『黒執事』に登場するシエルの父ヴィンセント・ファントムハイヴは、ファントムハイヴ家襲撃事件で殺されました。遺体の状況や死因は明確に描かれておらず、彼の死には多くの謎が残されています。
この記事では、ヴィンセントが本当に亡くなったのか、それとも生存している可能性があるのかを徹底考察します。
この記事を読むとわかること
- ヴィンセント・ファントムハイヴの死因は不明瞭
- セバスチャンの死に顔とヴィンセントの共通点
- ヴィンセント「生存説」「死神説」の可能性
ヴィンセント・ファントムハイヴは本当に死んだ?
ヴィンセント・ファントムハイヴは、ファントムハイヴ家襲撃事件によって死亡したとされています。しかし、その死は本当に確定的なものなのでしょうか?
原作では彼の死因が明確に描かれておらず、遺体の状況についても不審な点が多く残されています。
死の状況が描かれていない
原作では、ヴィンセント・ファントムハイヴが襲撃事件で命を落としたことは語られているものの、どのように死亡したのか、誰がとどめを刺したのかは不明です。
彼の遺体がどのような状態だったのかについても、はっきりとした情報はありません。ヴィンセントと妻レイチェルは抱き合った状態で発見、とされていますが、具体的な致命傷について描写はありませんでした。
さらに、襲撃の首謀者やヴィンセントの最期の瞬間も描かれていません。
葬儀屋がヴィンセントの遺体を確認できなかった
ヴィンセントの死について、もう一つ大きな疑問となるのが、「葬儀屋(アンダーテイカー)が彼の遺体を正確に検死できなかった」という点です。
原作で葬儀屋は「かわいそうに、骨の髄まで焼けてしまって。あんな死に方じゃもう…」と語っています。これは、ヴィンセントの遺体がファントムハイヴ邸の火災によって完全に焼失してしまったことを示唆しています。
しかし、この発言は逆に「葬儀屋自身が遺体を直接確認できなかった」ことを意味する可能性もあります。もし遺体が完全に焼失したのなら、本当にヴィンセントのものだったのか確定できません。
この点を考慮すると、ヴィンセントは火災の前にすでに姿を消していた、または「何らかの方法で遺体を偽装して生存していた可能性」も浮上します。
ヴィンセントの死に顔
原作27巻134話で描かれたヴィンセントの死に顔は、「驚きと絶望の表情」を浮かべていました。
ヴィンセントは常に冷静沈着で、どのような状況でも余裕を見せる人物だったため、違和感を覚えた方もいるかもしれません。
セバスチャンの死に顔と酷似?
セバスチャンも、「密室殺人事件編」(アニメではOVA『黒執事 Book of Murder』)において、死んだように見せかけるシーンがあります。このときの彼の死に顔は、ヴィンセントの死に顔と酷似していました。
さらに興味深いのは、原作者の枢やな先生自身が「二人の顔は意図的に似せて描いている」と発言していることです。この発言が意味するのは、二人の間に何らかの深い関係がある可能性が高いということです。
ヴィンセント「驚愕の表情」の理由
ヴィンセントの死に顔が「驚きと絶望」に満ちていた理由として、いくつかの考察が挙げられます。
- 襲撃者が予想外の人物: ヴィンセントは襲撃者の正体を知り、信じられないという感情のまま絶命した可能性があります。兄シエルやファントムハイヴ家に関わる重要な人物が関与していたのかもしれません。
- 死ぬ瞬間に何かを悟った: ヴィンセントが最後に見たものが、自分の運命を決定づける何かであった可能性があります。彼の表情は、何か「決定的な事実」を知ってしまった結果なのかもしれません。
- まだ生きていた:ヴィンセントが死亡したと思われている時点では、実はまだ息があった可能性も考えられます。兄シエルが指輪を持ち去った際、ヴィンセントはまだ意識があったのでは?という説もあります。
このように、ヴィンセントの死に顔には多くの伏線が隠されていると考えられます。彼の死にはまだまだ謎が残されています。
ヴィンセント「生存説」「死神説」の可能性
ヴィンセントの死をめぐる謎を追う中で、彼が実は生きている可能性や、死神になったのではないかという説が浮上しています。
原作の中でも、死神の存在やその条件がたびたび言及されており、ファントムハイヴ家の事件と関係がある可能性があります。
死神になる条件とヴィンセントの境遇
黒執事において「死神」は全員元人間で、「自殺した者」が死神になることが判明しています。また、死神の瞳は黄緑色の燐光を帯びており、これは火葬された遺体に含まれる燐の影響だと説明されています。
では、ヴィンセントはこの条件に当てはまるのでしょうか?
