熱中症になったらどこを冷やす?

熱中症を予防するために水分と塩分の補給が大切なことは、広く知られています。それでは、熱中症になってしまったときは、どうすればよいのでしょうか。

熱中症になったら涼しい場所で身体を冷やす

めまいや大量の発汗など軽症の熱中症とみられる症状の人がいたら、すぐに風通しの良い日陰やエアコンの効いた室内など涼しい場所へ移動して、身体を冷やすことが大切です。熱中症は急速に進行して、重症化すると命に関わります。軽症のうちに気づいて、応急処置をすることが大切です。急変するリスクもあるので、しばらくの間は目を離さないようにしましょう。

意識がはっきりしていて呼びかけに明確に答えられる場合は、冷たい飲み物を渡して自分で飲んでもらいましょう。大量に汗をかいているときは、汗で失われた塩分も補える経口補水液やスポーツドリンクなどがおすすめです。

呼びかけても応答しない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。ペットボトルのフタを自力で開けられるかどうかも判断材料のひとつになります。自力でフタを開けられない場合や、吐き気などで水分補給ができない場合は、病院に搬送しましょう。

熱中症になったらどこを冷やす?

熱中症になった人の身体を冷やすためには、太い血管が身体の表面近くを通っている部分を冷やすことが重要です。冷えた血液が全身をめぐることで、体温をすみやかに下げることができます。薄い服の上からでもOKです。

・首筋(首の前面両側)

・わきの下

・そけい部(足の付け根の前面)

難しい場合は顔や両腕、足などを冷水で濡らしたタオルで拭いたり、手のひらを冷やしたりすることでも身体を冷やすことができます。

熱中症になったら何を使って冷やす?

熱中症になった人の身体を冷やすときは、どんなものを使えばよいのでしょうか。

イベントやスポーツ観戦の場合は、アイシング用の氷嚢(ひょうのう)を借られる可能性があるので、スタッフの方に聞いてみましょう。

手持ちの保冷剤や冷えたペットボトル飲料、コンビニなどで買えるかち割り氷なども、身体を冷やすのに役立ちます。

凍っているものはタオルなどで包み、首筋や足の付け根にあてたり、両わきに挟んだりして冷やします。

また、水で濡らしたタオルやハンカチをあてて、扇風機やうちわなどで風を送ると、水が蒸発するときの気化熱で身体を冷やします。タオル類はビニール袋に入れると、服を濡らす心配がありません。

服の上から、少しずつ水をかけることも有効です。極端に冷たい水をかけると、身震いによって熱を生み出そうとする生理現象が起こるので、人肌程度の水で行います。

熱中症のときに役立つ冷却グッズ

フローズンリング(アイスリング、クールリング)

首回りを冷やすリングは、外出先でも流水やクーラーバッグなどに入れれば何度でも冷やせます。冷えすぎることがないため、凍傷などを気にせず使えます。

瞬間冷却剤

事前に冷凍しなくても、その場に水や氷がなくても、叩くだけですぐに冷える瞬間冷却材です。百均ショップで買える商品もあります。

熱中症で冷やすときに注意すること

「おでこに冷却シート」あまり効果がない

おでこには太い血管が通っていないので、おでこにジェルタイプのシートを貼っても、体温を下げる効果はあまり期待できません。

凍ったものを肌に直接あてない

保冷剤や、冷凍庫で凍らせたタオルを直接肌に当てると、凍傷になるリスクがあります。凍ったものは必ずタオルなどに包んで使用し、冷たい水で絞ったおしぼり程度の温度にしましょう。

冷やしすぎない

熱中症予防で身体を冷やす場合、 一箇所を長時間冷や続けると、自律神経のバランスが乱れるなどのデメリットがあるので注意が必要です。

まとめ

熱中症になってしまったときは、すぐに涼しい場所へ移動して身体を冷やすことが大切です。

太い血管が身体の表面近くを通っている「首の前面両側」「わきの下」「そけい部(足の付け根の前面)」を冷やすと、冷えた血液が全身をめぐって体温をすみやかに下げることができます。

氷嚢(ひょうのう)をはじめ、手持ちの保冷剤や冷えたペットボトル飲料、かち割り氷も身体を冷やすのに役立ちます。凍っているものはタオルで包み、首筋や足の付け根にあてたり、両わきに挟んだりして冷やします。

また、水で濡らしたタオルやハンカチをあてて、扇風機やうちわなどで風を送ると、水が蒸発するときの気化熱で身体を冷やします。凍ったものは必ずタオルに包んで使用し、長時間冷やしすぎないように注意しましょう。

 

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