しん）の活躍はどこまで史実と一致しているのでしょうか？

信のモデルとされる「李信（りしん）」は、実在した秦の武将です。しかし、漫画や映画とは異なる点も多く、どのような人物だったのかはあまり知られていません。

本記事では、キングダムの信と史実の李信の違いや、実際にあったエピソードを詳しく解説します。

キングダム 実話？信のモデル・李信とは

『キングダム』の主人公・信（しん）は、実在した歴史上の人物・李信（りしん）をモデルにしています。

しかし、史料が限られているため、その生涯や功績には不明な点も多く、物語では大きく脚色されています。

ここでは、実際の歴史における李信の姿と、彼がどのような役割を果たしたのかを詳しく見ていきましょう。

李信は実在した？歴史に残る記録

李信は、中国戦国時代末期に活躍した秦の将軍で、史料『史記』にその名が記されています。

彼が登場するのは紀元前229年、趙との戦いにおいて初めて記録に残されました。

その後、燕や楚との戦いにも関与し、軍を率いた記録が残っていますが、生年や没年、個人的な背景などはほとんど分かっていません。

秦王・政との関係と軍功とは

『キングダム』では信と秦王・政（後の始皇帝）は若い頃から苦楽を共にする関係として描かれていますが、実際には李信が史料に登場するのは秦の統一戦争が進んでからです。

彼は将軍として何度か大規模な戦に出陣し、特に燕との戦いでは太子・丹を討つ功績を挙げました。

しかし、楚攻めでは軍を率いたものの、大敗し、最終的には王翦（おうせん）に指揮を譲ることになりました。

史実とキングダムの信の違い

『キングダム』では信は奴隷の身分から成り上がった若き武将として描かれていますが、実際の李信はそのような出自ではなかったと考えられています。

また、戦績や戦いの描写にも違いがあり、物語の演出によって史実とは異なる形で脚色されている点が多くあります。

出自の違い – 奴隷の子ではなかった？

信は貧しい生まれで奴隷のような生活をしていたという設定ですが、史実の李信は身分のある家の出身だったとされています。

彼の子孫が後に唐王朝の皇帝になったとされることからも、ある程度の地位を持った家柄だった可能性が高いでしょう。

『キングダム』では庶民から将軍へと昇り詰めるサクセスストーリーが描かれていますが、実際にはすでに軍に関わる立場にいたと考えられます。

戦績の違い – 実際の戦いとフィクション

信は物語の中で数々の戦を勝ち抜き、成長していきますが、実際の李信は必ずしも戦績が華々しいわけではありません。

燕との戦いでは一定の成果を上げたものの、楚攻めでは20万の軍を率いたにもかかわらず敗北し、王翦に指揮を交代させられました。

物語では信が中心的な役割を果たしていますが、史実では王翦や蒙武（もうぶ）といった他の将軍たちがより重要な役割を担っていたのです。

李信の最期とその後の影響

秦の統一に貢献した李信ですが、その後の記録はほとんど残っておらず、どのような晩年を迎えたのかは分かっていません。

しかし、彼の子孫が後に唐を建国し、皇帝になったという説があります。

これが事実であれば、李信の血筋は中国の歴史において重要な役割を果たしていたことになります。

最後に記録された戦いとは？

李信の最後の記録は、秦が燕と斉を滅ぼした紀元前221年頃までとなっています。

これ以降、彼の名前は歴史書から姿を消し、どのような経緯で生涯を終えたのかは不明です。

敗戦の責任を取らされた可能性もありますが、始皇帝に信頼されていたため、大きな処罰を受けなかったとも考えられます。

李信の子孫が皇帝になった説

李信の直系の子孫とされる人物が、唐王朝を建てた李淵（りえん）です。

これが事実であれば、李信の家系はその後も長く続き、中国史において重要な位置を占めていたことになります。

ただし、直接の証拠はなく、伝説の域を出ない話でもあります。

【まとめ】キングダム 実話？信の史実との違い

『キングダム』の信のモデルとなった李信は、実在の武将ですが、物語と実際の歴史には違いが多くあります。

彼は秦の統一戦争に貢献した将軍であり、特に燕や楚との戦いに関わりましたが、全ての戦で勝利したわけではありません。

また、身分や出自についてもフィクションと異なり、奴隷の子ではなく、ある程度の地位を持つ家柄だった可能性が高いです。

李信の最期は謎に包まれていますが、子孫が皇帝になったという説が残されており、その血筋は長く続いたかもしれません。

史実とフィクションの違いを知ることで、『キングダム』をさらに楽しむことができるでしょう。