「私の幸せな結婚」幸次は可哀想なのか？弱さゆえの選択と後悔

主人公・美世の幼なじみである辰石幸次は、彼女の境遇に同情し、密かに想っていました。

しかし、彼は美世ではなく、彼女を虐げる異母妹の香耶と婚約することになります。なぜ彼は、そのような道を選んだのでしょうか？

「優しすぎて臆病」とも評される幸次の選択と後悔、そして美世を助けようとした瞬間に迫ります。

辰石幸次とは？「私の幸せな結婚」での役割

『私の幸せな結婚』に登場する辰石幸次は、主人公・美世の幼なじみです。孤独に育った美世にとって、ただひとり他愛のない言葉を交わすことのできた存在でありながら、彼女を虐げていた異母妹・香耶と婚約する運命をたどります。

そんな彼は「可哀想」とも言われますが、果たして本当にそうなのでしょうか？ここでは、幸次の性格や物語での役割を振り返ります。

辰石幸次のプロフィールと性格

幸次は辰石家の次男で、美世とは幼少期から親しい関係にありました。彼の性格は「優しいが臆病で優柔不断」です。

争いを好まない幸次は、家族の意向に逆らうことができずに生きてきました。また、異能の鍛錬も積んでおらず、父や兄には遠く及ばない存在でした。

美世と香耶との関係

美世にとって、幸次は数少ない味方でした。彼は美世のことを気にかけ、幼少期から彼女を守ろうとしていました。

しかし、斎森家と辰石家の縁談によって、幸次は香耶と婚約する道を選ばざるを得なくなります。

その結果、美世はさらに孤立し、幸次自身も後悔に苛まれることになりました。

なぜ幸次は美世を選ばなかったのか？

多くの読者が抱く疑問の一つが「なぜ幸次は美世と結ばれなかったのか？」という点です。

彼自身も美世を想っていたのに、なぜ香耶と婚約することになったのか、その背景を掘り下げます。

親の決めた婚約と彼の葛藤

辰石家と斎森家は、家同士の結びつきを強めるために婚約を決めました。つまり、幸次は家の意向に従わざるを得ませんでした。

彼は本心では美世を選びたかったものの、父の命令に逆らうことができず、香耶との結婚を受け入れることになりました。

『私の幸せな結婚』の舞台は、明治・大正期を意識した和風世界です。結婚は、本人の意思によるものではなく、家と家の結びつきとされていたのです。

臆病さゆえの決断と後悔

全てを失ってでも美世を守る覚悟があれば、家の決定に抗うこともできたかもしれません。

しかし、幸次は「争いを避ける性格」のため、結果として大切な人を失う選択をしてしまいました。

その後も彼は美世への想いを捨てきれず、後悔し続けることになります。

美世を救おうとした幸次の決意

幸次は後悔を抱えながらも、美世が拉致されたとき、彼女を助けるために勇気を振り絞って行動を起こします。

美世を助けるため清霞を頼る

美世の異母妹である香耶と、幸次の実家である辰石家の策略により美世が拉致されると、幸次は彼女を救うために久堂清霞を訪ねます。

この行動は、父親に背く行為でもありました。それでも彼は「美世を救いたい」という想いを優先したのです。

過去の後悔が彼を突き動かす

幸次は、幼い頃から美世を守れなかったことをずっと悔やんでいました。

その罪悪感が、彼を行動へと駆り立てました。

結果として、幸次の協力が美世救出のきっかけとなったのです。

幸次はその後どうなったのか

美世を救った後も、幸次の人生は波乱に満ちたものでした。

香耶との婚約関係を維持

美世を救った後も、幸次は香耶との婚約を解消しませんでした。

これは、香耶が再び美世に害を及ぼさないよう、彼女を監視する意図があったのかもしれません。

とはいえ、香耶は奉公に出されたため、関係は薄れていった可能性もあります。

修行を経て彼は変われるのか？

幸次は自身の弱さを痛感し、帝都を離れて旧都で異能の修行を始めました。

この修行を経て、彼はどのような成長を遂げるのか、物語の今後に期待が寄せられます。

幸次は本当に可哀想なのか

辰石幸次の人生を振り返ると、確かに「可哀想」と思われる部分があります。虐げられている美世を気にかけながらも守ることができず、望まぬ婚約を強いられ、最後は父に背く決断をします。

しかし、彼が自ら選択した道も少なくなく、「弱さゆえに招いた運命」とも言えます。

幸次は、最後に美世を助けるための行動を取り、自身の心身を鍛えなおして未来を変えるために動き始めました。

果たして彼は成長し、自分の弱さを乗り越えられるのか？今後の展開にも注目です。