鏡開きをする意味は?2025年の日程やNG行為について

お正月の食べ物といえばおせちやお雑煮、七草粥など代表的なものがいくつもありますが、鏡餅も多くの方が口にするかと思います。

鏡開きの日に鏡餅を食べるという文化が日本にはありますが、一体どんな意味があって行っているのでしょうか?

また2025年の日程や鏡開きの日を逃してしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

今回はそんな鏡開きについて深掘りしてご紹介していきたいと思います。

鏡開きをする理由とは

ここでは鏡開きを行う理由について解説いたします。

理由や意味をしっかり知るために、まずは鏡開きはなぜ生まれたのか?その由来から見ていきましょう。

鏡開きの由来

鏡開きの由来は、室町時代や江戸時代における武家社会の中で行われていた「具足開き」にあるとされています。

武家社会では、床の間に飾られていた具足と呼ばれる武具や甲冑にお正月の鏡餅をお供えする「具足餅」という風習が存在しました。

お正月が明けた後にその「具足餅」を下げて、武運を祈願しながら木槌で割って食べる行事が「具足開き」でした。

江戸時代以降この風習が武家だけではなく、一般庶民の間へと広まっていき、現代のような神棚に飾ってから食べるという風習が定着していったのです。

鏡開きはなぜ行うのか

由来について分かったところで、鏡開きを行う理由を見ていきましょう。

縁起的な意味

鏡開きという言葉には名前にも縁起的な意味があり、「鏡」は円満を、「開く」という言葉は末広がりを意味しています。

なぜ鏡という言葉が使われているかというと、丸い鏡餅が昔の銅鏡と似た形をしているためです。

開くという言葉に関しては、鏡開きは鏡割りとも言いますが、「割る」という言葉は縁起が悪いので、末広がりの意味を持つ「開く」という言葉が広く使われるようになりました。

鏡+開きで、円満がずっと続いていくようにという願いが込められているのです。

また、鏡開きには鏡餅で行うものと酒樽で行うものの2種類があります。

新年のテレビ番組やイベントなどで、大きな樽を木槌で割るシーンを見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

酒樽の鏡開きでは、清酒の蓋を木槌で叩いて割ることによって、新年の新たな出発や区切りに際して健康や幸福を祈願し、その成就を願うというものになります。

神様をお送りする意味

鏡開きには神様をお送りする意味もあります。

お正月には歳神様という神様が現世へと降りてくるとされています。

歳神様は特定の宗教の神様ではなく、その年の福や徳を司る歳徳神や穀物の神、先祖の霊などの複数の神様が1つにまとめられた民間信仰として伝わっていったものです。

そして鏡餅はそんな歳神様が現世に降りてきた際に宿る依り代としての役割があります。

お正月の終わりに鏡開きを行うことによって歳神様をお送りして、お正月に一区切りをつけるといった意味もあるのです。

鏡餅の形や装飾の意味

鏡開きに使用される鏡餅ですが、このお餅の形や装飾にも様々な意味が込められています。

・2段の丸餅

2段に重ねられたお餅は太陽と月を表しており、福が重なっていくことを表しています。

・橙

橙は鏡餅の上に乗っている小さなミカンのようなものです。見た目がよく似ていますが、実はミカンとは別のもので橙というミカン科ミカン属の植物になります。

この橙には、家が「代々」栄えるようにという意味が込められています。

・ユズリハ

ユズリハは漢字で譲葉と表記され、新しい若葉が生えそろってから古い葉が落ちるように成長していくことから、「子孫繁栄」を願う植物とされています。

・ウラジロ

名前の通り葉の裏が白い植物で、その見た目から「心が潔白で清々しい」という意味や葉が対に分かれて広がりながら成長していく様子から、「夫婦で仲良く白髪になるまで幸せに過ごせますように」という願いが込められています。

2025年の鏡開きの日程

ここでは2025年の鏡開きの日程について、解説いたします。

日程は地域によって異なり、地域と日付の関係は以下の通りになります。

京都・・・1月4日(土)

東北、関東、九州など多くの地方・・・1月11日(土)

関西、四国・・・1月15日(水)または1月20日(月)

