【名探偵コナン世紀末の魔術師】夏美の曾祖母マリアはどんな人？

劇場版『名探偵コナン世紀末の魔術師』に登場するマリアは、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世の三女をモデルにしています。彼女の運命は、長い間謎に包まれていました。この記事では、映画で描かれたマリアの運命について解説します。

この記事を読むとわかること

『世紀末の魔術師』で描かれたマリアの運命

映画『世紀末の魔術師』では、ロマノフ王朝の皇女マリアが、もし助けられていたら・・・という「もう一つの物語」が展開されます。

作中では、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世の一家が捕らえられる中で、マリアだけが日本人の職人である香坂喜市に命を救われます。

そして、喜市とともに日本へ逃れます。

この設定は、当時解明されていなかった史実を巧みに取り入れています。

『世紀末の魔術師』には、香坂喜市とマリアの子孫とされる香坂夏美が登場します。

もし、マリアが生き延びて日本で幸せに暮らしていたら・・・

そんな想像を現実味のある形で描いたことで、歴史を詳しく知らなくても引き込まれていきます。

映画では「生き延びたマリア」が描かれましたが、実際の歴史はより悲劇的なものでした。

ロシア革命の翌年にあたる1918年、ロマノフ王朝最後の皇帝一家は処刑されました。

しかし、発見された遺体にはマリアを含む二人分の遺骨が欠けていたため、生存説がささやかれることになったのです。

「実は救出されたのでは」という噂がヨーロッパやロシアで広まり、映画の設定に説得力を与えています。

『世紀末の魔術師』公開から8年後の2007年、シベリアの別の場所から2体の遺骨が発見されました。

その後DNA鑑定により、皇女マリアとその弟の遺体であることが確認され、全員が処刑されていたことが確定しました。

この発見によって、マリアが生き延びた可能性は否定されましたが、映画の描いたフィクションの魅力が際立つことにもなりました。

史実と映画の間には明確な違いがありますが、そこに『世紀末の魔術師』が多くの人に愛される理由があります。

1999年に『世紀末の魔術師』が公開された時点では、マリアの遺体はまだ見つかっていませんでした。

そのため「もし彼女が生き延びていたら」という設定が強いリアリティを持って受け入れられたのです。

そのため、現実が明らかになった今でも、この作品は特別な魅力を放ち続けています。

この作品に多くの人が惹かれる理由のひとつは、歴史の悲劇を超えてマリアが幸せに生き延びたという物語があったことでしょう。

映画は史実と異なる展開を見せながらも、「生きていてほしかった」という人々の願いを映し出したとも言えます。

悲劇を希望に変えるストーリーは、今もなお多くの人の心に残っています。

この記事のまとめ