七夕行事の目的や由来とは?有名な七夕の食べ物もご紹介!

七夕(たなばた)と言えば、毎年7月7日に行われる伝統的な行事ですね。

幼稚園や小学校で短冊に願い事を書いたり、七夕飾りを作った経験がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、七夕の正確な意味や由来、食べ物などについてはあまり知られていないこともあるようです。

今回の記事では、七夕行事の由来や目的、有名な食べ物についてご紹介していきます!

七夕行事の目的や由来:七夕とは?

そもそも七夕とは何なのでしょうか?

また、なぜ『七夕』と書いて「たなばた」と読むのかも気になりますよね。

まずはこのあたりから解説していきたいと思います。

七夕は五節句の一つ

実は七夕は『五節句(ごせっく)』の中の一つにあたります。

五節句とは、

・人日(じんじつ)の節句、1月7日
・上巳(じょうし)の節句、3月3日
・端午(たんご)の節句、5月5日
・七夕(しちせき)の節句、7月7日
・重陽(ちょうよう)の節句、9日9日

のことで、季節の節目に行われる行事のことを指します。

5月5日の端午の節句はこどもの日として馴染み深いですよね。

日本では、3月3日の上巳の節句を『桃の節句』、7月7日の七夕の節句を『笹の節句』と呼んだりもします。

ただし、昔の日本では旧暦が使われており、現在のカレンダーの日付は一か月早くなっています。

そのため、例えば旧暦7月7日の七夕の節句は、現在でいう8月7日に行われていました(現在も旧暦通りに行事を行う地域やイベントもあります)。

これらは元々、唐の時代(618~907年)の中国にあった制度に由来し、日本へは奈良時代(710~794年)に伝わってきました。

中国では古くから、陰陽五行思想に基づいて季節の節目となる日を定め、五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄などを祈り、神様にお供え物をしたり、邪気を祓う儀式などが行われてきました。

陰陽五行思想では、奇数は陽で縁起が良いとされ(偶数はその逆)、奇数が重なって偶数となる危うい日に厄祓いの行事が行われることになったそうです。

五節句が伝わった後の日本では、この日に季節の旬の食べ物をいただき、邪気を祓う生命力を得る行事になっていきました。

中国の神話にも登場する織姫と彦星

七夕と言えば、有名な織姫と彦星のお話がありますが、これも元々は中国の神話に由来します。

中国では古くから、機織りが上手で働き者の織女(しょくじょ、織姫のこと)と、牛飼いの牛郎(ぎゅうろう、彦星のこと)の年に一度の逢瀬を祝うお祭り『乞巧奠(きっこうでん)』が大々的に催されてきており、中国版のバレンタインデーと呼ばれたりしています。

乞巧奠とは中国語で「技芸の上達を望むお祭り」という意味で、中国の女性たちは機織りの名人であった織女のように、細やかな心と器用な手先を得て、良縁を得られるように祈るそうです。

奈良時代にこれが日本に伝わると、当時の貴族は庭に祭壇を設けて供え物をしたり、7本の針に5色の糸を通して裁縫の上達を祈ったりしていました。

七夕行事の目的や由来:「たなばた」の語源は?

五節句の七夕は「しちせき」と読みます。

ではなぜ「七夕」と書いて「たなばた」と読むようになったのでしょう?

これにはいくつかの説がありますので、ご紹介いたしますね。

種播祭り(たなばたまつり)説

「種播」とは、種をまくという意味です。

五節句や乞巧奠が日本に伝わった当初は、それらの行事は宮中でのみ行われるものでしたが、平安時代より後になってそれが民間にも広まっていきます。

その際、日本の農村地域に古くからあった『種播祭り(たなばたまつり)』と呼ばれる、豊作祈願の行事が七夕と混同していった、という説があります。

棚機つ女(たなばたつめ)説

「棚機つ女」とは、着物を織る乙女という意味です。

古来から日本では、神様に捧げる高貴な布である『神御衣(かんみそ)』を織りあげる女性のことを『棚機つ女(たなばたつめ)』と呼んでいました。

中国から伝わった神話の織女がこのイメージに一致するため、七夕=たなばたと呼ばれるようになったという説もあります。

種物(たなつもの)・機物(はたつもの)説

「種物」は穀物、「機物」は織り物のことを指します。

江戸時代の文献には、牽牛星(彦星、アルタイル)と織女星(織姫星、ベガ)がそれぞれ耕作と蚕織を司る星であるため、それにちなんだ種物(たなつもの)・機物(はたつもの)という言葉が「たなばた」の由来になったと書かれています。

