『不滅のあなたへ』に登場するパロナは、マーチを守るために奮闘する勇敢な少女です。しかし、フシと別れた後、彼女はハヤセの手によって無残に命を奪われてしまいます。
なぜパロナは殺されなければならなかったのか?そして、他のキャラクターが復活する中で、なぜパロナだけが生き返らないのか。その理由には作品の深いテーマが隠されています。
さらに、ハヤセが語った「お腹はかわいそうだったので首にした」という衝撃的な言葉の意味も考察し、パロナの死の真相を徹底解説します。
この記事を読むとわかること
- パロナがいつ、なぜハヤセに殺されたのか
- 他の仲間が復活する中でパロナだけ戻らない理由
- 「首にした」や「外したんだ」に隠された真意
パロナが死亡したのはいつ?フシが気づいた残酷な真実
パロナが死亡したことが明らかになるのは、物語が進みジャナンダ島の格闘大会が描かれた場面です。
フシはその大会で、思いがけずパロナの姿に変身してしまい、そこで初めて彼女の死を悟ります。
フシが変身できるのはすでに亡くなった人の姿だけ。この瞬間、フシも読者もパロナの死が確定してしまったという、非常に残酷な演出でした。
フシがパロナの姿に変わった瞬間が死亡の証拠
フシは過去に出会い深く関わった人々の姿に変わることができますが、それはその人物が死亡したときに初めて可能になります。
つまり、ジャナンダ島での大会中にパロナの姿に変わったという事実は、彼女がすでにこの世にいないことの証でした。
しかもフシが二ナンナを去るとき、パロナはまだ生きていました。つまり、フシの旅立ちの直後に悲劇が起こったということになります。
ジャナンダ島での格闘大会とハヤセの告白
格闘大会の決勝戦、フシの対戦相手は因縁深いハヤセでした。
パロナの姿で戦うフシに対し、ハヤセは冷酷に「私からの贈り物です」と告げます。
その言葉の意味は、ハヤセがパロナを自らの手で殺したという、容赦ない告白でした。
さらにハヤセはフシの問いかけに対し、「今そう言いましたが」と断言。パロナの死は、ハヤセの嫉妬と執着によるものだと明かされます。
パロナの死因はハヤセの嫉妬と執着だった
パロナの死は、単なる偶然や戦いの結果ではなく、ハヤセの歪んだ執着心が引き起こしたものです。
ハヤセはフシの不死の力に魅了され、その存在を自分だけのものにしたいという欲望を抱くようになりました。
その結果、フシの周囲にいる人物をすべて排除しようと考え、その矛先がパロナに向けられたのです。
フシを独占するために周囲を排除したハヤセ
ハヤセはフシにとって大切な存在であるマーチを殺し、さらにフシを支える人々を徹底的に消し去ることで、自分以外の絆を断ち切ろうとしました。
パロナもまたフシに寄り添い、共に戦い、支え合う仲間のひとりでした。その存在は、ハヤセにとって邪魔でしかなかったのです。
そのため、ハヤセはパロナを殺すことでフシを孤立させ、自分の支配下に置こうとしたのでしょう。
パロナが標的になった理由とは?
パロナが特に標的にされたのは、フシとの信頼関係が深かったからです。
彼女はマーチを守るために命がけで行動し、フシにも人としての優しさを教えた重要な人物でした。
そんなパロナの存在は、ハヤセの歪んだ愛情にとって強い嫉妬の対象となり、最終的に命を奪われるという悲劇を迎えることになったのです。
なぜパロナは復活しない?魂が楽園に行った説を解説
『不滅のあなたへ』では、フシが亡くなった仲間を復活させるシーンが何度も描かれています。
実際、マーチやグーグーは後の物語でフシによって再び姿を取り戻しました。しかし、パロナだけは決して戻ることがありませんでした。
なぜ彼女は復活できなかったのか?そこには魂の選択という作品の根幹に関わる理由があります。
フシが復活させるために必要な条件
フシが死者を蘇らせるには、いくつかの条件が必要です。
- 生前にフシと深い関わりを持っていたこと
- 魂(ファイ)が現世にとどまる選択をしていること
- フシ自身がその人物を復活させたいと強く願うこと
この条件を満たした場合のみ、フシは亡くなった仲間の器を作り直し、蘇らせることができます。
しかし、パロナはこの条件のうち魂が現世にとどまる選択をしていなかったと考えられます。
マーチやグーグーが戻れたのにパロナはなぜ戻れなかったのか
マーチやグーグーは、まだフシのそばにいたい、助けたいという未練を抱えていました。そのため魂は楽園に行かず現世に残り、復活のチャンスを得られたのです。
一方パロナは、マーチの死を見届け、故郷ニナンナでの責務を果たした後、未練を残さず楽園へ向かったと推測されています。
さらに、姉を生贄として失った過去があるパロナにとって、楽園には再会を望む大切な存在が待っていたのかもしれません。
そのため、彼女は現世にとどまらず、フシのもとへ戻ることはなかったのです。
「お腹はかわいそうだったので首にした」の意味とは?
