今年こそ「エアコンの設定温度」「電気代節約術」を見直そう

円安や原油価格の高騰、ウクライナ情勢などの影響で電気代の高騰が続いています。資源エネルギー庁によると、夏の14時ごろの一般家庭における消費電力はエアコンが最大で、全体の約6割を占めています。エアコンの使い方を見直すことで、少しでも節約したいですね。

しかし、自己流の電気代節約術は熱中症の原因になったり、かえって電気代が高くなったりすることもあります。節約のつもりが逆効果になっていないか、見直してみましょう。

エアコンの設定温度と電気代

エアコンは、室温を調整するために室内と室外の空気を循環させます。室内と室外の温度差が大きければ大きいほど、多くのエネルギーが必要になるため電気代が高くなります。

一般的に室温と設定温度の差が1℃小さくなるごとに消費電力を約10%節約できると言われています。エアコンの設定温度を1℃上げると、冷房効果は少し下がりますが、快適さを保ちつつ消費電力を減らすことができます。

ちなみに、クールビズの目安としてよく耳にする「室温28度」とは「室内の温度」で、エアコンの設定温度ではありません。熱中症を予防するためにも、体調を考慮して無理のない温度に設定しましょう。

実は間違いだらけ?「エアコンの電気代節約アイデア」

エアコンの電気代を節約するために、こんな取り組みをしていませんか?

「風量は弱に設定」「短時間の外出でも電源オフ」「冷風を感じやすいよう風向きは下向き」「直射日光を防ぐため室外機全体にカバーをかける」

上記の「節約アイデア」は実際には逆効果で、かえって電気代が高くなってしまうといわれています。では、どうすれば節約できるのでしょうか。

エアコンの風量は自動運転

エアコンの風量は「自動」に設定しましょう。エアコンが最も電力を消費するのは、稼働してから設定温度に至るまでの間です。風量が少ないと節電しているような気がしますが、設定温度に達するまで時間がかかるため電気代が高くなります。自動運転では、設定温度になるまで強運転、その後は弱運転に切り替わるなど効率よく室温を保ちます。

30分以内の外出は「エアコンつけたまま」

ちょっとそこまで出かけるとき、エアコンの電源を切るべきか迷ってしまいますね。30分以内の外出では、エアコンをつけたままの方が、こまめにオンオフするより節電になります。

エアコンの消費電力は、電源を入れた直後が最も大きいため、こまめに電源をオンオフすると室温が大きく変化して消費電力が大きくなります。

ちなみに、真夏に高温の室内に帰宅したときは、一度窓を開けて室内の熱気を外に追い出してからエアコンを使用しましょう。室温が高いままエアコンをつけると、設定温度まで下げるのに時間がかかり、電気代も高くなります。

メーカーの実験によると、窓を開けて換気する時も、つけたままの方が電気代の節約になるという結果だったそうです。

エアコンの風向きは水平

温かい空気は軽いので上に流れ、冷たい空気は重いので下にたまります。そのため、夏はエアコンの風向きを水平にしましょう。エアコンからの冷たい空気が部屋の中で循環し、「足元は冷たいけれど頭の周りの空気は熱い」といった不快感を和らげて、部屋の空気をまんべんなく冷やします。

エアコン室外機の周りをふさがない 

室外機は、室内の熱を外に放出します。カバーをかけたり周辺に物を置いたりせず、室外機周辺の風の流れを妨げないようにしましょう。室外機全体にカバーをかけると、熱を効率的に逃がせないためエアコンの運転効率が下がり、消費電力と電気代が上がってしまいます。

直射日光で室外機が高温になる場合は、室外機から1メートルほど離れたところに風通しのよい「よしず」などを立て掛けるのも効果的です。

エアコンの電気代節約、こんな方法も!

サーキュレーターや扇風機を併用

エアコンからの冷たい空気は部屋の下側にたまるので、サーキュレーターや扇風機で部屋の空気を循環させると、部屋の温度を効率よく調整できます。

 

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フィルターの掃除

エアコンのフィルターにホコリがたまっていると、室内機が吸い込める空気の量が減少して室温が下がるまでに時間がかかり、消費電力が大きくなります。フィルターを外してホコリを掃除機で吸い取ると、節約に繋がります。

資源エネルギー庁によると、2週間に1度フィルターを清掃することで年間約990円の節約になり、15.6kg のCO2が削減できます。

部屋の断熱効果を高める

窓ガラスやアルミ製のサッシは熱を通しやすく、室内の冷気が室外へ逃げやすくなります。「窓やドアの隙間を遮断」「断熱性の高いカーテンやブラインドを利用」「窓に断熱シートを貼る」など、部屋の断熱効果を高めることも、エアコンの電気代節約につながります。カーテンのように窓にかけられるタイプの断熱シートもあります

まとめ

一般的に室温と設定温度の差が1℃小さくなるごとに消費電力は約10%節約できるといわれています。この場合の室温とは「室内の温度」で、エアコンの設定温度ではありません。熱中症予防のためにも、設定温度の調整は体調を考慮して無理のない範囲で行いましょう。

エアコンは電力消費が大きく、節約効果の出やすい家電です。「設定温度の見直し」「自動運転」「風向きを水平にする」「30分以内の外出はエアコンをつけたまま」「室外機周辺をふさがず、風の流れを妨げない」などの対策で、今年こそ電気代を節約したいですね。

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