孤独のグルメ、地方ロケ長野を巡る旅

ドラマ

テレビ東京の人気グルメドラマ『孤独のグルメ』は、井之頭五郎(松重豊)が仕事先でふらりと立ち寄った店で静かに食事を楽しむスタイルで、多くの視聴者に愛されています。

都市部の有名店から、地方の隠れた名店まで幅広く紹介されてきた本作の中でも、特に印象深いのが“地方ロケ回”です。

今回は、その中から長野県で取り上げられたお店を特集し、番組で描かれた五郎の目線を交えながら、その魅力を紹介します。

孤独のグルメ、地方ロケ長野を巡る旅:長野県の魅力とは?

まず特筆すべきは、長野県の豊かな自然と食材です。

信州そばに代表される伝統食から、山菜やキノコ、ジビエなどの地域食材まで幅広い料理が堪能できます。

東京を離れた地方ロケでは、五郎の“旅の一幕”という趣が強まり、食事が一層味わい深く感じられるのも特徴です。

ドラマの中で長野県が舞台となったのは、Season5 第8話「長野県上田市の馬肉うどんとおしぼりうどん」。

その回を中心に、現地の風土や文化、グルメの奥深さを掘り下げていきます。

上田市、城下町の隠れた美味を求めて

物語は、井之頭五郎が上田市を訪れるところから始まります。

上田は真田家ゆかりの地としても知られ、歴史情緒あふれる町。

そんな街角を歩きながら、五郎は一仕事終えた後、腹を空かせて飲食店を探します。

その時、ふと目に止まったのが地元の食堂「信濃路うどん」。

店内は飾り気のない地元客でにぎわう雰囲気。

まさに五郎が好む“当たりの予感がする店”でした。

馬肉うどん、クセになる甘辛の旨味

注文したのは「馬肉うどん」。

長野県では、古くから馬肉が食用として親しまれており、特に煮込みにすると独特の甘辛さがご飯やうどんと好相性。

五郎もひと口食べるや否や、「これは…ほほう…」と静かにうなずき、箸が止まらなくなります。

しっかり煮込まれた馬肉は、噛むたびに甘辛い出汁の旨味が広がり、うどんとの相性は抜群。

「これはうどんであって、うどんじゃない、馬肉が主役なのか、脇役なのか……いや、どっちでもいい、うまい!」と、五郎らしい独白も飛び出しました。

おしぼりうどん、涙が出るほどの辛さと旨さ

さらに印象的だったのが、もう一つの名物「おしぼりうどん」。

これは地元特産の辛味大根を絞った汁につけて食べる、極めてシンプルな料理。

見た目は透明な汁にうどんを浸すだけ。

しかし、その辛さは想像以上で、五郎も一瞬顔をしかめながらも、「くぅ~!涙が出る、でもクセになる」とコメント。

鼻にツンとくる辛さの中に、大根の爽やかさと、信州ならではの涼やかな風味が感じられます。

この一皿は、長野の冬にぴったりの体を芯から温める一品として、地元でも長く愛されているそうです。

孤独のグルメ、地方ロケ長野を巡る旅:地元店主との温かいやり取りも魅力

この回では、食事を楽しむ五郎と店主の会話も描かれます。

地方店ならではの素朴なやりとりが、心に残る味わいをさらに深めてくれます。

五郎が「東京では食べられない味ですね」とつぶやくと、店主がにっこり笑いながら「うちの大根は畑から採れたてですからね」と答える。

そんなやり取りに、地元のあたたかさや人情がにじみ出ます。

孤独のグルメ、地方ロケ長野を巡る旅:長野で五郎が食べた以外の名物も

番組内では登場しませんが、長野県には他にも多くの“孤独グルメ的名店”があります。

以下にいくつか紹介します。

そば処「草笛」(小諸市)

地元産のそば粉を使った極太の田舎そばが人気。

もりそばの量が多いことで有名で、五郎も「これは挑戦状か」と言いそうな一品。

いろは堂(長野市鬼無里)

郷土料理「おやき」の名店。

囲炉裏端で焼かれるおやきは、具の味噌や野菜が絶妙で、旅人の心を癒します。

山賊焼き(松本市・塩尻市)

ニンニクの効いた鶏の唐揚げ。

ガツンとした味付けは、五郎の胃袋を確実に刺激するでしょう。

孤独のグルメ、地方ロケ長野を巡る旅:まとめ

『孤独のグルメ』長野県編は、ただのグルメ紹介にとどまらず、土地の空気、人のぬくもり、静かな時間までも描き出す秀作です。

五郎が選ぶ店には、ミシュランもガイドも介在しない、個人の感性に訴える“うまさ”があります。

都会の喧騒を離れ、ふと立ち寄った一軒の食堂で、そこでしか味わえない一皿と出会う、そんな経験を視聴者も五郎とともに追体験することができます。

旅と食を愛するすべての人に、長野県の“孤独のグルメ”は静かに語りかけてくれるはずです。

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