台風が接近するとニュースや天気予報で目にする「警報」や「特別警報」には、どのような種類があるのでしょうか。また、避難するタイミングの目安となる「警戒レベル」とは、どのようなものなのでしょうか。命を守るための大切な情報について解説します。
台風のときに出る「警報」とは
台風などによって重大な災害が発生するリスクがあるとき、気象庁は「警報」を発表して警戒を呼びかけます。台風が接近するときには、以下のような警報が発表されて、市町村が「高齢者等避難」や「避難指示」などを出すための目安となります。
「大雨警報」大雨で重大な土砂災害や浸水害が起こりうる
「洪水警報」河川上流の大雨で下流が増水して、重大な洪水災害が起こりうる
「暴風警報」暴風で重大な災害が起こりうる
「波浪警報」高波による遭難や沿岸の被害などが起こりうる
「高潮警報」異常な潮位上昇で大災害が起こりうる
「大雨警報」は、大雨による土砂災害や浸水害リスクが予想されると、「大雨警報(土砂災害)」「大雨警報(浸水害)」という形で発表されます。また、雨がやんだあとも土砂災害などのリスクがあれば、大雨警報が継続されます。
台風のときに出る「特別警報」とは
台風接近による暴風や波浪、高潮への最大級の警戒を呼びかけるもので、中心気圧930hPa以下、または最大風速50メートル以上にもなる危険な台風が接近したときに発表されます。
【速報】
台風14号の接近に伴い、鹿児島県に暴風・波浪・高潮特別警報が発表されました。今後、これまでに経験したことのないような暴風が吹き荒れ、外出を伴う避難が困難になる見込みです。
頑丈な建物へ避難し、窓から離れた場所で過ごすなど身の安全を確保して下さい。https://t.co/9MHb90X7fd pic.twitter.com/PHD6V42IZ2— ウェザーニュース (@wni_jp) September 17, 2022
「大雨特別警報」数十年に一度レベルの大雨で土砂災害や浸水害が起こりうる
「暴風特別警報」数十年に一度レベルの台風で暴風が予想
「波浪特別警報」数十年に一度レベルの台風で高波が予想
「高潮特別警報」数十年に一度レベルの台風で高潮が予想
特別警報が発表されるときは、これまで一度も経験したことのない大雨や暴風などが予想される状況です。住んでいる地域が、この数十年間に一度も災害が発生していなかったとしても油断は禁物です。ただちに市町村の避難情報に従い、自分自身と大切な人の生命を守りましょう。
「警戒レベル」とは?「警報」との関係は?
「警戒レベル」とは、台風などが発生したときに住民がすみやかに避難できるよう発表される防災情報で、5段階に分かれています。
警戒レベル3が赤、4が紫、5が黒で表示されています。
災害対策基本法が改正され、5月20日から避難情報が新しくなります。
警戒レベル4は避難指示となり、避難勧告は廃止です。
警戒レベル4避難指示が発令されたら、危険な場所から全員避難しましょう!
また、チラシも参考に小中学校や公民館以外の避難先も普段から考えておきましょう。 pic.twitter.com/GYOHYNurtZ— 内閣府防災 (@CAO_BOUSAI) May 10, 2021
警戒レベル1(早期注意情報)
最新の気象情報をチェック!
気象庁の公式サイトでは、この先数日の間に気象警報が出る可能性について、「早期注意情報」を発表しています。最新の情報をゲットしましょう。
警戒レベル2(注意報など)
ハザードマップで避難場所などを確認!
気象庁から「大雨・洪水注意報」などが発表される状況です。ハザードマップなどで災害リスクのあるエリアや、避難する場所・経路・タイミングなどを再確認して、避難のシミュレーションをしましょう。
警戒レベル3(高齢者等避難)
避難に時間のかかる方や危険エリアの方は避難!
「大雨・洪水警報」や川の「氾濫警戒情報」が発表される状況で、自治体が「高齢者等避難」を発表。高齢者や障がい者をはじめ避難に時間のかかる方やその支援者は危険なエリアから避難しましょう。土砂災害危険エリアや、急激な水位上昇リスクのある河川沿いに住む方も、すみやかに避難を始めましょう。
上記以外の方も、普段の行動を見合わせて避難の準備をして、危険を感じたら自主的に避難しましょう。
警戒レベル4(避難指示)
危険なエリアから全員避難!
以前は「避難勧告」と「避難指示」に分かれていましたが、「避難指示」に一本化されました。「土砂災害警戒情報」や川の水位上昇による「氾濫危険情報」などが発表される状況です。高齢者などに限らず、危険な場所にいる人は全員避難しましょう!
避難場所への移動にこだわる必要はなく、自宅近くの頑丈な建物などで安全を確保する方法もあります。あらかじめハザードマップなどで確認しておきましょう。
警戒レベル5(緊急安全確保)
避難は手遅れかも・・・命を守るための行動を!
河川が氾濫して「氾濫発生情報」が出たり、気象庁から「大雨特別警報」が発表されたりする状況です。災害がすでに発生しており、避難場所への移動は手遅れになっている恐れがあります。
「警戒レベル4」までに避難を完了しよう!
「警戒レベル5」は、避難が遅れた人に「次善の行動」を求める呼びかけです。発表された時点ですでに災害が発生しており、安全に避難できない恐れがあります。身の危険が迫る前に「警戒レベル4」までに必ず非難をすませることが大切です。
周囲の状況をよく確認して、指定された避難場所までの移動が危険な場合は、近くの鉄筋コンクリートなど頑丈な建物に移動しましょう。大雨や暴風がひどくて屋外に出た方が危険で、やむをえず自宅などに留まる場合は、より安全な2階以上や崖の反対側に退避するなど、命を守るための行動をとりましょう。
まとめ
気象庁は、台風などで大災害が発生するリスクがあるときに「警報」や「特別警報」を発表して、警戒を呼びかけます。「警戒レベル」とは、台風などの発生時に住民がすみやかに避難できるよう発表される防災情報で、「警戒レベル4(避難指示)」までに非難をすませることが大切です。
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