台風はいつ、どこで、どうなって発生するの?

台風は、毎年のように日本に上陸して大雨や土砂災害、高潮などの災害をもたらします。

いつ、どこで、どんなメカニズムで、1年に何個ぐらいの台風が発生するのでしょうか。

台風はどこで発生するの?

台風とは、熱帯で発生する低気圧「熱帯低気圧」の一種で、風速が毎秒17.2m以上に発達したものです。台風が生まれるのは熱帯の海上で、赤道より北側、東経100~180°の北太平洋や南シナ海です。

台風と同じように熱帯低気圧が発達したものに「サイクロン」「ハリケーン」があります。

「サイクロン」は、ベンガル湾やアラビア海など北インド洋で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が秒速17m以上のものです。

「ハリケーン」は、北大西洋やカリブ海、メキシコ湾、西経180°より東の北東太平洋で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が秒速33m以上のものをさします。

台風はいつ発生するの?

台風が発生する時期は主に夏から秋ですが、熱帯の海上は年間を通して暖かく、冬や春に台風が発生することも決して珍しくありません。

2018年と2019年は1月に台風1号が発生しました。2020年は5月、2021年は2月、2022年と2023年は4月に、台風1号が発生しました。

2024年は、5月10日時点でまだ台風1号は発生していません。とはいえ「台風1号の発生が遅い年」イコール「台風の発生数や影響が少ない年」というわけではありません。

2020年は、1月から4月まで台風発生がありませんでしたが、8月から台風の発生ペースが上がり、年間の発生数は23個。平年の年間発生数25.6個と比べてやや少ない程度になりました。

この年は、台風の上陸はなかったものの、9月に発生した台風10号が日本に大きな影響をもたらしました。長崎県野母崎で最大瞬間風速59.4メートル、南西諸島や九州を中心に観測史上1位の記録的な暴風がありました。

また、宮崎県で24時間降水量が400ミリを超えるなど、台風の中心から離れた西日本や東日本の太平洋側で24時間降水量が200ミリを超える大雨となりました。この暴風や大雨の影響で、飛来物や倒木による高圧線の断線などが起こり、南西諸島や九州を中心に広い範囲で停電が起こりました。

台風はどんなメカニズムで発生するの?

熱帯の海では、強い日差しで海面の水が温められて水蒸気となって空にのぼります。上空の冷たい空気で冷やされた水蒸気は水滴になり、積乱雲(入道雲)などの雲ができます。

積乱雲は、反時計回りに回りながら発達して大きな渦ができます。このとき、非常に多くの熱を大気中に放出します。この熱が周りの空気を暖めることで上昇気流が強まり、気圧も下がります。

これが繰り返されることで、積乱雲はさらに発達します。渦の中心では気圧が下がって「熱帯低気圧」が発生します。

北西太平洋にある熱帯低気圧が、水蒸気を吸い込んでさらに勢力を強め、10分間平均の風速が毎秒17.2mを超えたものを「台風」と呼びます。

台風は1年に何個ぐらい発生するの?

1951年から2021年までの71年間で、1年に平均26.1個の台風が発生しました。年によってばらつきはありますが、台風が最も多く発生した1967年は39個、最も少なかった2010年は14個の台風が発生しました。

そのうち日本に接近した台風は年平均11.5個で、上陸した台風は2.9個でした。この71年間で最も多く台風が上陸したのは2004年で、19個の台風が日本に接近し、そのうち10個の台風が日本に上陸しました。

台風の上陸は何月が多いの?

1951年から2022年までの間に日本に上陸した台風の数は、合計212個です。最も多くの台風が上陸した8月は75個、次いで9月に68個、7月に36個の台風が上陸しました。

2023年は何個の台風が発生したの?

2023年に発生した台風の数は17個にとどまり、平年と比べて約68%、1951年の統計開始以来3番目に少ない年となりました。

なかでも、9月の発生数は2個(平年は5個)、10月の発生数も2個(平年は3.4個)。9月以降の台風発生数は、1951年の統計開始以来最も少ない5個(平年は11.6 個)という結果でした。このうち1個の台風が日本に上陸しました。

日本気象協会によると、台風の発生が少なかった明確な理由は不明ですが、秋に南シナ海からフィリピン付近まで広がる「モンスーントラフ」と呼ばれる気圧の谷が平年より弱く、この付近の対流活動が不活発だったことが、要因のひとつとみられるそうです。

まとめ

台風が発生する時期は、おもに夏から秋ですが、冬や春に台風が発生することも珍しくありません。発生する場所は熱帯の海で、赤道より北側、東経100~180°の北太平洋や南シナ海です。

熱帯の海では、海面の水が温められて水蒸気となって空にのぼり、積乱雲などの雲ができます。積乱雲は、反時計回りに回りながら発達して大きな渦ができて発達。渦の中心では気圧が下がって「熱帯低気圧」が発生します。

北西太平洋にある熱帯低気圧が、水蒸気を吸い込んでさらに勢力を強め、10分間平均の風速が毎秒17.2mを超えたものを「台風」と呼びます。

また、1951年から2021年までの71年間で、1年に平均26.1個の台風が発生しました。

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