【黒執事】使用人バルドの壮絶すぎる過去とは

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『黒執事』に登場するバルドは、一見ただの破天荒な料理人。しかしその素顔は、壮絶な過去を背負い、「不死身の傭兵」とまで呼ばれた男です。

この記事では、農夫だったバルドがなぜセバスチャンにスカウトされたのか、そして彼が「普通の人間」として何を守り、何に苦しんできたのかを徹底的に掘り下げていきます。

彼の物語を知ることは、単なるキャラクター考察ではなく、黒執事という作品そのものへの理解を一段深めるきっかけになるはずです。

この記事を読むとわかること

  • バルドが兵士になった過去とその理由
  • 「不死身の傭兵」と呼ばれた本当の意味
  • セバスチャンが彼を選んだ深い理由

黒執事バルドの過去は「家族を失った兵士の復讐劇」

黒執事32巻184話では、料理人バルドの壮絶な過去が明かされます。

彼の過去は、アメリカの片田舎で営まれていた平穏な農村生活から、やがて戦争という絶望に呑まれていく「喪失と復讐の物語」でもありました。

この章では、バルドの人生がいかにして変貌を遂げたのか詳しく見ていきます。

平凡な農夫の穏やかな日々

バルドはもともと、アメリカの田舎で農業を営む普通の農夫でした。妻と息子に囲まれながら、ささやかながらも幸せな日々を送っていました。

彼の家系は、数世代前に信仰の自由を求めてイギリスからアメリカに移住した清教徒の末裔であり、「先住民への感謝を忘れるな」という家訓を受け継いでいたことからも、家族は共存と平和を尊んでいたことがうかがえます。

先住民との争いで家族を喪失

しかし、そんな静かな暮らしは突如として崩壊します。ある日家に戻ると、そこには焼け落ちた家屋と、撲殺された妻子の遺体が残されていました。犯人とされたのは、先住民でした。

かつては「感謝の対象」であった存在が、一瞬で「仇」となり、憎しみの対象へと変貌したのです。

この出来事が、バルドの人生を根底から狂わせていくきっかけになりました。

怒りと復讐心で兵士へと変貌

愛する者を失った悲しみと憎しみは、バルドを戦場へと向かわせました。

彼は軍に志願し、やがて先住民を次々と殺害する兵士として戦場に身を置くようになります。

「あのとき仇を殺しきれなかった」という不完全燃焼な思いが、彼をより深く戦争へとのめり込ませていきました。

やがて、彼は「家族の敵だけでなく、目の前のすべてを敵にする」ようになり、戦いが日常となっていきます。

共存の夢は搾取という現実に打ち砕かれ、バルドは復讐の鬼と化したのです。

このように、彼の過去は「失った者の痛みと、それに飲み込まれる人間の脆さと強さ」が凝縮された物語でした。

なぜバルドは「不死身の傭兵」と呼ばれたのか

バルドは戦場で「どんな過酷な状況でも生き延びる男」として知られ、“不死身の傭兵”と呼ばれるようになります。

しかし、彼には特殊な能力や身体的強化があったわけではありません。

彼を不死身たらしめたもの――それは、極限下での状況判断能力でした。

圧倒的な生存率の理由は「状況判断能力」

バルドは、感情が暴走しやすい戦場において、冷静に「引き際」を見極めることができる稀有な存在でした。

実際、妻子を殺された直後に先住民を一人だけ殺した際も、それ以上深入りせずに引き下がったことで命を守ることができました。

この本能的な生存本能と判断力こそが、彼が生き延び続けた最大の理由です。

戦場で見せた「死を恐れる力」と冷静な判断

セバスチャンがバルドを「この屋敷で唯一、正しく死を恐れることができる人間」と評価したのは、まさにこの点にあります。

死を恐れることは、戦場における最も重要な防衛手段でもあります。

バルドは死を恐れながらも戦い抜くことで、決して命を軽んじず、必要な時に退く冷静さを持っていたのです。

「不死身」という異名を得たのは、能力や技術ではなく、人間らしさによるものでした。

セバスチャンがバルドをスカウトした本当の理由

バルドはファントムハイヴ家で料理人として働いていますが、実は戦術の司令塔としての役割を担っています。そのきっかけとなったのが、セバスチャンによるスカウト。

彼がなぜバルドを選んだのか――そこには、特殊能力を持たない彼だからこその重要な意味があったのです。

異常な世界で「普通」でいられる強さ

ファントムハイヴ家の使用人たちは、常人離れしたスキルを持つ者ばかり。

その中で、バルドだけは「正しく死を恐れ、退くことを知る」普通の感覚を持つ人間でした。

この“普通さ”こそが、非日常的な屋敷で最も必要とされる感性だったのです。

ファントムハイヴ家での役割と戦術的価値

セバスチャンがバルドをスカウトしたのは、彼の「状況を読む力」と「人を守る行動力」に可能性を見たからです。

彼は、メイリンやフィニアンといった破壊力はあるが戦術眼に乏しい仲間たちをまとめる現場のリーダー的存在となりました。

そして、バルドが持つ感性は、坊ちゃんやセバスチャンの「冷徹さ」とバランスを取る人間味あるブレーキ役としても機能しているのです。

料理人としての顔と、戦闘員としての本質

表向きには「料理人」として屋敷で働くバルド。

しかし、実際には料理以上に得意なのは、戦闘や爆発物の扱いでした。

本節では、バルドの二面性について掘り下げていきます。

料理の腕は壊滅的?8割が炭という伝説

バルドの料理スキルはかなり残念で、セバスチャン曰く「8割が炭、2割が有害物質」。

これは、農夫時代は妻任せだったこと、兵士時代にまともな料理の必要がなかったことが影響しています。

そのため、「ただ食えればいい」という精神で作られた料理は、見た目も味も壊滅的。

味覚の戦場でも彼は戦っているようです。

銃火器の扱いや即席トラップなどの戦闘技術

一方で、バルドは料理に使う厨房や倉庫に銃火器を隠し持ち、それらを駆使して戦闘に参加します。

爆薬や即席トラップを自作する技術もあり、戦場経験を活かしたサバイバル戦術を得意としています。

彼の本質は、戦闘の場面でこそ最も発揮されるものと言えるでしょう。

バルドの過去が描かれるのは「黒執事」何巻?

バルドの過去が明かされるのは、黒執事32巻です。バルドが家族を失い、戦場へ赴き、不死身の傭兵と呼ばれるようになるまでの詳細が描かれています。

人間としての弱さと強さが交錯する感動的な内容です。

圧倒的な力を持つ者の中で、バルドは常に「恐れ」と「後悔」を抱えてきました。それでも彼は立ち上がり、過去と向き合い続けています。

人間的な強さとは何か――バルドの存在が、それを私たちに教えてくれます。

この記事のまとめ

  • バルドは家族を失い、戦場に身を投じた過去を持つ
  • 「不死身」と呼ばれたのは状況判断力によるもの
  • セバスチャンは彼の「普通さ」を見込んでスカウト
  • 料理は壊滅的だが、戦闘能力と統率力に優れる
  • バルドの過去が描かれたのは32巻

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