このように鏡開きは地域によって日程のバラツキが多いのです。

なぜこのような地域差が出ることになったのか、それにはとある歴史上の出来事が関係していました。

昔は1月20日だった鏡開き

実は江戸時代の初めまでは、鏡開きの日にちは1月20日で統一されていました。

また、門松やしめ飾りを飾る松の内と呼ばれる期間は1月15日までとされていました。

しかし1651年4月20日に江戸幕府の第3代将軍である徳川家光が亡くなったことで20日が忌日になるため、関東を中心に鏡開きの日程を11日に、松の内の期間を7日までに変更したのです。

その際、幕府から比較的近い地域では新たな鏡開きや松の内の日程が受け入れられていきましたが、関西を中心とした幕府離れていた地域ではあまり広がらず松の内は15日のままで、鏡開きも15日や20日に行われています。

京都では鏡開きが4日とかなり早めですが、これらの地域では三が日の期間が終わったら、松の内に関係なく鏡開きを行うという風習が元々根付いていたためだとされています。

鏡開きの日が過ぎてしまったら?

お正月シーズンは何かと忙しく、気づいてた時には鏡開きの日が過ぎてしまっていたということもあるかもしれません。

ここでは、期日の日に鏡開きを行えなかった時の対処法についてご紹介します。

結論から言うと、期日を過ぎてしまっても気づいたときに鏡開きを行えば問題ないです。

鏡開きの日を忘れてしまうとバチが当たってしまったり、新たな年を縁起よく過ごせないのではないかと不安になってしまう方もいるかもしれませんが、その心配はいりません。

大事なのは、歳神様の依り代としての力が宿った食べ物を無駄にしないことです。

鏡開きの日に鏡開きをしなことよりも、鏡餅を食べずに処理してしまったりするほうが問題なのです。

なので、気づいたときに鏡開きが過ぎてしまっていても、鏡開き自体は行うようにしましょう。

鏡開きでのNG行為

ここでは、鏡開きでやってはいけないNG行為について見ていきましょう。

①鏡餅を捨てる

1つ目はさきほどの章でも少し触れましたが、鏡餅を食べずに捨ててしまうことです。

鏡餅を捨ててしまうと歳神様の恵みを授かることが出来ないですし、神様の依り代であった餅を捨てるのは失礼にあたります。

丸々捨ててしまうことも勿論NGですが、お餅を分けた際に出た欠片なども捨てずに食べてください。

もし満腹になってしまった場合は、次の食事に回すなどして、食べきるようにしましょう。

②包丁を使って餅を切る

鏡餅を切る際に包丁などの刃物を使うこともNGとされています。

鏡開きと言えば木槌をイメージされる方もいらっしゃるかと思いますが、それには以下のような理由があります。

鏡開きによく木槌が使われるのは、その昔刃物を使ってお餅を切るという行為が武士にとって切腹を連想させるものであったことから、歳神様の依り代である場に刃物を向けるのは縁起でもないとされており、木槌で割り砕くようになったのです。

そのためお餅を食べやすい大きさに整える際には、切るという手順がない木槌や手で分けるようにしましょう。

木槌でお餅を分ける際は優しく崩すように使用するのがポイントです。

お餅はあくまでも神様として取り扱うので、力いっぱい叩き割ることはNGです。

③松の内が明ける前に食べる

松の内が明ける前にお餅を食べてしまうことも基本的にはNGです。

門松やしめ飾りが飾られていてる松の内の間では、歳神様をお迎えしている最中であり、鏡餅は歳神様の依り代の役割として機能しています。

松の内の期間の間は歳神様が鏡餅に宿っているので、鏡餅のお餅を食べてはいけないということですね。

ただし京都などの一部の地域では、松の内の間でも三が日が過ぎたら鏡開きを行う場合があるので、地域のルールも確認しておくと良いでしょう。

まとめ

まとめになります。

今回は【鏡開きをする意味は?2025年の日程やNG行為について】ということで、鏡開きの由来や意味、2025年の日程ややってはいけないNG行為などについてご紹介いたしました。

鏡開きは武家社会で行われていた「具足開き」が由来となっていて、現代では円満が続いていくことや新たな出発に際しての幸福を祈願して行われるものでしたね。

そして、2025年の鏡開きの日程は

京都・・・1月4日(土)

東北、関東、九州など多くの地方・・・1月11日(土)

関西、四国・・・1月15日(水)または1月20日(月)

となっておりますので、この日は鏡開きを行いましょう。

またNG行為としては、鏡餅を捨てること、包丁を使って餅を切ること、松の内が明ける前に食べることで、これらの行為には注意しましょう。

今回の記事は以上となります。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

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