お正月の風物詩である正月飾り。
門松やしめ飾り、鏡餅など毎年準備されている方も多いかと思います。
そんな正月飾りですが、飾りを外す日にちやマナーについてはご存知でしょうか。
今回は、正月飾りを外す具体的な日にちや外す意味、処分する際のマナーや手順について焦点を当てて解説していきたいと思います。
正月飾りを外す日程について
まずは正月飾りはいつ外すのがよいのでしょうか?
門松、しめ飾りと鏡餅では片づける日程が異なるのでそれぞれ分けてご説明いたします。
門松としめ飾りを外す日
門松やしめ飾りは、歳神様がお帰りになる松の内の終わりとともに外すのが一般的となっています。
歳神様とは、元旦の初日の出とともに高い山から一年の福徳を持って家々に訪れ、その家に新年の幸せをもたらす神様とされています。
松の内は、歳神様が訪れる正月からお帰りになるまでの期間で、その日にちは各地域によって異なります。
地域別の松の内の期間は以下のような日程になります。
関東、九州、東北、北海道 1月1日~1月7日まで
関西、四国、東北の一部 1月1日~1月15日まで
なので、関東、九州、東北、北海道では1月7日、関西、四国、東北の一部については1月15日に外すようにしましょう。
東北についてはおおむねは1月7日を松の内の終わりとすることが多いのですが、一部地域では1月の15日を終わりとする場所もあるので注意してください。
松の内も今日まで。
関東では今日しめ縄・しめ飾りを外す日なんですよね…
※毎年自信がなくて検索して調べているという…
※鏡開きは11日みたいですよー pic.twitter.com/KW1d6CiL47— あみ@写真整理とお片づけ&クリンネスト フリーランス26年~アラカン始めました! (@c_ami_no) January 7, 2022
始まる日は同じですが、終わる日にちが関西や四国はそのほかの地域に比べて8日間長いことが分かります。
なぜ地域によって異なるのか
現在は地域によって終わりが異なる松の内ですが、実は昔は統一されたものでした。
江戸時代初期までの松の内の期間は、全国一律で1月1日~1月15日までと定められていました。
また当時は鏡開きに関しても1月20日と統一されていたのですが、1651年4月20日に三代目将軍である徳川家光が亡くなったことにより、20日が忌日になってしまうので、鏡開きが前倒しで1月11日になり、それに伴う形で関東を中心に松の内も1月7日までに変更されたと言われています。
この際に変更された松の内の期間が関西方面へと根付かなかったのは当時の通信手段の少なさが原因であるとされています。
関東地方で出された松の内の期間変更の通達は、遠く離れた地域までは上手く伝わらず、関西や四国、東北の一部地域ではそのまま松の内の期間が変わることはなかったのです。
鏡餅を開く日
続いては鏡餅を開く日について見ていきましょう。
鏡餅は鏡開きの日まで飾り、当日が来たらお餅を食べて片付けるというのが一般的になっています。
そんな鏡開きの日も地域によって、以下のような違いが存在しています。
京都、その近隣の一部地域 1月4日
関東、九州、東北、北海道 1月11日
関西、四国 1月15日もしくは1月20日
地域によってかなり違いがあることがわかります。
関東方面の1月11日と関西方面の11月15日の違いの理由については、先ほどの章で説明させていただいた徳川家光の件が鏡開きの日にちにも関係しています。
京都はなぜ4日?
京都では松の内の間であっても、三が日が明けた4日に鏡開きを行うというのが古くからの風習として伝わっています。
昔の京都ではお正月は三が日だけだと考えられていた背景があり、翌日の4日に鏡開きを行っていたそうです。
4日と聞くとかなり早く感じますが、お餅が固くなってしまう前に食べることができるので、良いかもしれませんね。
関西と四国に2つの日にちがある理由
関西と四国の鏡開きでは、1月15日もしくは1月20日と2つの日にちが存在していますが、これは徳川家光が亡くなる以前に行われていた鏡開きの日を指しています。
かつては全国的に松の内が1月15日までで、鏡開きは15日か20日に行うというのが一般的に広まっていました。
先ほどお話しした正月飾りを外す日の地域差と同じように、鏡開きの日も関東を中心に1月11日へと変更されましたが、新しい日にちが浸透するのに地域差があり、関西や四国では元々の習慣が生き残っていったというわけです。
なぜ正月飾りを外すのか
ここでは正月飾りを外す理由について解説いたします。
理由はとてもシンプルなもので、歳神様が山へと帰られるからです。
そもそも正月飾りは歳神様をお迎えするために飾るものです。
具体的な意味としては、門松は歳神様に自分の家を知らせる目印として、しめ飾りは家の中が清浄であると示すため、鏡餅は滞在中の歳神様の依り代としての役割があります。
松の内の終わりをもって歳神様は帰られるので、お迎えするために飾ったそれらの正月飾りも外すのが自然であるということです。
ただし、鏡餅に関しては鏡開きの日まで飾っておきましょう。
鏡開きは、お正月に歳神様が滞在していた依り代であるお餅を食すことで、霊力を分けてもらい1年間の良運を願うために行われます。
また、鏡餅を開くことによって、お正月に一区切りをつけるといった意味合いもあります。
外した後のマナーや手順について
ここでは、外した正月飾りはどのように扱えばいいのか見ていきましょう。
基本的に正月飾りは毎年新しいものを飾ることが望ましいとされています。
