クリスマスといえば、美味しいお菓子が欠かせませんね。
世界各地には、クリスマスの伝統のお菓子がありますが、今回は、ドイツとフランスのお菓子について紹介します。
ドイツとフランスは、クリスマスのお菓子の宝庫と言えるほど、多くの種類があります。
それぞれのお菓子には、歴史や意味があり、クリスマスの雰囲気を盛り上げてくれます。
では、どんなお菓子があるのでしょうか。
クリスマスの伝統のお菓子
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クリスマスの伝統のお菓子は、ドイツとフランスには特に多くの種類があります。
ドイツでは、シュトーレン、ヘクセンハウス、レープクーヘンなどが有名です。
フランスでは、ブッシュ・ド・ノエル、ガレット・デ・ロワ、マカロンなどが人気です。
これらのお菓子には、それぞれに歴史や意味があり、クリスマスの雰囲気を盛り上げてくれます。
以下では、それぞれのお菓子の特徴や由来について詳しく説明します。
ドイツ
ドイツでは、クリスマスの時期になると、市場や店頭に色とりどりのお菓子が並びます。
中でも、代表的なお菓子は、以下の3つです。
- シュトーレン
- ヘクセンハウス
- レープクーヘン
シュトーレン
シュトーレンとは、ドライフルーツやナッツ、マジパンなどが入ったパンで、粉糖でコーティングされています。
キリストのおくるみを象徴すると言われています。
日持ちがするので、クリスマスまでに作っておいて、少しずつ食べるのが習慣です 。
シュトーレンの起源は、14世紀にさかのぼります。
当時は、バターやミルクなどの動物性の油脂を使うことが禁じられていたため、シュトーレンは硬くて味気ないものでした。
しかし、15世紀にザクセン選帝侯が教皇に特別な許可を得て、バターを使うことができるようになりました。
これが「バターの特権」と呼ばれるものです。
それ以来、シュトーレンはバターをたっぷりと使って、ふんわりとした食感になりました 。
シュトーレンは、ドレスデンという都市が発祥の地とされています。
毎年12月には、ドレスデンでシュトーレン祭りが開催され、巨大なシュトーレンがパレードされます 。
ヘクセンハウス
ヘクセンハウスとは、ジンジャーブレッドやクッキーで作ったおうちの形のお菓子で、お菓子の家とも呼ばれます。
グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」に登場する魔女の家が由来です。
色とりどりの飴やチョコレートで飾り付けします 。
ヘクセンハウスの起源は、16世紀にさかのぼります。
当時は、ペストや飢饉などの災害が多く、人々は魔女や悪魔の存在を恐れていました。
そのような中で、魔女の家を模したお菓子を作って、悪霊を追い払おうとしたと言われています。
また、ジンジャーブレッドは、消化を助けるという効能があると信じられていました。
ヘクセンハウスは、ドイツのニュルンベルクという都市が発祥の地とされています。
ニュルンベルクは、ジンジャーブレッドの名産地であり、クリスマスマーケットでは、さまざまな形や大きさのヘクセンハウスが売られています 。
レープクーヘン
レープクーヘンとは、シナモンやクローブなどのスパイスが効いたジンジャーブレッドで、人型や動物型、星型などに型抜きされています。
クリスマスツリーの飾りにもなります 。
レープクーヘンの起源は、13世紀にさかのぼります。
当時は、スパイスは貴重なものであり、裕福な人々だけが手に入れることができました。
そのため、レープクーヘンは、特別な日に食べる贅沢なお菓子として扱われていました。
また、レープクーヘンは、長期保存ができるという利点がありました。
レープクーヘンは、ドイツのアーヘンという都市が発祥の地とされています。
アーヘンは、シャルルマーニュの都として栄えた場所であり、スパイスの交易が盛んでした。
そのため、レープクーヘンの製法が伝わったと言われています 。
