引っ越しの荷造りが間に合わない時はどうすればいい?

引っ越しの際に多くの労力と時間を必要とするものが荷造りになります。

計画的に少しずつ進めることが良いと分かってはいても、忙しくて中々手が付けられず、気づいたら引っ越しの日が迫っていたという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな引っ越しの荷造りについて、間に合わなかった際に起こってしまうことやその対応策、前日に荷造りが終わっていない時に優先すべきこと等についてご紹介したいと思います。

引っ越しの荷造りが間に合わないと起こること

まずは引っ越しの荷造りが間に合わないことによって、何が起こってしまうのか見ていきましょう。

①引っ越し作業を拒否される

考えられる中で1番最悪なケースとしては、引っ越し作業自体を拒否されることです。

引っ越しにおける業者と依頼者の契約は、国土交通省によって定められている「標準引越運送約款」というルールに準拠しています。

その中では「引っ越し当日までに依頼人が荷造りを行うこと」が義務付けられおり、当日までに荷造りが完了していない場合には業者はそのことを理由に引っ越し作業の引き受けを拒否することができるのです。

つまり、荷造りを終えた状態で引っ越し業者を待っていないことは、契約違反に当たってしまうということになります。

契約違反で引っ越しを拒否されてしまった場合は引っ越し料金の払い戻しもなく、また別日を調整して引っ越し業者に頼むことになってしまいます。

1回の引っ越しで2回分の料金を支払わなければならない事になってしまうので、かなりの痛手になりますね。

②梱包作業代の追加請求

引っ越し業者のスケジュールに余裕がある場合には、梱包作業を依頼できることがあります。

ただし、引っ越し業者が梱包サービスを請け負うことになるので、追加の料金を請求されてしまいます。

一人暮らしの場合は、引っ越し業者に梱包作業の依頼をすると、1箱につき1000円~2000円ほどの追加料金が必要だと言われています。

荷物の量や引っ越しの時期によって多少値段は前後しますが、非常にもったいない出費であることは確かです。

また引っ越しにかかる作業時間も長くなり、作業員の方に迷惑もかけてしまいます。

荷造りが間に合わなかった時の対応策

さて、荷造りが間に合わないことで様々なデメリットがあることが分かりましたが、実際間に合わなかった時はどのように対応していくのが良いか見ていきましょう。

①間に合わないことが分かった段階で相談する

1つ目の対応としては、荷造りが間に合わないと分かった時点で引っ越し業者に相談の電話を入れることです。

事前に連絡を入れておくことで、引っ越し日の変更を検討したり、業者側も引っ越し当日の荷造りのために「作業員を増員」したり「段ボールや緩衝材を用意する」といった梱包作業を念頭に置いた準備に変更することができます。

標準引越運送約款では、3日前までのキャンセルでは解約金を支払う必要はないと定められていることからも、遅くても3日前には荷造りが間に合うかどうかの把握を行うようにしましょう。

②大型の荷物以外は車や宅急便で後から運ぶ

大型の家具や家電はサイズが大きいため、引っ越し業者の運搬が必要ですが、それら以外のものはダンボールにまとめれば宅急便等で新居に届けることができます。

当日に家族や友人に手伝ってもらえるなら新居で荷物を受け取ってもらい、自分は残って荷造りを行い車や宅急便を利用して後から荷物を送るという方法です。

宅急便はネット予約をすると当日でも集荷をしてもらえるので、引っ越し当日に荷造りが間に合っていない場合は、業者に運んでもらう大型家具・家電の梱包のみを優先して行いましょう。

ただし宅急便で荷物を送ると到着まで時間がかかる可能性があるのでそこは注意が必要です。

③いらないものは業者に引き取ってもらう

荷造りが終わっていない荷物の中に、不要なものがあるのであれば業者に引き取ってもらうという方法もあります。

引っ越し業者の中には、不用品の回収に対応している会社もあるので、そのような場合は確認をとってみましょう。

ただし、有用な資源の再利用するために施行されている家電リサイクル法に分類される4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)に関しては、処分する際に料金を支払う義務があるので注意が必要です。

引っ越し前日の荷造りで優先的に行うこと

ここからは、荷造りが終わりそうにない引っ越しの前日に優先すべきことをご紹介します。

①仕分けをせずにひたすらダンボールに詰める

引っ越しに荷造りを行う際は、分類別に仕分けをすることで引っ越し後の荷解きを楽にすることができます。

ですが、その反面仕分けには多くの時間がかかります。

荷造りが終わらなさそうな前日の状況では仕分けをしている時間はないため、仕分けの工程をカットしてひたすらダンボールに荷物を詰める方法に変更して、荷造りの時間を短縮しましょう。

ひとまずダンボールに荷物を収めさえすれば、新居に運搬することは可能です。

新居に到着してから、ゆっくりと荷解きを行いましょう。

②紙袋やごみ袋、布団袋などを活用する

ダンボールに隙間なく物を入れていくのは意外と手間がかかってしまいます。

とにかく時間を短縮して荷物を詰め込むには、袋状のものを活用するのも一つの方法になります。

ダンボールに入れていくよりも速いペースでどんどん詰み込んでいける一方で、大切なものなどが壊れやすいというデメリットもあるので、大事なものは別で運ぶようにしましょう。

