お中元の上手な断り方!電話での伝え方や断り状の文例をご紹介

夏になると知り合いや取引先から贈られてくるお中元。

一般にお中元とは、お世話になった方への感謝を表す贈答の慣習です。

しかし、近年は虚礼廃止といって、企業間でお中元やお歳暮の儀礼的なやり取りをやめることが多くなっていたり、個人でもやり取りをしたくないという人が少なくありません。

また、

・疎遠にもかかわらず、もはや慣例として送っているだけになっている
・費用や体力の面で贈答品のやり取りが負担
・会社や家の方針で禁止されている
・受け取っていた本人が他界した
・公職についているため受け取ることができない

といった、様々な理由からお中元を断りたい場合もあるでしょう。

今回は、お中元の上手な断り方をマナーや文例を交えてご紹介いたします。

ぜひ参考にしてみて下さいね。

お中元の上手な断り方:基本のマナー

お中元を断ること自体は、失礼なことではありません。

こちらがもらっても嬉しくない、あるいは迷惑に感じる相手からのお中元は辞退しましょう。

しかし、労力をかけてお中元を贈ってくれた方に対して、失礼のない方法で断りたいものです。

ここでは、お中元を断る際の基本マナーについて解説していきますね。

電話か手紙で伝える

一般的に、お中元が届いたらすぐにお礼の電話をするか、お礼状を送るのがマナーになっています。

お中元を辞退したい時は、このお礼をするタイミングで一緒に伝えると良いでしょう。

電話をする時は、相手にとって都合が良い曜日や時間帯を考えて下さいね。

感謝とともに伝える

お中元の辞退を伝える時に最も大切なのは、まず贈ってもらったことに感謝をすることです。

特に、お断りのメッセージをこれから伝えるわけですから、より丁寧な言葉で感謝の気持ちを伝える必要があるでしょう。

ただ「もう送ってこなくていいです」とだけ言ってしまうと、せっかく品物を買ってまでお中元をした相手の労力が浮かばれませんし、関係を壊すことになってしまいます。

そうならないためにも、まずは「先日はお中元を贈っていただき、ありがとうございました」と、感謝の言葉から始めることを忘れないで下さいね。

お中元の上手な断り方:具体的な例

お中元を辞退する意思を伝える時のポイントは、基本的に電話でも文章でも変わりません。

伝える内容は主に、

・贈ってもらったことへの感謝
・品物に対する自分や周囲の感想
・今後は気遣い不要であることやその理由
・付き合い自体をやめたいわけではないこと

といったことを軸に考えましょう。

これを丁寧な言葉を使って表現することで、角が立つことなく辞退の意思が伝わるはずです。

ここでは、電話での具体的なやり取りや、お礼状や断り状の文例をご紹介いたします。

電話の例

お礼の電話の中で、次回からお中元を辞退する意思を伝える方法です。

相手の意思をその場で確認できるので、より確実な方法と言えるでしょう。

電話でお礼をする場合は、品物が届いたらなるべく早くかけて下さいね。

以下に、具体的なやりとりの例を挙げてみます。

自分「もしもし、〇〇様でしょうか?」
相手「はい、〇〇です」
自分「先日はお中元をいただきまして、どうもありがとうございました」
相手「ああ、届きましたか。良かったです」
自分「はい。素敵な品物をいただきましてありがとうございます。うちの家族(社員)も大変喜んでおりました」
相手「いえいえ、お気になさらないで下さい、喜んでいただけて何よりです」
自分「ええ。でも実は、家(会社)の方針で季節のご挨拶の品は遠慮させていただいておりまして。今後はどうかお気遣いなさいませんようにお願いいたします。ご理解いただけますと大変助かります」
相手「そうでしたか。分かりました」
自分「ありがとうございます。またお会いできる日を楽しみにしております」
相手「ええ、こちらこそ。またお会いしましょう」

お礼状の例

口頭よりも文章の方が伝えやすいのであれば、お礼状に辞退したい旨を書いて出す方法もあります。

お礼状を出す場合は、品物が届いて3日以内には出しましょう。

以下にお礼状の文章の例を挙げてみます。

拝啓

暑さ厳しき折、〇〇様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで、私どもはいたって元気で過ごしております。

さて、このたびは心のこもった御中元の品をいただき、誠にありがとうございました。
日頃から何かとお気にかけていただき、温かなお心遣いに感謝申し上げます。
私どもの方こそ、日頃ご無沙汰ばかりで何のお役にも立てず、恐縮しております。
どうか今後はこのようなお気遣いをなさいませんように、お願い申し上げます。
せっかくのお心遣いに対し、大変堅苦しいことを申しますようで心苦しい限りではございますが、今後とも末永くお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

猛暑の折、どうかお体を大切になさって下さい。
略儀ながらお礼とお願いを申し上げます。

敬具

令和◦年◦月◦日

上記は、友達というほど親密な間柄ではなく、それなりに礼儀が必要な相手に向けた、一般的なお礼状の文章になります。

相手が親しい間柄であれば、話し言葉のような文章でも問題なく、「拝啓」や「敬具」といった結びの言葉も必要ありません。

逆に、ビジネス関係の相手や、より丁寧な表現をしたい相手の場合は「謹啓」や「敬白」という結びの言葉を使うこともあります。

断り状の例

断り状とは、お返しの品に添えて出す手紙のことです。

お中元のやりとりを今回だけにしたい場合、表書きを「感謝」や「お礼」とした上で、断り状を添えて贈ります。

断り状の内容は、基本的にお礼状と同じです。

ただし、辞退の意を伝えていたにもかかわらず、再びお中元が贈られてきて、品物を返送したい場合があります。

その場合は、品物の包装を開けずに断り状を添えて、上から新たに包装をして返送します。

その際に書く、断り状の文章の例を以下に挙げてみます。

拝啓

盛夏の候、ますますご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。
この度は、お心尽くしのお中元の品をお贈りいただき、ありがとうございます。

ご厚意を頂きながら心苦しいのですが、ご贈答は辞退させていただいております。
なにとぞ、ご理解のほど宜しくお願いします。

いただきました品はお気持ちだけ頂戴しまして、はなはだ失礼とは存じますが、ご返送させていただきました。

今後はどうかお気遣いをなされませぬように、お願い申し上げます。
誠に勝手なことでありますが、どうかお気を悪くなさらないでくださいませ。

まずは、お礼かたがたお詫び申し上げます。

敬具

お中元の上手な断り方:相手にお中元を断られたら?

もし、こちらが贈ったお中元を相手が断ってきた場合は、今後の付き合いを考えて「お詫び状」を出しておくのが良いでしょう。

相手は辞退したことを申し訳なく思っているはずなので、文面には

「心なくお贈りしてしまい、申し訳ございませんでした。」
「かえってご負担になったようで心苦しい限りです。心よりお詫び申し上げます。」

といった、相手の気持ちをフォローしたり、こちらの無配慮を詫びる言葉を入れましょう。

お中元の上手な断り方:まとめ

いかがだったでしょうか?

近年は減ってきつつあるとも言われるお中元。

多忙な生活の中で、贈答品のやり取りをする労力は結構なものです。

贈り物を断る際は、せめて言葉や文章で丁寧な対応をしておきたいですね。

今回は、お中元の上手な断り方やマナーについて解説させていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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