フランス
フランスでは、クリスマスの時期になると、華やかで美味しいお菓子がたくさん登場します。
中でも、代表的なお菓子は、以下の3つです。
- ブッシュ・ド・ノエル
- ガレット・デ・ロワ
- マカロン
ブッシュ・ド・ノエル
ブッシュ・ド・ノエルとは、切り株をイメージしたロールケーキで、生クリームやチョコレート、マロンクリームなどで作られます。
キリストの誕生日に合わせて、家族で切り分けて食べるのが習慣です 。
ブッシュ・ド・ノエルの起源は、19世紀にさかのぼります。
当時は、クリスマスの前夜に、家の暖炉に大きな丸太を入れて、一晩中燃やすという風習がありました。
これは、古代の冬至の祭りに由来するもので、丸太の火が消えるまでに願い事をするというものでした。
しかし、暖炉が小さくなったり、都市化が進んだりしたため、この風習は廃れていきました。
その代わりに、丸太の形をしたお菓子を作って、クリスマスの雰囲気を楽しむようになりました 。
ブッシュ・ド・ノエルは、フランスのパティシエのパリス・デュフォーが最初に考案したと言われています。
彼は、ロールケーキにチョコレートを塗って、切り株のように見せたものを、1840年に発表しました。
それ以来、ブッシュ・ド・ノエルは、フランスのクリスマスの定番のお菓子となりました 。
ガレット・デ・ロワ
ガレット・デ・ロワとは、1月6日の公現祭に食べる円形のパイで、アーモンドクリームやチョコレート、フルーツなどが入っています。
パイの中には、小さなフィギュアや豆が隠されており、それを引き当てた人は王様になれます 。
ガレット・デ・ロワの起源は、古代ローマのサトゥルナリアという祭りにさかのぼります。
この祭りでは、ケーキの中に豆が入っており、それを引き当てた人は、一日だけ奴隷から解放されて、主人に命令できるというものでした。
キリスト教が広まると、この祭りは公現祭に置き換えられました。
公現祭とは、東方の三博士がキリストの誕生を祝って贈り物をした日とされるものです。
そのため、ガレット・デ・ロワの中に隠されるフィギュアは、三博士の一人を表しています 。
ガレット・デ・ロワは、フランスの各地で異なる形や味で作られています。
北部では、パイ生地で作られることが多く、南部では、ブリオッシュ生地で作られることが多いです。
また、アーモンドクリームの代わりに、チョコレートやフルーツ、ココナッツなどを入れることもあります 。
マカロン
マカロンとは、卵白とアーモンドパウダーで作ったふわふわのクッキーで、2枚の間にクリームやジャムなどが挟まれています。
色や味はさまざまで、見た目も可愛らしいです 。
マカロンの起源は、イタリアにさかのぼります。
16世紀に、カトリーヌ・ド・メディシスがフランス王アンリ2世と結婚する際に、イタリアから持ち込んだと言われています。
当時のマカロンは、現在のものとは違って、一枚のクッキーでした。
17世紀に、修道女たちがマカロンを売って生活費を稼いだという話もあります 。
マカロンが現在の形になったのは、20世紀に入ってからです。
パリのパティスリーのラデュレが、2枚のマカロンの間にガナッシュを挟んだものを作ったとされています。
それ以来、マカロンは、フランスの高級なお菓子として人気が高まりました 。
クリスマスのお菓子の歴史
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クリスマスのお菓子の歴史は、古代から現代まで、さまざまな文化や宗教の影響を受けてきました。
クリスマスのお菓子の起源は、キリスト教以前の冬至の祭りにさかのぼります。
クリスマスのお菓子がヨーロッパに広まった経緯は、中世から近世にかけての交易や移民、宗教改革などの社会的な変動に関係しています。
以下では、それぞれの歴史について詳しく説明します。
クリスマスのお菓子の起源
クリスマスのお菓子の起源は、キリスト教以前の冬至の祭りにさかのぼります。