また、余っている布団袋がある際はぜひ活用してください。布団袋には衣類を詰めていくのがオススメになります。

荷造りの他に引っ越し前日に行うべきこと

当日の引っ越しをスムーズに行うために前日に取り掛かるべきことは荷造りだけではありません。

洗濯機と冷蔵庫の水抜きを行う

引っ越しの前日には、洗濯機や冷蔵庫の水抜きも優先的に行う必要があります。

水抜きを行わないと運搬中に水が流れ出てしまったり、引っ越したばかりの新居を濡らしてしまう恐れに加えて、ほかの家具や家電にも水がかかってしまう可能性があるので、引っ越し作業の負担を減らしたり、トラブルを未然に防ぐためにもしっかり行いましょう。

洗濯機と冷蔵庫それぞれの水抜きの具体的な手順は以下の通りです。

洗濯機の水抜き

洗濯機における水抜きは、給水ホースと排水ホースの中に残っている水を抜く作業になります。

準備物と注意点

・ドライバー ・バケツまたは洗面器 ・タオル ・ビニール袋

水抜きを行う際は濡れる可能性があるので、引っ越しで準備したダンボールや書類、その他の荷物等、濡れたら困る物は必ず片付けてから行いましょう。

手順(縦型洗濯機)

①洗濯機の中を空にして、蛇口を閉める。

②標準コースで洗濯機を回し、1分経過したら停止する。

給水ホースの内部に残っている水を抜くための作業になります。

③給水ホースを取り外す。(給水ホースの水抜き完了)

給水ホースがネジなどで固定されている場合は、ドライバーで外す必要があります。

また取り外す際に、水がこぼれてくる場合があるので洗面器やバケツを使ってこぼれを防止しましょう。

④再び電源を入れて、一番短いコースで脱水をします。

洗濯機の内部に残った水分を飛ばします。

⑤タオルで水気をふき取る。

⑤排水溝から排水ホースを抜いて水抜きは完了です。

内部に水が残らないように、本体を傾けたりして水を抜いた後に排水ホースを取り外すようにしましょう。

給水ホースや排水ホースはビニール袋に入れてしっかりと保管しておいてください。

洗濯機を持ち運ぶ際は、蓋が開閉しないようにテープを貼っておくのもオススメです。

ドラム式の洗濯機の場合

ドラム式洗濯機の水抜き手順も基本的には縦型洗濯機と同じになります。

ただしドラム式の洗濯機の場合は、給水ホースの水抜きを行った後に、糸くずフィルターの水抜きを行って、排水ホースの水抜きに入ります。

糸くずフィルターの水抜き方法は以下の通りになります。

①給水ホースの水抜き後に電源を入れなおします。

②脱水を1分に設定して、スタートします。

③脱水終了後、ドアを開けてドラムの内部にある水気をふき取ります。

④バケツや洗面器といった水受けを準備します。

⑤糸くずフィルターのつまみを少しずつ緩めて、水受けに水を出していきます。

⑥水が出なくなったら、続いて排水ホースの水抜きに移行します。

冷蔵庫の水抜き

冷蔵庫にも水抜きが必要となります。

現在出回っている冷蔵庫の多くは自動霜取り機能がついており、これは庫内の温度を一時的に上げることによって霜を溶かしています。

当然溶かした霜は水となります。その水はドレインホースを通って、水受けの容器に溜まって冷蔵庫の熱によってその水を蒸発させるというサイクルを繰り返しています。

冷蔵庫の水抜きではこの受け皿の水を空にするということですね。

手順

①冷蔵庫の中身を空にする。

引っ越し前には食材を使い切らなくてはなりません。どうしても食品が余ってしまう場合は、保冷剤を入れたクーラーボックス等に保存するのもアリです。

②製氷機能を停止させる。

まずは製氷機用の給水タンクを外して製氷機能を停止させます。

③冷蔵庫の電源を切る。

引っ越しの前日には冷蔵庫の電源は切っておきましょう。コンセントやアース線も抜いておきます。

④水抜きを行う。

水受けトレイやタンクに入った水を排水します。冷蔵庫によって違いはありますが、水受けの位置は冷蔵庫下部、もしくは背面に内蔵されていることが多いです。

引っ越し後の注意点

また引っ越し後の注意点としては、冷蔵庫の電源は設置してから1時間程度は電源をつけないようにしましょう。

冷蔵庫の引っ越し作業の過程では衝突や落下がなくとも多少の揺れは生じてしまいます。

その際に内部の液体状の冷媒装置が不安定な状態になっており、この状態のまま冷蔵庫の電源を入れてしまうと冷却機能の故障に繋がってしまう恐れがあるからです。

まとめ

まとめになります。

今回は【引っ越しの荷造りが間に合わない時はどうすればいい?】ということで、荷造りが追い付かない際の対応策や荷造りが終わらないとどのような事が起こるかについてご紹介いたしました。

荷造りが終わっていない前日に行うこととしては、仕分けを省略したり、ごみ袋などを活用して荷造りにかかる時間を出来るだけ減らすことが大切です。

また、洗濯機や冷蔵庫の水抜きも忘れずに行うようにしましょう。

今回の記事は以上となります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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