『その着せ替え人形は恋をする』最終話となる115話では、海夢と新菜のその後が丁寧に描かれています。2人が歩んだ時間、交わした言葉、支え合って育んだ夢。その全てが、最後のページに美しく結実していると感じました。
この記事を読むとわかること
- 『その着せ替え人形は恋をする』最終話の感動ポイント
- 夕食を囲む家族4人の会話
『着せ恋』最終回もあたりまえの日常
最終回に描かれたのは、壮大な恋のクライマックスではなく、穏やかであたたかな「日常」の風景でした。
夢に向かって不器用に進んできた二人が、静かに寄り添いながら新たな時間を紡いでいます。一つひとつの描写に、これまでの積み重ねと彼らの思いが凝縮されていました。
五条家に流れる優しい時間
あれから何年かたった五条家。
かつて新菜が過ごしていた部屋と思われる和室には、新菜が制作したコスプレ衣装や造形物が並んでいました。
ハート型の写真立てに収まるおじいちゃん・・・まさか、そんな!
一瞬ドキリとしましたが、新菜を呼ぶ変わらぬ声が聞こえてきます。そばには、結婚式の海夢と新菜、そして家族たちの写真も飾られていました。
新菜は「頭師」の夢を実現
新菜は雛人形の「頭師」としての道を着実に歩み、テレビにも取り上げられる存在に成長していました。
モデルの仕事を終えた海夢は、新菜が取材を受けたニュース特集に間に合うよう汗だくで帰ってきました。
最終話も名言の宝庫
『その着せ替え人形は恋をする』は、心に残る名言が多いですね。
最終話も、作中にちりばめられた言葉の一つひとつが、胸の奥に静かに沁み込んでいきます。
「ずっと頑張ってきた成果でしょ?一緒に観よ!」
自身が出演するニュース番組を前に、見るのをやめようかな・・・という新菜。そのとき海夢がかけた言葉です。
「昔、あの子(おじいちゃんの作った雛人形)みたいにひと目で分かるお雛様を作れるようになりたいって、あたしに教えてくれて、なれたんだよ!」
「ずっと頑張ってきた成果でしょ?一緒に観よ!」
新菜の努力を誰よりも近くで見てきた海夢の想いが詰まっています。海夢という存在が、どれほど彼を支えてきたのかを実感させる名言でした。
「娘婿が作った雛人形人気なんだよ!」
新菜と海夢、おじいちゃんに加えて、豪華なちらし寿司を買ってきた海夢パパの4人で夕食を囲みます。
「会社で観てたんだけど、『娘婿が作った雛人形人気なんだよ!』って自慢しちゃって!」
満面の笑みで語る海夢パパ。新菜が褒められることが、うれしくてたまらないのです。
かつて自己肯定感が低かった新菜が、義父にとっても自慢の息子になっていることに胸が熱くなります。
最終回も日常を描く
最終回も派手な演出や奇抜な展開はなく、あたりまえの幸せが丁寧に描かれていました。
その幸せこそ、彼らが長い道のりの中でようやく手に入れたものでした。
派手さを抑えたリアリティ
最終話では、いつもの家族の食卓、新菜の手料理、照れくさい会話など、何気ない描写が中心でした。
派手ではないけれど、リアルで愛おしい、そんな日常の美しさが光っていました。
「普通の幸せ」の美しさ
「結婚して、家族で食卓を囲む」誰もが夢見る幸せを、しっかりと描き切った最終回。理想ではなく「現実」として描かれる未来が、多くの共感を集めました。
特別なイベントがなくても、愛する人と築いた日常こそが、最も特別なのだと心に刻まれました。
「好き」を大切にしたい
読み終えたあと、心の中に宝物のように残っているのは「好き」という素の感情を大切にしたいという思いです。
何かを、誰かを好きになる気持ち・・・夢を諦めない気持ち・・・
この作品に込められた感情は、どれも真っすぐでした。
その素直な気持ちを言葉にして、大切にしていいのだと、この作品は教えてくれたのだと感じています。
この記事のまとめ
- 『その着せ替え人形は恋をする』最終回の感想
- 夫婦となった海夢と新菜の穏やかな日常
- 「ずっと頑張ってきた成果でしょ?」新菜を見守る海夢
- 「娘婿が作った雛人形人気なんだよ」海夢パパ自慢の娘婿
- 五条家に流れる温かな空気感
- 派手さを排した「普通の幸せ」の美しさ
- 「好き」という感情を大切にしたいと実感する作品
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