冬至とは、一年で最も昼が短く、夜が長い日のことです。
古代の人々は、この日を太陽の再生の日として祝っていました。
そのため、火や光を使った儀式や、豊穣や繁栄を願って食べ物を捧げることが行われていました 。
クリスマスのお菓子の中でも、特に古い歴史を持つものは、シュトーレンやクリスマスプディングなどのパンやケーキです。
これらのお菓子は、古代ローマやギリシャ、エジプトなどの文明で、穀物や果物、ナッツなどを混ぜて焼いたものが起源とされています。
これらのお菓子は、神々に捧げる供物として使われたり、祭りの参加者に分け与えられたりしていました 。
クリスマスのお菓子の中には、動物の形をしたものもあります。
これは、古代の人々が、動物を狩って食べることで、その力や精気を得ると信じていたことに由来しています。
動物の形をしたお菓子は、動物の代わりに食べることで、同じ効果が得られると考えられていました。
また、動物は、神々の使いや象徴としても崇められていました 。
クリスマスのお菓子がヨーロッパに広まった経緯
クリスマスのお菓子がヨーロッパに広まった経緯は、中世から近世にかけての交易や移民、宗教改革などの社会的な変動に関係しています。
中世には、十字軍や商人によって、中東やアジアからさまざまなスパイスや果物がヨーロッパにもたらされました。
これらの食材は、クリスマスのお菓子にも使われるようになりました。
例えば、シナモンやクローブは、レープクーヘンやヘクセンハウスに使われます。
レーズンやオレンジピールは、シュトーレンやクリスマスプディングに使われます 。
近世には、ヨーロッパからアメリカやアフリカに移民が増えました。
これによって、新しい食材や文化がヨーロッパにもたらされました。
例えば、チョコレートやバニラは、ブッシュ・ド・ノエルやマカロンに使われます。
トルコやギリシャからは、マジパンやパネトーネが伝わりました 。
また、近世には、宗教改革が起こりました。
これは、カトリック教会に対する批判や反発が高まり、プロテスタントと呼ばれる新しい教派が生まれたことを指します。
宗教改革は、クリスマスのお菓子にも影響を与えました。
例えば、プロテスタントの国では、クリスマスのお菓子を作ることが禁止されたり、簡素化されたりしました。
一方、カトリックの国では、クリスマスのお菓子を作ることが奨励されたり、豪華化されたりしました 。
クリスマスケーキの由来と意味
クリスマスケーキとは、クリームやイチゴのデコレーションケーキで、日本でクリスマスに食べることが一般的なお菓子です。
クリスマスケーキの由来と意味は、日本独自のものであり、キリスト教とはあまり関係がありません 。
クリスマスケーキの起源は、明治時代にさかのぼります。
当時は、洋菓子が珍しく、高級なものとして扱われていました。
そのため、洋菓子を食べることは、西洋文化に憧れることを表していました。
また、クリスマスは、恋人たちのイベントとして認識されていました。
そのため、クリスマスケーキは、恋人たちが贈り合うものとして流行しました 。
クリスマスケーキの意味は、色や形に表されています。白いクリームは、純潔や清らかさを象徴しています。
赤いイチゴは、愛や情熱を象徴しています。
円形のケーキは、永遠や完全を象徴しています。
また、ケーキの上には、サンタクロースやツリーなどのクリスマスの飾りが置かれることもあります 。
クリスマスの伝統のお菓子のおかしのまとめ
クリスマスの伝統のお菓子について、以下のことを学びました。
ドイツとフランスには、クリスマスの伝統のお菓子が多くあります。
ドイツでは、シュトーレン、ヘクセンハウス、レープクーヘンなどが有名です。
フランスでは、ブッシュ・ド・ノエル、ガレット・デ・ロワ、マカロンなどが人気です。
これらのお菓子には、それぞれに歴史や意味があり、クリスマスの雰囲気を盛り上げてくれます。
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