台風接近時に起こる『気象頭痛』とは?対処法についても解説!

皆さんは、台風が来た時に頭痛が起こった経験はありますか?

台風以外にも、天候が良くなったり悪くなるタイミングで頭痛や眠気、倦怠感といった不調に見舞われる方が一定数いるようです。

こういった症状は『気象病』と呼ばれており、気象頭痛はその中でも多く見られる症状です。

今回はそんな気象頭痛について、原因や対処法などをまとめてみました。

台風接近時の気象頭痛:原因は?

医学が盛んなドイツでは、気象と病気の関連を調べる『生気象学』の研究が進んでおり、気象頭痛に関する情報や様々な医学気象予報が国民に提供されています。

日本では2015年に、医師による気象病の一般書が初めて刊行され、その概念が急速に普及してきました。

ここでは生気象学的な観点から、気象頭痛の仕組みについて解説していきますね。

気象条件の変化によって自律神経が乱れる

気象頭痛の主な原因として考えられるのは、急速な気圧や湿度の変化による自律神経の過剰反応です。

自律神経の反応の仕方には個人によって差があり、血管が拡張して片頭痛が起こる人もいれば、後頭部や首の筋肉が収縮することで頭が締め付けられるように痛む、いわゆる緊張型頭痛が起こる人もいます。

片頭痛の例をあげると、急速な気圧低下や湿度増加により、血液中の水分が溜まって血管が拡張し、それが神経を圧迫することでズキズキと脈打つような痛みが起こります。

その一方で、気象の変化の影響を全く受けない人も多く、これは自律神経の反応のしやすさも、個人によって差があることが要因にあると考えられます。

ちなみに、気圧や湿度の変化は梅雨の時期にも多いため、気象頭痛は梅雨に発生することも多いです。

気象頭痛は女性に起こりやすい

自律神経の乱れが原因と考えられる気象頭痛は、特に月経のある女性に起こりやすいです。

女性の月経周期は、多様なホルモンバランスの変化からなっており、その調整にも自律神経が関与しているためです。

そこに急速な気象変化が加わることで、自律神経が過剰に働いてしまいやすくなるのです。

台風接近時の気象頭痛:対策は?

気象頭痛は環境に対する自律神経の反応が主な原因であると考えられるため、根本的な治療は難しいです。

しかし、症状を軽減するのに有効ないくつかの方法があります。

ここでは、気象頭痛を和らげたり予防するための方法をいくつかご紹介しますね。

酔い止め薬を服用する

人間の耳の奥にある内耳の前庭と呼ばれる部位は、気圧を感知するセンサーとしての機能を持っています。

市販の酔い止め薬や、『五苓散(ごれいさん)』と呼ばれる漢方薬には、この機能を抑制する働きがあり、天気頭痛が起こるタイミングに合わせて飲んでおくことで、頭痛を効果的に抑えることができます。

気象頭痛は起こる直前に「頭がボーっとする」などの前兆を伴うことが多いため、気象頭痛アプリなどを活用しながら、気象条件の変化と頭痛の関係性を記録しておくと、頭痛が起こりやすいタイミングを把握しやすいでしょう。

専用の耳栓をする

内耳の前庭の気圧センサーを働きにくくさせるもう一つの方法として、『天気痛耳栓』などの、専用の耳栓を装着する方法があります。

台風が近づいてきた時にこの耳栓をしながら過ごすことによって、気圧変化による頭痛の発生を物理的に抑えることができます。

酔い止め薬などを利用したくない方には、この方法がおすすめです。

耳の血行を良くする

耳の血行を良くしておくことも、気象頭痛に効果があります。

水で軽くしぼったタオルを電子レンジで1分程度温め、ホットタオルにして耳を温めます。

あるいは、耳を指でつまんで引っ張ったり、手のひらで耳を覆い、後方に向かってぐるぐると回すようにマッサージします。

耳の血行を良くすることで、内耳神経の興奮を鎮める効果が期待でき、頭痛を緩和することができるでしょう。

手首のツボを押す

気象頭痛は『内関(ないかん)』と呼ばれる、手首にあるツボを押すことでも緩和することができます。

内関は、手首のしわから肘に向かって指の幅3本分ほどの位置にあります。

2本の筋が通っているちょうど真ん中を、肘側から指先で数秒間、グッと押し込みます。

内関は自律神経を整える万能ツボとして知られ、頭痛だけでなく酔い症状や胃の不快感なども緩和し、リラックス効果が期待できます。

生活習慣を改善する

気象頭痛の主な原因は、自律神経の乱れです。

生活習慣が乱れていると、自律神経も不安定になりやすいので、

・起床や就寝、食事の時刻を一定にする
・栄養バランスの取れた食事をとる
・適度な運動をする

こういった習慣を日常生活に取り入れることも、頭痛の予防に効果があるでしょう。

台風接近時の気象頭痛:まとめ

いかがだったでしょうか?

気象頭痛は2~3日続くこともある厄介な気象病です。

頭痛になると生活に支障が出てきたりもするので、なるべく避けたいですよね。

気象頭痛にお悩みの方は、ご紹介した対処法を一度試してみてはいかがでしょうか?

今回は、気象頭痛の原因や対処法について解説させていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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