【黒執事 】「寄宿学校編」を見るとハリーポッターを思い出す!?

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「黒執事」の寄宿学校編がアニメ化されて以来、「ハリーポッター」との類似点が話題になっています。この記事では、両作品の全寮制学校設定を比較しながら、その魅力を深掘りしていきます。

この記事を読むとわかること

  • 「黒執事」と「ハリーポッター」の寄宿学校設定の共通点
  • シエルとハリーの境遇や性格、戦い方の違い

「寄宿学校編」なぜハリーポッターを連想?

異なる特徴を持つ4つの寮

「黒執事」寄宿学校編を見ていると「ハリーポッター」を思い出すという人は少なくないでしょう。両作品には、「それぞれ異なる特徴を持つ寮」や「校内独自の厳格なルール」が登場します。

これは決して偶然や模倣ではありません。両作品ともにイギリスの伝統的な寄宿学校文化を元にして描かれているため、自然と類似するのです。

寄宿学校編の舞台となるウェストン校には、「深紅の狐寮」「翡翠の獅子寮」「紺碧の梟寮」「紫黒の狼寮」の4つの寮が存在します。

さらに、学校内での上下関係や礼儀作法、ドレスコードなども厳格に管理されており、「真の英国紳士」を育てるための教育方針が根底にあります。

黒執事では、その格式と重厚な雰囲気が美しい作画で丁寧に描かれており、まさにヴィクトリア朝の英国の空気を現代によみがえらせていると感じました。

この寮制度は、ハリーポッターの「グリフィンドール」「スリザリン」などといった分類と非常に似ています。4つの寮にはそれぞれの個性があり、寮同士が対立している点も共通しています。

このように文化的背景が同じため、両作品が似ていると感じるのです。

外界と隔絶された寄宿学校

「黒執事」寄宿学校編で描かれるウェストン校は、完全に外部と隔絶された独立国家のような存在です。

ウェストン校では外部の干渉をほとんど受けず、手紙さえも一部の上層部を通さないと届かないという徹底ぶりです。

この設定は、ハリーポッターにおけるホグワーツ魔法学校と非常に近いものがあります。ホグワーツもまた魔法界の中に存在し、魔法が使えない人間の社会とは切り離された空間として描かれています。

まさに「閉ざされた社会」であり、生徒たちは独自の価値観と秩序の中で育てられていくのです。

これは、イギリス寄宿学校特有の「内部自治」を色濃く反映したもので、黒執事の舞台設定のリアリティを支えています。

こうした空間だからこそ、潜入調査という黒執事らしいミッションもよりスリリングに展開され、物語に緊張感を与えてくれます。

外界から切り離されることで、物語世界が純粋に濃縮された空間として楽しめる点も、読者にとっては魅力的です。

各寮の監督生「P4」主導の権力構造

「黒執事」寄宿学校編で特筆すべきは、「P4(プリーフェクトフォー)」と呼ばれる各寮の監督生による支配体制です。彼らは絶対的な権限を持ち、学校運営すら左右しています。

これは、ホグワーツにおける「寮長」「監督生」よりも強い力を持つポジションといえるでしょう。

この独特の権力構造が、「黒執事」らしい緊張感と陰謀の匂いを演出しており、学園もまた一つの「社会」として機能しています。

権力と規律が支配する空間で、外部からの「異質な存在」であるシエルとセバスチャンが、どのように立ち回るのかが、本編の見どころとなっています。

まさにハリーポッターの「秘密の部屋」や「炎のゴブレット」のような潜入・探査系の緊張感が味わえます。

シエルとハリーの共通点&相違点

両親を亡くし「印」を持つ少年たち

シエルとハリー、両者に共通するのは「両親を亡くした悲しみ」「特別な印を持つ存在であること」です。

ハリーは額に稲妻型の傷、シエルは契約の証として右目に紋章を持っています。その印は、彼らの運命や生き方に深く関わる「選ばれし者」としての象徴です。

また、強大な力に導かれながらも、それぞれが自分の運命を切り開こうとする姿勢も共通しています。

違いがあるとすれば、ハリーは「希望」の象徴であり、シエルは「復讐」と「闇」の化身であるという点でしょう。

同じ境遇でも、選んだ生き方が違うからこそ、物語もまた対照的になります。

ハリーは魔法、シエルは契約悪魔と共に戦う

ハリーは自らの才能と努力で魔法を学び、敵と戦います。

一方のシエルは、自身に戦闘能力がない代わりに、セバスチャンという最強の悪魔を従えています。

この構図は、「力を借りる者」と「自分で身につける者」の対比ともいえるでしょう。

どちらも強大な敵に挑むという点では共通していますが、信じているもの、託すものが異なるという点が印象的です。

ハリーは仲間と友情を、シエルは契約と冷徹な判断を重視します。

何のために戦うのか

ハリーは「善を信じて戦うヒーロー」として描かれます。

対してシエルは、「自らの目的のためには手段を選ばない冷徹な復讐者」です。

この対比が、両作品の世界観と物語性の違いを端的に表しています。

ハリーは誰かのために戦いますが、シエルは自分の過去と向き合い続け、仇討ちを成すために動いています。

読者の共感ポイントもそれぞれで異なり、善悪の複雑さをシエルが、理想の象徴をハリーが担っているのです。

あらためて「黒執事」寄宿学校編を楽しむ

2024年、「黒執事」の寄宿学校編が待望のアニメ化を果たし、ファンの間で大きな話題となりました。

制作会社が変更されましたが、実質的にはスタッフが継承されており、違和感はありませんでした。作画のクオリティはさらに上がっており、背景美術やキャラクターの繊細な表情の描写が高評価を得ています。

名門寄宿学校の格式ある雰囲気が美しい作画と重厚な演出で再現され、原作ファンも納得の仕上がりとなっています。

また、セバスチャン役の小野大輔さんをはじめ声優陣も続投となり、作品の雰囲気を壊さずに自然なアップデートが施されたことも、評価ポイントのひとつです。

イギリスの寄宿学校をモチーフにした作品の魅力

「黒執事」と「ハリーポッター」に共通するのは、イギリス寄宿学校という古典的モチーフを現代的なエンタメ作品に昇華させている点です。

校内での人間関係、規則、寮制度、外界との隔離された環境──そうした要素は、読者に非日常と規律ある秩序の両方を味わわせてくれる設定です。

「ハリーポッター」では魔法というファンタジー要素が、「黒執事」では悪魔や死神というダークファンタジーが、この舞台装置と融合し、それぞれの魅力を作り出しています。

「古いはずのものが、新しく見える」

それがこの2作品の世界観の強さです。

ハリーポッターが希望と成長の物語であるのに対し、黒執事は復讐と契約を描いた物語。同じ舞台設定でも、描く方向が異なることで全く異なる読後感をもたらします。

こうした比較ができるのも、両作品に共通する「英国寄宿学校」というベースがあるからです。ぜひ二つの作品を比較して楽しみ、その深さを味わってみてください。

この記事のまとめ

  • 「黒執事」寄宿学校編はハリーポッターに似た世界観
  • 4つの寮制度や閉鎖的な校内描写などが共通
  • シエルとハリーは過去や印など多くの共通点がある
  • アニメ版は、制作会社変更後も高評価
  • 英寄宿学校という舞台の魅力を両作で再確認できる

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