パロナの死が判明した際、ハヤセが語った「お腹はかわいそうだったので首にした」という残酷な言葉は、多くのファンに衝撃を与えました。
この言葉は、彼女の殺害方法だけでなく、ハヤセの異常な価値観を象徴するセリフでもあります。
果たして、この発言にはどのような意図が隠されていたのでしょうか。
ハヤセが語ったパロナ殺害の詳細
ジャナンダ島でフシと対峙したハヤセは、パロナをどう殺したのかを淡々と語ります。
「顔かお腹で迷ったがお腹はかわいそうだったので顔にした。それでも手こずったので首を狙った」
つまり、パロナは顔を傷つけられたうえで、最終的には首をはねられたという、非常に残虐な最期を遂げたのです。
しかし、この「お腹はかわいそうだった」という表現には、単なる残酷さ以上の意味があるのではないかとも考えられています。
楽に死なせるため?それとも妊娠説の伏線?
このセリフには大きく二つの解釈があります。
- 苦しませないために首を狙った説 → お腹を切ると長時間苦しむため、首をはねる方が苦痛が少ないと考えた。
- パロナが妊娠していた可能性がある説 → 「お腹はかわいそう」という言葉は、命が宿っていた可能性を示す伏線なのではないか。
特に妊娠説は、後の現代編でパロナの生まれ変わりと思われる人物が登場するため、物語の伏線として意味深に語られることが多いです。
どちらにしても、この言葉はハヤセの異常な執着と、同時にほんのわずかな情のようなものを示しているとも受け取れます。
パロナが放った「外したんだ」の本当の意味
パロナはかつて、ハヤセに弓矢を放った際、「外したんだ……」と呟きました。
矢は確かにハヤセの手を貫きましたが、致命傷にはならなかったのです。
このセリフには、単に矢が当たらなかったという意味以上の、パロナの心の葛藤が込められていました。
技術不足だったのか、それとも人を殺せない優しさか
この「外したんだ」は二つの解釈ができます。
- 技術が未熟で狙いを外してしまった → パロナは重い弓を使いこなしていましたが、戦闘経験は少なく、急所を正確に狙うことができなかった。
- 意図的に外した → 憎い相手でも人を殺すことにためらいがあり、あえて命を奪うことを避けた。
後者の解釈では、パロナがマーチを思い出し、命を奪う選択をしなかったとも考えられます。
マーチの言葉がパロナの選択に与えた影響
マーチは生前、命をとても大切にする子どもでした。オニグマの一部を切ろうとしたパロナを止めたのもマーチでした。
その言葉が心に残っていたパロナは、たとえ敵であっても殺すことはできないという優しさを持っていたのでしょう。
だからこそ、ハヤセへの矢をあえて外し、結果的にその選択が自分の死につながる運命を招いてしまったのかもしれません。
【不滅のあなたへ】パロナの死と復活しない理由を振り返るまとめ
パロナはフシを支えた大切な仲間でありながら、ハヤセの歪んだ愛情と嫉妬により命を奪われました。
ジャナンダ島でフシがパロナの姿に変わった瞬間、彼女の死が確定し、ハヤセの残酷な告白によってその真実が明かされます。
他の仲間が復活する中でパロナが戻らなかったのは、魂が現世に未練を残さず楽園へ向かったからだと考えられています。
さらに、ハヤセの「お腹はかわいそうだったので首にした」という言葉には、楽に死なせるための残酷な優しさとも、パロナの妊娠説を示す伏線とも取れる意味深さがありました。
また、パロナ自身が放った「外したんだ」という言葉には、人を殺せない優しさと葛藤が込められており、彼女の人格を象徴する重要なセリフでもあります。
パロナは復活することはありませんが、その魂は楽園で大切な人々と再会し、安らぎを得ているのかもしれません。
彼女の物語は悲劇的な結末を迎えましたが、フシに残した影響は永遠に消えることはないでしょう。
この記事のまとめ
- パロナはフシの旅立ち後にハヤセに殺害された
- 死亡の証拠はジャナンダ島でフシが姿を変えた瞬間
- 死因はハヤセの嫉妬と執着によるものだった
- フシを独占するため周囲を排除する行動だった
- パロナの魂は未練を残さず楽園へ向かったと考察
- そのためマーチらと違い復活することはなかった
- 「首にした」には残酷な優しさや妊娠説の伏線も
- 「外したんだ」には人を殺せない優しさがあった
- 悲劇的な最期でもフシに残した影響は大きい
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