- 自殺した者:ヴィンセントは本当に他殺なのか不明、自殺の可能性も
- 火葬された者:葬儀屋はヴィンセントの遺体について「骨の髄まで焼けてしまった」と発言、火葬の条件は満たしている
もし、ヴィンセントが自ら命を絶ったなら、死神となって生き延びている可能性もゼロではありません。
「どこかで見た顔」発言の意味は?
25巻124話で、死神オセロがシエルを見た際に「どこかで見た顔だな」と呟くシーンがあります。この発言は、何を意味しているのでしょうか。
- オセロは50年ぶりに人間界に来た:シエルを知っている可能性は低い
- 「どこかで見た顔だな」:ヴィンセントとシエルの顔が似ている
- もしもヴィンセントが死神だったら:死神派遣協会でオセロと会った可能性がある
つまり、オセロの発言は「ヴィンセントが死神になった」伏線ではないか?とも考えられるのです。
ファントムハイヴ家襲撃事件の真相を考察
ヴィンセントの死を巡る謎を解くためには、ファントムハイヴ家襲撃事件の真相を考察する必要があります。この事件には、多くの不可解な点があり、ヴィンセントが生存している可能性を示唆する要素も含まれています。
ヴィンセントは襲撃者と遭遇した?
ファントムハイヴ家襲撃事件の際、ヴィンセントとレイチェルは抱き合った状態で亡くなっていた、とされています。しかし、この状況にはいくつかの疑問点が残ります。
- あっさりと殺されるのは不自然:ヴィンセントは「お前が誰かに殺されるタマか?」と言われるほどの実力者
- 襲撃者と戦った形跡がない:意図的に抵抗しなかった可能性
もし、襲撃事件の目的が「ファントムハイヴ家の壊滅」ではなく、「ヴィンセントの存在を消す」ことにあったのなら、ヴィンセントは何らかの取引を持ちかけられて死を偽装し、裏で生存する道を選んだのかもしれません。
兄シエルとの関係と指輪の謎
ヴィンセントの死と関わりが深いもう一つの要素が、「ファントムハイヴ家当主の指輪」です。兄シエルは襲撃事件の後、この指輪を持ち去りました。
この時点で、ヴィンセントはまだ生きていた可能性があります。なぜなら、
- 兄シエルが指輪を持ち去った理由:明確にされていない
- 弟シエルが「シエルも(ヴィンセントの遺体を)見たの?」と質問:「遺体を」という目的語が意図的に省略されている
もし、ヴィンセントがこの時点でまだ息があったなら、兄シエルは「生きているヴィンセント」から指輪を奪った可能性があります。
また、ヴィンセントが事件の最中に何らかの理由で指輪を手放し、密かに生存している可能性も浮上します。
ヴィンセント、実は生きてる?
ヴィンセントの死には未だ多くの謎が残されており、彼が生存している可能性を完全には否定できません。今後の展開次第では、彼の生存が明らかになる日が来るかもしれません。
この記事のまとめ
- ヴィンセントの死因は明確にされておらず、生存の可能性がある
- 葬儀屋はヴィンセントの遺体を正確に確認できていない
- セバスチャンとヴィンセントの死に顔が酷似している謎
- ヴィンセントが死神になった可能性が浮上
- オセロの「どこかで見た顔」発言が意味するもの
- 兄シエルが指輪を持ち去ったことが生存説を補強
- 襲撃事件の真相にはまだ多くの謎が残る
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