先の『種播説』と『棚機説』を合わせたような説ですね。

言葉の成り立ち一つから、昔の生活風景が浮かんでくるのが面白いです。

七夕行事の目的や由来:代表的な七夕の食べ物

日本では五節句の時期に、旬の野菜や縁起の良い食べ物をいただく習慣があります。

全国的に有名な食べ物もあれば、一部の地域だけで食べられる物もあったり、また別の物を代わりに食べる地域も存在します。

ここでは、有名な七夕の行事食をご紹介していきますね。

そうめん

「七夕にそうめん」と聞いてピンと来ない方もおられるかもしれませんが、東北地方や北海道では、昔から七夕にそうめんを食べる風習があります。

東北地方には、七夕にちなんだお祭りで有名な『仙台七夕まつり』や『青森ねぶた祭り』などもあり、七夕と縁が深い印象がありますね。

また、そうめんの原料である小麦粉は、江戸時代までは生産量が少なく貴重品であったため、民間でそうめんを口にできる地域は限られていたのかもしれません。

ちなみに、長野県ではそうめんの代わりに平たい麺の「ほうとう」を食べる風習があるそうです。

ちらし寿司

日本には、お祝い事の際にちらし寿司を食べる習慣がありますよね。

七夕にも同じように、ちらし寿司が振舞われる地域はたくさんあります。

実は、ちらし寿司に使われる具材には、一つ一つに意味があります。

鮮やかな赤い人参はめでたさと慶事を表し、土に根を張るごぼうは丈夫な身体、豆類はマメに働くための健康、穴が開いている蓮根は見通しの良さ、ひげが長く腰が曲がった海老は長寿、沢山のイクラは子孫繁栄・・・といった具合に、お祝いや幸福を願う気持ちが込められているのです。

お正月のおせち料理に縁起の良い食べ物が使われるのは有名ですが、ちらし寿司も同じなのですね。

オクラ

オクラはビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富で、健康食材としても知られる緑黄色野菜です。

輪切りにした時の切り口が星の形に見えるため、七夕にはオクラを使った料理もよく作られます。

そうめんや汁物の具として入れたり、カレーやサラダ、卵焼きの具材など、様々な料理のアクセントとしても良いですね。

笹・竹・筍

七夕行事には笹竹が用いられることから、竹や筍を使った料理も各地で作られます。

竹を使った流しそうめんは風情があって七夕にぴったりですし、竹の筒を使って炊き込みご飯やお酒を作ると、竹のエキスが染みてとても美味しく出来上がります。

また、筍を使ったお吸い物や炊き込みご飯もよく振舞われますね。

金平糖

金平糖は、江戸時代にポルトガルから伝わった砂糖菓子です。

色とりどりの星が輝いているように見える金平糖も、七夕には全国でよく食べ親しまれています。

ちなみに金平糖の語源はポルトガル語の「Confeito(コンフェイトー)」であると言われています。

七夕行事の目的や由来:まとめ

いかがだったでしょうか?

七夕祭りは元々海外の文化だと知らなかった方もおられたのではないでしょうか。

また海外から伝わったものが、長い歴史の中で別の文化と融合したり、独自の進化を遂げたりしている所も面白いです。

何気なく触れてきた文化の由来や意味を深く知ることで、お祭り事などの楽しみ方も増えていきそうですね。

今回は、七夕行事の由来や食べ物についてご紹介させていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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