『その着せ替え人形は恋をする』104話では、新菜のトラウマと深く関わる幼なじみが登場します。この記事では、ネタバレを交えて解説しながら、登場人物たちの想いを丁寧にひも解いていきます。
この記事を読むとわかること
- 104話で再会した幼なじみと、彼女にまつわるトラウマ
- 海夢が涙を流した理由
幼なじみと再会
新菜と海夢は、雛人形ギャラリーを訪れます。そこにいたのは、新菜の幼なじみ「のんちゃん」でした。
再会を喜ぶ従姉妹や、のんちゃんの母親。しかし、のんちゃんは目を伏せたまま沈黙しています。
新菜の夢と、海夢の心のざわめき
「わっちゃんも頭師(かしらし)になるのよね?」
のんちゃんの母親が訪ねます。
頭師になるために
頭師になるには、1日最低3時間は面相描きの練習をしなければいけないとのこと。そんなに練習しているの?と、屈託なく訪ねるのんちゃんの母親。
「最近は出来てない・・・」と新菜は答え、言葉を濁します。
海夢はその言葉を聞き、心の中で何かが崩れていくのを感じました。
わたしが新菜の夢を邪魔してた?
「私が衣装を頼まなければ、新菜はもっと練習できたのかもしれない」
海夢はそう考えてしまい、過去の自分の言動を思い返します。
新菜が自分の夢を犠牲にしていたのではないかという罪悪感が、海夢の胸に重くのしかかりました。
感情の限界
何気ない会話が続く中、海夢は限界を感じていました。
「帰ります」
海夢は突然、「バイトがあるのを忘れていた」と言い出し、その場を去ると申し出ます。
帽子のツバを両手で握り、目を伏せながらの言葉でした。
新菜に真意を聞けないまま
海夢が新菜に聞きたかったのは、「コミケのときの表情」の意味。
その問いを伝えるタイミングも、自分の感情を伝える余裕も、今の海夢にはありませんでした。
ふたりの間に続くすれ違いは、今回もまた解消されることなく、深まっていくばかりでした。
のんちゃんの後悔
海夢が帰宅した後、のんちゃんは10年ぶりに再会した新菜の顔を思い出しながら、過去の日々を回想します。
事故で両親を亡くした新菜
新菜は幼い頃、突然の事故で両親を亡くし、従姉妹である美織の家に引き取られました。その隣に住んでいたのが、のんちゃんでした。
新菜は夜にすすり泣き、朝には何も覚えていないという日々。昼間も布団のなかで丸くなっていて、呼びかけに答えることもありませんでした。
新菜が両親を亡くしたことを偶然耳にしたのんちゃんは、何かしてあげたいと考えるようになります。
思わず言ってしまった・・・
のんちゃんは、布団のなかで丸くなっている新菜のそばで、毎日絵本を読み聞かせます。ただそっと寄り添うように。
しかし、新菜が笑顔を取り戻したきかっけは、のんちゃんではなく雛人形でした。のんちゃんは、衝動的に心ない言葉を浴びせてしまいます。
「なんでわっちゃん男の子のくせに・・・女の子のお人形好きなのよ!気持ち悪い!わっちゃんなんて大嫌い!」
その言葉は、後悔の念と共にのんちゃんの胸に残り続けています。
海夢は玄関でひとり・・・
自分の存在が新菜の夢を妨げていたのではないか――
帰宅した海夢は、家の電気もつけず玄関先で突っ伏します。
問いかけもできず、気持ちも伝えられないままの現実。海夢は、ついに涙をこぼします。
すれ違いが続く
海夢の涙は、今のふたりの関係を象徴するものでした。
このまま、すれ違いは続いてしまうのでしょうか。
言葉にできない思い
『その着せ替え人形は恋をする』104話では、登場人物たちの言葉にできない感情が丁寧に描かれていました。
のんちゃんの回想で語られる新菜の過去は、彼の内面により深く迫るものでした。海夢の涙は、彼女の恋心と罪悪感の重なりを象徴しています。
次回、ふたりの関係にどのような変化が訪れるのでしょうか。
この記事のまとめ
- 新菜の幼なじみ「のんちゃん」と10年ぶりに再会
- 新菜の過去とトラウマが、のんちゃんの回想で明らかに
- 頭師を目指す新菜、最近は十分練習できていない
- 海夢は、自分が足かせになっていたのではと悩む海夢
- 海夢は帰宅後、玄関でひとり涙を流す
- すれ違い続ける二人の恋に切なさが募る
コメント