理由としては、一度使用した古い神具には歳神様は宿らないとされていることや、神様は清浄を第一とする考えがあるので昨年と同じ正月飾りを使用するのは失礼に当たるとされていること等が挙げられます。
なので、外した後の正月飾りについてはマナーや手順にしたがって処分することがオススメです。
外した後の正月飾りの取り扱いとしては、大きく分けると以下の4つなります。
①どんど焼き
どんど焼きとは、飾り終えた門松やしめ飾りといった正月飾りを寺や神社などで燃やす、日本の伝統的な火祭り行事になります。
正月飾りなどを燃やした煙とともに歳神様を見送る「送り火」のような意味が込められており、また縁起物を燃やすことで五穀豊穣や商売繫盛、無病息災などを願う火祭りの一つとされています。
一般的に1月15日に行われますが、平日にあたる場合は土日にずらしたり、節分の時期に行われたりと地域によって違いがあるので注意しましょう。
どんど焼きのマナーとしては、プラスチックやガラス類、ビニール、金属類、化学繊維などの燃やせないものは持ち込まないようにしましょう。
また破魔矢やお札、お守りといったお祓いが必要なものも燃やすことはできません。
今年は🌂小雨混じりの
🌲どんど焼き🌲
🙏無病息災無病息災🙏
願い込めてからのぉ〜
あったかい🍜おうどんからのぉ〜
獅子舞に頭ガブリッとな😊 pic.twitter.com/VjBiVW08kG— まきの鯉人 (@KsWFWPlFOs7fozk) January 20, 2024
②神社のお焚き上げサービスを利用する
どんど焼きに参加できなかった場合でも、神社のお焚き上げサービスを利用することで、神社で正月飾りを処分することができます。
こちらのサービスは、佐賀県鹿島市になる裕徳稲荷神社が行っている郵送でのお焚き上げサービスで、全国から正月飾りなどの供養お焚き上げをしてもらえます。
具体的な手順としては以下の通りになります。
①公式サイトより「お焚き上げキット」を購入する。
②キットが自宅に届くので、それに正月飾りを入れて神社に送る。
③神社で供養、お焚き上げが行われる。
④お焚き上げが完了すると、メールにて「お焚き上げ証明書」と「ご祈祷動画」が届く。
サイズに合わせた専用のキット(封筒や箱)に入れて、神社に送るだけなので簡単に正月飾りを神社で処分してもらうことができます。
また、多くの神社やお寺では不燃物のお焚き上げは受け付けていない所がほとんどですが、「神社のお焚き上げ」サービスでは不燃物も受け付けているので、プラスチックや金属類が装飾に使用されている正月飾りでも取り外す必要がなくそのまま送ることができます。
通年で郵送のお焚き上げを受け付けているので、忙しくて正月シーズンに処分できなかった方も神社で適切に処分することができるのも嬉しいポイントです。
③燃えるゴミとして処分する
ご家庭で正月飾りの処分を考えている場合は、燃えるゴミとして処分する方法もあります。
門松やしめ飾りは基本的に燃えるゴミとして処分することができますが、自身で処分を行う際は下記のようなお清めの手順を行ってから処分するのがオススメです。
①処分する正月飾りを白い布や新聞紙の上に置きます。
②全体的に塩を振るか、正月飾りの右、真ん中、左に塩を置きます。
③広げていた白い布や新聞紙で正月飾りをくるみます。
④ほかのゴミとは混ぜずに、新しいゴミ袋に入れて燃えるゴミとして処分します。
塩でお清めを行ってから、ほかのゴミとは区別して単体でゴミ袋に入れるのがポイントです。
また正月飾りの大半は燃えるゴミとして処分することができますが、中にはプラスチックや針金といった燃えないゴミが装飾として使われている場合もあるので、その際はしっかりと分別を行った上で処分しましょう。
④不用品回収業者に依頼する
正月飾りの処分は不用品回収業者に依頼することもできます。
大きな門松を処分したいという場合でもそのままの形で依頼できたり、その他の正月飾りもまとめて処分できるパックプランなどを提供している業者も多くあります。
不用品回収業者は基本的に不用品の種類や分別、大きさに関わらず何でも処分を請け負ってくれるので、年末年始の大掃除で不要になった物等も一緒に回収してもらうのも良いかもしれません。
不用品回収業者に頼む1番のメリットは、自宅まで引き取りに来てくれるため、自身で運搬や配送といった労力を一切かけずに済むことです。
お正月シーズンは何かと忙しく、正月飾りの処分まで手が回らないという方でも簡単に依頼することができます。
まとめ
まとめになります。
今回は【正月飾りを外す日はいつ?外す理由や処分のマナーについて】ということで、正月飾りを外す日や理由、外した後の処分までの手順について解説いたしました。
正月飾り(門松やしめ飾り)を外す日については地域差があり、
関東、九州、東北、北海道では1月7日
関西、四国、東北の一部については1月15日
でしたね。
鏡開きの日については、
京都、その近隣の一部地域では1月4日
関東、九州、東北、北海道で1月11日
関西、四国については1月15日もしくは1月20日
となっていました。
正月飾りを外す理由や鏡餅を開ける理由については、歳神様の存在が大きく関係していました。
また、外した後の処分については、どんど焼きや郵送でのお焚き上げサービス、家庭での燃えるゴミとしての処分や不用品回収業者に依頼するといった方法があるので、ぜひ参考にしてみてください。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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