「黒執事」ファントムハイヴ邸連続殺人事件編(アニメ版ではOVA「黒執事 Book of Murder」)に登場するアーサーという人物。売れない小説を書く医師である彼の正体は、多くの読者が気付くように、あの有名な人物と考えられています。
この記事では、アーサーのキャラクター設定や、物語の中で果たした役割、そして事件の真相について詳しく解説します。記事にはネタバレが含まれているので、まず作品を楽しんでからお読みください。
この記事を読むとわかること
- 黒執事のアーサーのモデルとなった人物
- ファントムハイヴ邸連続殺人事件編のストーリーとミステリー要素
アーサーのモデルはアーサー・コナン・ドイル?
「黒執事」ファントムハイヴ邸連続殺人事件編に登場するアーサーは、読者の間で「アーサー・コナン・ドイルがモデルでは?」と考えられています。
アーサーは眼科医で作家志望という設定ですが、これはコナン・ドイル自身の経歴と見事に一致しています。さらに、劇中にはシャーロック・ホームズシリーズを思わせる要素が数多く散りばめられており、作者の枢やな氏がホームズ作品に敬意を払っていることが感じられます。
眼科医で作家という共通点
アーサー・コナン・ドイルは、眼科医として働きながら小説を書き始めました。作家として成功する前は、患者がほとんど訪れない診療所で執筆を続けていたと言われています。
この設定は「黒執事」のアーサーにも反映されており、彼は「売れない作家の眼科医」として登場します。
また、劇場版でシエルが読んだというアーサーの作品は「A Study in Scarlet」となっています。これは、シャーロック・ホームズシリーズの最初の作品『緋色の研究』(ひいろのけんきゅう)です。よく見ると、作者名も明記されています。
作品に隠されたシャーロック・ホームズへのオマージュ
ファントムハイヴ邸連続殺人事件編には、多くのシャーロック・ホームズ作品へのオマージュが込められています。
特に目を引くのは、原作の扉絵で背景に「221B」という文字が描かれていたことです。「221B」はシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンが住んでいたベイカー街のアパートの番号であり、細かい演出の一つとしてファンの間で話題になりました。
また、ジェレミー・ラスボーン牧師の名前は、ホームズを演じた俳優ジェレミー・ブレットとベイジル・ラスボーンを組み合わせたものと考えられています。
こうした細かい設定を見ても、アーサーがコナン・ドイルを意識して作られたキャラクターであることは間違いないでしょう。
ファントムハイヴ邸連続殺人事件編とは?
「ファントムハイヴ邸連続殺人事件編」は、「黒執事」の中でも特にミステリー要素が色濃いエピソードです。
このエピソードでは、ファントムハイヴ邸で開かれた晩餐会の最中に突如として連続殺人事件が発生します。豪華な館に閉じ込められた貴族たちの中で、次々と殺人が起こる、まさに「クローズド・サークル」型のミステリーです。
この事件の鍵を握るのが、アーサー(コナン・ドイルがモデル)です。彼は探偵役として事件の推理に挑みますが、その過程で「黒執事」ならではの驚きの展開が待っています。
事件の舞台・ファントムハイヴ邸のモデル
ファントムハイヴ邸連続殺人事件編が起こるファントムハイヴ邸は、イギリスのスコットニー城がモデルになっているとされています。
スコットニー城は19世紀初頭に建てられたカントリーハウスで、その外観や広大な敷地がファントムハイヴ邸とよく似ています。ファンの中には、実際にこの地を訪れ、作品の世界観を堪能する人もいるほどです。
また、この事件の展開には、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」やシャーロック・ホームズシリーズのエッセンスが含まれており、ミステリー好きにはたまらない構成になっています。
密室殺人とアーサーの推理
事件の発端は、ある貴族が密室で殺害されることから始まります。
屋敷の外は激しい嵐で、誰も出入りできない状況の中で次々と犠牲者が増えていきます。最初の被害者はドイツの貴族ジーメンス卿で、自室で刺殺されていました。さらに翌朝には屋敷の執事セバスチャンまで死亡し、事態はますます混迷を極めていきます。
アーサーは「探偵」としてこの事件の謎を解こうとしますが、読者が期待するような王道ミステリーとは異なり、黒執事ならではの大胆な仕掛けと伏線が用意されていました。
セバスチャンの「死」と事件の真相
ファントムハイヴ邸連続殺人事件編で最も衝撃的だったのは、セバスチャンが「殺される」場面でしょう。
「黒執事」シリーズの中でも最強クラスの存在であるセバスチャンが、まさかの死体となって発見される展開に、多くのファンが驚きました。
しかし、そこには驚くべきトリックが隠されていました。
死んだはずの執事が復活?
セバスチャンが死亡したように見えたのは、すべて彼自身の計画だったのです。
実は、彼は「一度死んだフリをして事件の裏を探る」ために、自ら殺害されたように見せかけていました。これは、真犯人をおびき寄せるための策略だったのです。
しかも、彼は死んだ状態でも完璧に「執事の仕事」をこなしていたというのが「黒執事」らしいユーモアの効いた演出でした。
「黒執事」異色の本格ミステリー
ファントムハイヴ邸連続殺人事件編は、「黒執事」の中でも異色の本格ミステリー回として、多くのファンに愛されています。
また、この事件は「女王の番犬」としてのシエルの適性を試すテストだった可能性も示唆されています。
真犯人は意外な人物で、彼はシエルを犯人に仕立て上げる計画を立てていたのです。しかし、セバスチャンがすべての計画を崩壊させました。
この記事のまとめ
- アーサーのモデルはアーサー・コナン・ドイル
- ファントムハイヴ邸連続殺人事件編は本格ミステリー要素が強い
- セバスチャンの「死」は事件の鍵を握るトリック
- 黒執事の世界観とシャーロック・ホームズのつながりが深い
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