『その着せ替え人形は恋をする』105話では、新菜と海夢のすれ違いが続くなか、物語は新たな局面へと進みます。
コミケ後の余韻とともに迎える冬休み明け。静かに悩む新菜に、宇佐美が語る大人の後悔が彼の心を動かします。
この記事を読むとわかること
- 新菜と海夢のすれ違いが続く理由
- 宇佐美との対話が新菜に与えた気づき
- のんちゃんの来訪が次回展開のカギ
冬休み明け──すれ違う新菜と海夢
コミケという一大イベントが終わり、年末年始を経て迎えた新学期。
新菜と海夢は、互いを想いながらも言葉にできないまま、すれ違いが続いています。
海夢の夢を見た新菜
冬休み明けの朝、新菜は夢を見ます。それは、海夢から初めてコスプレ衣装の制作を依頼された日の光景でした。
今のギクシャクした関係とは対照的な、2人の原点ともいえる出来事を思い出すことで、新菜は過去と現在のギャップに思いを巡らせます。
学校では、海夢に「新菜の居場所を知らないか」とクラスメイトが尋ねますが、彼女は「知らない」とそっけなく答えます。
仲の良い2人のはずなのに、なぜ居場所を知らないのか──その違和感が、周囲にも伝わりはじめていました。
カラオケで心ここにあらずの海夢
放課後、海夢は友人たちとカラオケに出かけます。
しかし、マイクを握って盛り上がる仲間たちの中で、彼女の表情だけはどこか沈んでいます。
視線は虚空に泳ぎ、笑顔もなく、心はここにあらず──彼女の心が晴れていないことが、はっきりと描かれています。
コミケのあと、まともに会話もしていないままの新菜。
楽しいはずの時間にも、どこか置き去りにされたような孤独感が、海夢の内面を支配しているように感じられました。
宇佐美との再会
海夢と同様、心ここにあらずの新菜。
ひとりで歩く帰り道、衣装の相談などでお世話になった手芸用品店の宇佐美と偶然出会います。
心の内を語る新菜
新菜の浮かない表情に気づいた宇佐美は、そっと寄り添うように話を聞いてくれました。心の内に抱える葛藤を、新菜は少しずつ宇佐美に打ち明けていきます。
「どうして嫌な出来事に限って、忘れられないんだろうね」
宇佐美の問いは、新菜の心に深く刺さりました。
宇佐美が語った若き日の後悔
宇佐美は若い頃、被服の道に進みたかったことを明かします。
しかし、父親の猛反対を受けて夢を諦めざるを得なかったといいます。今は、その選択よりも「父親に自分の気持ちをぶつけなかったこと」を悔いていると宇佐美は打ち明けました。
それは、今の新菜が直面している状況そのものでした。
「自分の気持ちは自分のために言わなきゃダメだよ」という海夢の言葉も思い出されました。
宇佐美の穏やかな語り口から伝わる人生の重みは、新菜にとって大きな「気づき」を与えたように見えました。彼の経験談を聞いた新菜は、どんな決意を持つのでしょうか。
新菜の前に現れたのは・・・
宇佐美との会話を終えた新菜は、思索にふけりながら家路につきます。
心の中では、過去の言葉、そして海夢や宇佐美の言葉が交錯し、静かな混乱が渦巻いていました。
家の前で立ち尽くす女性の影
自宅の前では、新菜のトラウマに関わるのんちゃんが立ち尽くしていました。
彼女が不安げな表情で振り返るシーンは、新たな対話の始まりを予感させる印象的なラストでした。
彼女が、今このタイミングで現れた理由とは──
次回のんちゃんと語り合う?
105話は、派手な展開は少ないものの、登場人物の内面描写に深く切り込んだ内容でした。
のんちゃんは、新菜に何を伝えに来たのでしょうか。
これまで描かれた誤解や心の傷が、ようやく癒やされるチャンスを迎えたとも言えます。
彼女との会話が新菜の心にどう作用し、そしてそれが海夢との関係にどうつながるのでしょうか。
この記事のまとめ
- 冬休み明けも続く新菜と海夢のすれ違い
- 宇佐美の人生経験が、新菜の心に変化を与える
- 「気持ちは伝えるべき」というメッセージが鍵
- のんちゃんが新菜の前に現れる
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