『自縛少年花子くん』は、学校の七不思議をテーマ怖いだけでなく心温まるラブコメです。
登場人物のなかでも「怖い」と話題なのが、花子くんの双子の弟つかさ。かわいい見た目とは裏腹に、サイコパス的な一面や謎に満ちた過去を持っています。
この記事を読むとわかること
- つかさが「怖い」と言われる理由とその異常性
- つかさと花子くんの悲しい過去
- 『自縛少年花子くん』の怖かわいい魅力
つかさが「怖い」と言われる理由
『地縛少年花子くん』の中でもひときわ不穏な存在感を放っているのが、花子くんの双子の弟つかさです。
無邪気な笑顔の裏に、狂気と冷酷さを抱える存在で、数々の衝撃的な行動を見せています。
好奇心だけで怪異を傷つける
つかさは、興味本位で怪異を傷つけたり破壊したりします。
たとえば、「中身が気になる」という理由だけで、喋る魚の怪異をペンで突き刺し、無惨に壊してしまうなど、残虐な衝動性が見て取れます。
この一件だけでも、彼が常識の通じない異常な存在であることが明らかです。
他人の願いを歪めて利用する
つかさは、死者の願いを叶える代わりに、理性を代償として奪います。
ミツバに対しては、自分のことを覚えていてほしいという純粋な願いを歪め、暴走する怪異へと変貌させました。
人の感情をおもちゃのように扱う姿は、まさにサイコパスです。
自分を殺した包丁を見て笑う
つかさはかつて、兄である花子くん(あまね)に包丁で殺されました。
にもかかわらず、その包丁を再び目にした時、「懐かしいね!」と笑いながら登場します。
つかさの正体はカミサマのなれの果て
『地縛少年花子くん』22巻では、つかさの中に別の存在「ナニカ」が潜んでいることがわかりました。
つかさであって、つかさでない?
時計守の「カコ」が語るところによれば、司の中にいる「ナニカ」は、過去に人々から信仰されていたカミサマのなれの果てでした。かつて願いを叶える代償として少女を喰らい、封印されたのです。
つかさの姿は神の器であり、本人の意思とは別に「ナニカ」の意志が働いている可能性が高いといいます。
これは、つかさの暴走的な行動の一部が、彼自身のものではない可能性も示唆しています。
願望を叶える代わりに・・・
その「ナニカ」は赤い家と関係があり、人や怪異を狂わせる危険な力を持つ存在です。
願望を叶える代わりに破滅をもたらすという構図は、物語全体の根幹とも重なってきます。
この設定により、つかさが単なるサイコパスではなく、宿命を背負わされた存在であることがわかります。
七不思議より強い謎の力
七不思議たちは非常に強大な存在ですが、つかさはその力すら凌駕する行動を見せています。
これは、彼の中に宿る「ナニカ」が、七不思議を超える存在であることを示しています。
つかさの存在は、物語にとって最大の脅威ともいえるのです。
つかさと花子くんの悲しい過去
つかさの物語には、彼と花子くん(あまね)との深い因縁が描かれています。
2人は双子でありながら、やがて片方がもう片方を手にかけるという衝撃的な過去を持っています。
その背景には、想像以上に切ない兄弟の絆と悲劇が隠されています。
兄のため自分を生贄に
病弱だった兄のあまねを救いたい一心で、つかさは「赤い家」の神に願いを捧げました。
その代償として自らを差し出し、わずか4歳にして生贄となってしまうのです。
この過去が、彼の狂気と哀しみの根源にもなっています。
兄のあまねに殺される
つかさは生前、兄である花子くん(あまね)に包丁で命を奪われています。
その理由は明確には語られていませんが、弟を止めるための選択であった可能性が示唆されています。
それは愛情と責任の狭間で揺れた、兄の苦渋の決断だったのかもしれません。
つかさの「怖さ」に隠された執着と愛
つかさの行動は、一見すると支離滅裂ですが、根底には兄への愛と執着が感じられます。
愛するがゆえに歪み、壊れてしまったつかさの姿は、悲しみと恐怖の融合体そのものです。
その哀れさが、彼を「ただのサイコパス」では終わらせない魅力につながっています。
作品全体に漂う「怖い」「やさしい」要素
『自縛少年花子くん』は、怪異が巻き起こす事件や死の影などホラー要素が随所に散りばめられています。
しかし、同時にやさしさや温かさが絶妙に混ざっており、それがこの作品ならではの魅力になっています。
怪異と関わることで生じる本当の恐怖
怪異に関わることで、人間は心や体に大きな代償を払うことになります。
寧々が人魚の鱗を飲み、半妖になってしまうエピソードもその一例です。
普通の学生生活に潜む異常性が、じわじわと恐怖を広げていきます。
怖さを和らげるハートフルな場面も
そんな怖さを中和してくれるのが、個性豊かな登場人物たちの愉快なやり取りです。
特に寧々と花子くんの掛け合いは、緊張感を和らげるハートフルな要素となっています。
こうしたバランスが、作品全体を読みやすく親しみやすいものにしています。
ホラーなのに笑える「怖かわいい」世界観
ホラーとラブコメ要素が同居することで、作品には独特の「怖かわいさ」が生まれています。
これこそが『花子くん』が幅広い読者に愛される理由のひとつ。
一度読めば、その世界観に引き込まれること間違いありません。
この記事のまとめ
- つかさには、「ナニカ(カミサマの成れの果て)」が宿る
- 好奇心で怪異を弄ぶサイコパス的性格
- つかさは、4歳で自ら生贄となった
- 花子くんとの兄弟関係に深い因縁
- 七不思議を超える力を持つ恐ろしさ
- 怖さとかわいさが交差する独特な世界観
- 楽しいやりとりや深い絆が、恐怖を和らげる
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